福岡県福津市宮地浜にシーサイドダイナー〈DILLY DALLY(ディリーダリー)〉が7月22日にオープン。建物の設計・デザインを、建築家の佐々木 慧氏が率いるaxonometric(アクソノメトリック)が担当しています。
風化してできた広場
DILLY DALLY人々が集まる海辺の広場の計画。 壁のような細長い建築は、強風から広場を守り、空と海を切り取る岩場 / ランドスケープとなる。
美しいサンセットが眺められる海辺の敷地に、BBQ(バーベキュー)やさまざまなイベントができる広場と、飲食を中心とした店舗をつくる計画である。
敷地は海と森に囲まれた広い場所で、美しい景色を楽しめるものの、季節によっては強風で全く屋外が活用できない土地であった。そこで、できるだけ大きく広場を囲いとるように細長く空間を配置し、風から守られた岩陰のような場所をつくろうと考えた。
最も海がよく見える空間はガラス張りのレストランとし、広場からはレストランを大きな窓として海を眺めることができる。また周辺の雑多な景色は立ち上がった壁が遮蔽し、森や海が美しく切り取られるように立面を計画している。
広大な自然環境の景色と周辺の雑多な景色、季節により吹く強い海風。このような周辺環境に影響されて自然と風化してできた岩場と、それに守られた広場をイメージしている。建築の形を決定する拠り所を徹底して周辺環境、自然環境に求めることで、建築の内的な論理によらない設計手法を模索した。(佐々木 慧 / axonometric ウェブサイト プロジェクトページより)
〈DILLY DALLY(ディリーダリー)〉は、2月と10月の年に2度、東の水平線から昇る朝日が参道を照らす「光の道」の美しさが近年、国内外に知られるようになった宮地嶽神社(みやじだけじんじゃ)が車で5分の距離にある、宮地浜海水浴場に位置しています。施設を企画・運営するスタンス(福岡県福岡市)のプレスリリースによれば、遠浅の海で、ファミリーも利用しやすく、夏はたくさんのレジャー客で賑わうとのこと。
美しい自然に囲まれながら、美味しいものを食べ、時間を気にせず、のんびりと開放的に、気持ちよく楽しい時間を過ごしてほしい、そんな思いを込めて、「DILLY DALLY(=ぐずぐずする、時間を浪費するの意)」と名づけられたシーサイドダイナーです。
DILLY DALLY Website
https://dilly-dally.jp/