DDAA / DDAA LABの代表を務める建築家の元木大輔(1981-)による新刊『Hackabiity of the Stool スツールの改変可能性』が、2月下旬に刊行されます。現在、版元である建築の建築のオンラインストアにて、同書の予約販売を受付中です。
本書のタイトルにある「Hackabiity of the Stool」とは、元木氏が2020年に発表した、1933年にアルヴァ・アアルトがデザインしたスツールとして知られる〈Stool 60〉と、その模造品として世の中に出回るさまざまなスツールを改変するデザインプロジェクトです。
本プロジェクトでは、小さな工夫で展開される活用を「改変可能性(hackability)」として捉え、〈Stool 60〉を改変、アタッチメントを装着するなど、機能の拡張を探求しました。
330点余りのアイデアスケッチのうち100のアイデアが、実際に制作され、2020年に元木氏のインスタグラムで公開されました。
本書は、プロジェクトの全貌を伝え、その軌跡を追うものです。
制作された全100脚のスツールの写真(撮影:長谷川健太)とともに、スケッチ330余点も収録。さらには、アルテックの協力により、アアルトの「L – レッグ」シリーズをめぐるアーカイブ写真を、リソグラフで印刷したビジュアルも収録しています。
テキストでは、元木氏が論考「『原っぱ』は設計できるか? ─『Hackability of the Stool』の先にあるもの」を書き下ろし。そのほか、弁護士の水野 祐、建築家の甲斐貴大(studio arche 代表)と角田和也(DDAA スタッフ)の3氏をゲストに迎えた3本の対談を収録。「Hackability of the Stool」プロジェクトをよく知る3氏が、そのオモテとウラを語り尽くします。
書籍のデザインは、デザイナーの高室湧人氏が担当。書籍をスツールに見立て、表紙の厚紙を “アタッチメント”と捉え、あえて書籍本体と表紙を接着しないデザインとなっています。アタッチメントを外すと、シンプルなPUR製本を採用した書籍が「白い塊」となって出現するという、今回のプロジェクトをイメージした造本となっています。
なお、実際に制作された100脚のスツールは、中国・杭州のギャラリー(B1OCK CONCEPT STORE)にて昨秋、開催された展覧会にて披露されています。
日本国内では、京都市京セラ美術館 光の広間にて、書籍と同タイトルの展覧会「元木 大輔 / DDAA LAB Hackability of the Stool」が、2022年3月15日から20日までの会期で開催される予定です(主催:DDAA LAB、協力:アルテック)。
著:元木大輔 / DDAA LAB
編:飯沼珠実
デザイン:高室湧人
写真:長谷川健太
モデル:キアタンテ・ジュリア、角田和也
スケッチ:元木大輔、角田和也
ISBN:978-4-9911475-17
定価:5,000円+消費税
発売日:2022年2月下旬(取次搬入日:2月21日)
版元:建築の建築
建築の建築 / House of Architecture オンラインストア
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