CULTURE

インド発!渦状の構造体による遺跡のような住空間!?

ウォールメーカーズによる 瓦礫と土と廃棄ペットボトルを活用した自然に溶け込む住宅〈Chuzhi〉

CULTURE2023.01.25
〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

渦巻き状の構造体で構成された住宅〈Chuzhi〉は、険しい岩場や生い茂る植物が広がるインドの地域において、「建築に適さない」土地の活用を探るプロジェクトです。

瓦礫と土、4000本の廃棄ペットボトルから作成された渦巻き状の構造体が腰掛けから壁、屋根になり住空間を構成しています。また、渦巻きは既存の3本の木を避けるように配置されており、居住者の快適さを損なうことなく、家の上部にある木々や周囲の自然な生態系をそのまま維持するよう計画されています。

泥と廃棄物を使用した建築に特化したインドの設計事務所ウォールメーカーズ(WALLMAKERS)が設計しました。

(以下、WALLMAKERSから提供されたプレスキットのテキストの抄訳)

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉は、一般的に「建築に適さない」とされる土地に何が建てられるかを探るためのプロジェクトである。

この住宅は、インド北部の風光明媚な村ショーラギリ(Shoolagiri)にあるサンクティ・フェルム(Sanctity Ferme)というゲーテッドコミュニティ(編集部注:ゲートと塀により住民以外の出入りを制限することで防犯性を向上させるまちづくりの手法)に位置している。

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

岩の多い険しい地形や大木、生い茂る植物が特徴的なコミュニティの周辺には、建築可能な面積が少なく誰も家を建てようとしない区画があり、このプロジェクトのオーナーは困っていた。

美しい風景を眺めることにはこだわるが、自分の家が美しい風景の中で不自然で目障りな存在になってしまうことを気にかけない人が増えている。このような現代において、私たちのコンセプトである「カモフラージュ建築」は、建物が隠れるように、そして既存の地形とシームレスに融合するように設計されている。

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

瓦礫、土、廃棄ペットボトルからつくる構造体

〈Chuzhi〉は、マラヤーラム語で「渦」を意味する。敷地内の大きな3本のタマリンドの木の周りに、プレキャスト打設された、瓦礫と土、4000本の廃棄ペットボトルを合成した梁の渦をデザインした。

岩盤を起点として樹木の周囲に複数の渦巻きを形成し、隣接した空間をつくることで、下には居住者のための安全なプライベート空間を、上の樹木の周囲には濃い植生と生態系が妨げられることなく繁栄し続けるための空間をつくることを目指した。

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

住人の快適さと自然環境の維持を両立する住宅

〈Chuzhi〉の渦巻きは、下部の壁から始まり、螺旋状に上昇して屋根を形成している。また、まるで樹冠の下に住んでいるような感覚を与えるガラス張りの屋根がデザインされている。

渦巻きが屋根になり、樹木を囲む腰掛けにもなり、パブリックとプライベートを分ける壁としても機能する。居住者の快適さを損なうことなく、家の上部にある木々や周囲の自然な生態系をそのまま維持しているのである。

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉はオープンなレイアウトとミニマルなインテリアで構成された2ベッドルームの住宅であり、床には再生材をつなぎ合わせてつくられている。

立面がないこの建物は、暑い日に岩の下で丸くなる蛇のように、風景の中にひっそりと佇んでいるのである。

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

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〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

©︎ SYAM SREESYLAM

〈Chuzhi〉

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〈Chuzhi〉

Plan

〈Chuzhi〉

Section

〈Chuzhi〉

Section

以下、WALLMAKERSのリリース(英文)です。

Main Information
Project Name: CHUZHI
Office Name: WALLMAKERS
Office Website: www.wallmakers.org
Social Media Accounts: @ar.vinudaniel
Firm Location: INDIA
Completion Year: 2022
Gross Built Area (m²/ ft²): 2122 ft²
Project Location: SHOOLAGIRI, TAMIL NADU
Program / Use / Building Function: RESIDENCE
Lead Architects: VINU DANIEL, NEERAJ S. MURALI , RAJESH KHANNA
Photographer: SYAM SREESYLAM
Project Description
Chuzhi is a project that helps to understand what can be built in odd sites that are generally deemed ‘unsuitable’ for construction. Situated in a gated community called Sanctity Ferme in a picturesque location called Shoolagiri, the owner was in a fix as there were unwanted obscure plots at the periphery of the community characterized by steep rocky topography , huge trees and thick vegetation making people reluctant to make homes there as the buildable area seemed less. In current times when people are obsessed with achieving beautiful scenic views from their homes and least concerned with how their houses end up looking like unnatural eyesores in virgin beautiful landscapes, our concept of Camouflage architecture, where we want the buildings to stay hidden and merge seamlessly with the existing topography seems apt.
Chuzhi as the meaning suggests in Malayalam, ”whirlpool” are swirls of precast poured debris earth composite bottle beams, fashioned from 4000 discarded plastic bottles designed around the three large Tamarind trees on site. The idea was to make a subterranean home that would originate from the rock bed, forming multiple whirls around the tree and adjoining to create a secure private space below for the residents and a space around the trees above that ensures that the thick vegetation and ecosystem continues to thrive undisturbed.
The swirls of Chuzhi start as walls and spirals all the way up to form the roof. Perched in between the three trees, the house has been designed with a glass roof to give you the feeling of living underneath the canopy of trees. Although the house has no elevation, it properly defines the public space from the private space with the roof doubling up as a seating area around the tree. The idea was to allow the natural ecosystem of trees and the surroundings to be retained as it is above the house, without compromising on the comfort of the inhabitants. Chuzhi is a two-bedroom residence designed with an open layout and minimalistic interiors and has floors that have been made of reclaimed wood that has been pieced together. But the surprising fact is that the building manages to tuck itself away into the landscape like a snake curling up under a rock on a hot day.

「Chuzhi」WALLMAKERS 公式サイト

https://www.wallmakers.org/chuzhi-shoolagiri/vel86126dsdjsreyn213fm0o4gr8zl

 

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