東京・恵比寿の築60年の民家を改装したオルタナティヴスペース〈などや恵比寿〉のギャラリーにて、佐野文彦氏の個展が11月28日(日)まで開催されています(開場は週末と祝日のみ)。
佐野氏は、京都の数寄屋建築の名工、中村外二工務店に弟子入りしてのちに独立し、建築家であり作家になるという、素材を探す、素材を選ぶ、素材を加工する、素材を組み上げるといった、一般的には建築を設計するうえでは経験する機会が少ない、素材と向き合った長い時間を通じて、素材を見る力、活かす力、素材そのものの美しさなどを引き出す力、それらを見立てる力を培い、素材を再解釈・再構築したさまざまな作品を国内外で発表してきました。
佐野文彦(Fumihiko Sano)プロフィール
建築家 / 美術家
1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店にて数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所などを経て、2011年独立。現場を経験したことから得た工法や素材、寸法感覚などを活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ作品を製作している。2016年には文化庁文化交流使として世界16か国を歴訪し各地でプロジェクトを敢行。様々な地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、インスタレーションなど、国内外で領域横断的な活動を積極的に続けている。主な受賞に、EDIDA 2014 ELLE DECO Young Japanese Design Talent、IF DESIGN AWARD 2020受賞、2016年度文化庁文化交流使、Dezeen Awards shortlists、FRAME AWARD nominate、IDEA-TOPs nominate, Design and Build Awardsなどがある。
Fumihiko Sano Studio
http://fumihikosano.jp/
本展では、素材そのものに対して手が加えられることの行為をテーマとした作品を発表。 自然崇拝や一種のアミニズムにも見られるような、「もの」と自分の関係性の構築と、素材そのものの意味の変化に焦点があてられています。それは、佐野の出身地である奈良県中部に多くの古式神道の跡が残り、今も数多くが点在していることとも関係しているのかもしれません。自然物と佐野が作り上げる、唯一無二の企画展です。
気づけば長い時間、
いろいろな素材を見、選び、動かし、そこに据えてきた。
ものがそこにあり変化を加えようとすることで起こる状況の発現にいつも心を奪われている。
ものはものとしてただそこにあるだけだが
私たちが行う行為が私たち自身を写しているのかもしれない。佐野文彦(2021年10月)
アーティスト:佐野文彦
プロデュース:遠藤 豊(LUFTZUG)、岡村俊輔(などや)
会場グラフィックデザイン:林 琢真
会場:などや恵比寿 2F 浮遊ギャラリー
所在地:東京都渋谷区恵比寿西1-17-14(Google Map)
会期:2021年10月22日(金)〜11月28日(日)※注.金・土・日曜・祝日のみ開場
開場時間:12:00-18:00
休業:月曜〜木曜(祝日を除く)
などや 公式ウェブサイト
https://www.nadoya.jp/