2022年5月2日初掲、5月14日竣工写真追加・谷尻誠氏インスタグラム投稿シェア
広島県・三次町に、建築家の谷尻 誠(SUPPOSE DESIGN OFFICE 共同代表)がプロデュースする、飲食店舗「もちのえき」が5月14日にオープンします。
谷尻氏は、同町の出身で、太歳神社の公衆トイレの設計も手がけています(公衆トイレ 詳細)。
谷尻誠 facebook 2022年4月6日投稿よりシェア表示
谷尻氏の生地である三次町は、広島県北部の三次市、その中心に位置します。「うだつが上がらない」という比喩のもととなった「卯建」を有する、旧商家や伝統的建造物が旧街道筋に現存するまちであり、江戸時代中期には、この地から妖怪物語「稲生物怪録(いのうもののけろく)」が生まれました。2019年4月には、妖怪研究家からの資料の寄贈を受け、「三次もののけミュージアム」こと湯本豪一記念日本妖怪博物館が開館。三好町の観光拠点となっています。
江戸期以前から交通の要衝だった三次は、日本海と瀬戸内を結ぶ旧街道が南北に走り、その筋道からは、人々の生活道であり、火災発生時に火が燃え広がらないためでもある小路(しょうじ)が、枝葉のように伸びていました。旧浅野藩時代に整備された歴史あるものですが、今日では、新たな道路の敷設や家屋の建て替えなどによって失われつつあります。
これに対し、三次市は、三次町歴史的地区環境整備事業として、南北1.4kmのみよし本通り商店街を「歴みち石畳通り」として整備。同様に、複数の小路を石畳で舗装し、景観を保持するために家屋修景補助を設けるなど、市と町、一般社団法人三次観光推進機構などが一体となって、往時の面影を取り戻す取り組みが継続して進められています。
今回の新店舗「もちのえき」開業も、この取り組みに沿った地域再生に発したもので、三次もののけミュージアムを訪れる人々の周遊促進と、三次町の活性化やにぎわいづくりへの貢献が期待されています。
店舗「もちのえき」の立地は、三次町「歴みち石畳通り」と、通りの西側にある「三次もののけミュージアム」を新たに結ぶ路(みち)の一角。かつては醤油屋を営んでいた木造古民家を改修し、東西方向に誰でも使える自由通路が新設されます。
屋根の下の通路は「もののけ小路」と命名され、9時から18時の間は通り抜けが可能。5月3日より開通します。
「もちのえき」で提供されるメニューは、谷尻氏のパートナーで料理家の谷尻直子氏が監修。フードメニューのメニュー開発サポートなどを手掛けるユニテ(unite inc. 代表:浅本 充)も参画したもの。旧店舗が醤油屋だったことにちなんで「みたらし」もつくられます。
広島県産の上新粉、餅粉、白玉粉を使用し、酒粕がふわっと香るお餅は毎日手作り。小豆は北海道産の無農薬のもの。お茶は広島県の無肥料・無農薬の在来茶で、お餅との相性も抜群とのこと。
「歴みち石畳通り」に面した店舗は、「もののけ小路」の開通にあわせて5月3日から8日までプレオープン、5月14日にグランドオープンを迎えます。
SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズ デザイン オフィス)が設計した公衆トイレがある太歳神社とあわせて、三次のまちめぐりをお楽しみください。
所在地:広島県三次市三次町1582番地(Google Map)
営業日:木・金・土・日曜
定休日:月・火・水曜
営業時間:10:00-17:00
もののけ小路:開放時間:9:00-18:00
「もののけ小路」企画・設計:SUPPOSE DESIGN OFFICE
オープン日:2022年5月14日(土)
※5月3日(火・祝)〜8日(日)プレオープン期間
詳細・三次観光推進機構 公式ウェブサイト
https://www.miyoshi-dmo.jp/mononoke-syoji/
「もちのえき」公式ウェブサイト
https://mochinoeki.com/
「もちのえき」公式インスタグラム ※営業日の確認はこちら
https://www.instagram.com/mochinoeki_official/
店舗の設計について:谷尻誠 インスタグラム 2022年5月8日投稿よりシェア