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『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?
編集者・西田善太氏に浅子佳英氏がインタビューする動画をLIXILが期間限定で配信

LIXILのビジネスユーザー向け情報サイトで連載中の「これからの社会、これからの住まい 2」にて、雑誌『BRUTUS』の編集長である西田善太氏にインタビューしたトークの内容が、期間限定で無料配信されました(視聴は無料、登録制)。

『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

申し込み受付期間:2021年11月15日(月)~29日(月)
視聴可能期間:2021年11月15日(月)~29日(月)

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「これからの社会、これからの住まい 2」は、各回ゲストの話やさまざまな事例を通して、社会と住まいの未来を考える企画。建築家でライターの浅子佳英氏(PRINT & BUILD代表)と、建築家の中川エリカ氏(中川エリカ建築設計事務所代表)が共同で監修者を務めています。

今回は「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?」をテーマに、浅子氏によるインタビュー形式で約90分にわたって西田氏に話を聞きました。

西田善太氏

西田善太(にしだ・ぜんた)氏
1963年生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店でのコピーライター職を経て、1991年にマガジンハウス入社。『Casa BRUTUS』副編集長を経て、2007年3月から『BRUTUS』副編集長、2007年12月より『BRUTUS』編集長。

西田氏は「雑誌がやりたくて」、コピーライターから転職して1991年にマガジンハウスに入社。以降は「ほぼどっぷり」と『BRUTUS』の編集に携わっています。『Casa BRUTUS』の創刊にも立ち会い、副編集長も務めました。現在は『BRUTUS』の第10代編集長です。

マガジンハウス発行『BRUTUS』『Casa BRUTUS』バックナンバー表紙

1990年代後半の『BRUTUS』『Casa BRUTUS』バックナンバー(発行元:マガジンハウス)

これまでに両誌で建築・インテリア・デザイン関連の特集を数多く手がけた西田氏は、生前の柳 宗理氏をはじめ、建築界の巨匠・安藤忠雄氏からも厚い信頼を寄せられ、ムック本『Casa BRUTUS特別編集 安藤忠雄×旅 総集編』では、“安藤番”として氏の欧米出張に同行、パリ、ローマ、ニューヨークの各都市をともに巡り、1冊にまとめあげました。

『CasaBRUTUS 特集:安藤忠雄×旅』表紙

『Casa BRUTUS 特集:安藤忠雄×旅』(2006年10月 マガジンハウス)

今でこそ、マガジンハウス発行の『BRUTUS』や『Casa BRUTUS』が建築やインテリアを特集することは珍しくありませんが、それは1990年代後半に顕著になったことで、発行当時は画期的なことでした。両誌の立ち位置は(今でもですが)一般誌であり、『新建築』のような専門誌ではないからです。書店での置き場も、それまではファッション情報誌のコーナーに面陳されていました。

フランク・ロイド・ライト、アアルト、イームズ、バウハウス、ル・コルビュジエやミース、桂離宮、柳 宗理、安藤忠雄など、建築・デザイン史の授業に登場するような事例や人物を、建築専門書の老舗の新建築社や鹿島出版会ではなく、一般誌の出版社が取り上げ、ミッドセンチュリーなど全く知らない読者に向けてわかりやすく紹介し、かつ商業誌として成功させたのは、『BRUTUS』が先駆と言っていいでしょう。建築・インテリア特集の成功を受け、1998年に創刊したのが『Casa BRUTUS』です。

『Casa BRUTUS』バックナンバー(マガジンハウス公式ウェブサイトより)

『Casa BRUTUS』初期のバックナンバー(マガジンハウス公式ウェブサイト>バックナンバーページより)

インタビュアを務めた浅子氏は、1972年生まれ。『BRUTUS』の建築・インテリア特集をリアルタイムで読み、海外の建築やデザイン情報を誌面から得ていたとのこと。当時の大学の教授陣の評価は「ブルータスなんてチャラい」というものでしたが、「書店の平積み台でキャッチーなタイトルを見せながら、その実は内容がとても濃かった」と浅子氏は言います。

浅子佳英氏

浅子佳英(あさこ・よしひで)氏
1972年生まれ。建築家、ライター。2010年東浩紀とともにコンテクスチュアズ設立、2012年退社。2021年出版社機能を持った設計事務所 PRINT & BUILD設立。作品=《gray》(2015)、《八戸市美術館》(2021)(共同設計=西澤徹夫)ほか。共著=『TOKYOインテリアツアー』(LIXIL出版、2016)。

2021年に出版社機能を持った設計事務所、PRINT & BUILDを設立した浅子氏は、若い世代の活字離れが進む昨今、建築を学ぶ学生たちがインターネットから画像をピックして満足している現状に危機感を覚えていると冒頭で語り、「建築専門誌はこれから衰退していってしまうのか?」というストレートな問いをぶつけ、今後の展望を聞き出す相手として、西田氏をゲストに招きました。
編集者の立場で長年、建築に関わってきた西田氏は、この問いにどう答えたのか? 対談形式で進むインタビューの終盤、西田氏は明快に答えを出しています。

『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

LIXIL特別インタビュー『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

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今回のインタビューでは、西田氏が創刊に関わった『Casa BRUTUS』と、その前段階となる『BRUTUS』で完売ないし増刷となった“伝説的”な建築・インテリア関連特集号の軌跡を、当時を知る浅子氏とともに辿っていきます。90分という収まりを考慮してダイジェストに語られていますが、当時の製作秘話も明かされ、貴重な証言集となっています。

西田氏にとって建築とは? それは「編集者としてとても大事な鉱脈」であると、繰り返し語られています。

マガジンハウス発行『BRUTUS』バックナンバー表紙

西田氏が編集に携わった『BRUTUS』で”伝説的”な建築特集号(発行元:マガジンハウス)

1991年から今に至る、西田氏の鉱脈掘りの跡は、当時の社会状況を浮かび上がらせ、建築を取り巻く経済状況にも直結していることがわかります。
2人の話に登場するキーワードで挙げれば、集合住宅、デザイナーズマンション、狭小住宅など。これらは、都心部における土地の相続と深く関係していました。

『BRUTUS』の特集では、建築・インテリア以外にも、ワイン特集が有名です。だがしかし、西田氏は「僕らがブームをつくった訳ではない」と断言します。「社会も読者のリテラシーも整っていた。ただ、一瞬早く、僕らがそれに気づいて、特集を組んで出しただけ」とのこと。その判断ができる「度胸」の有無が編集者の証しであり、時代の一歩先をいけるかどうかを左右しました。

『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』、現在も建築・インテリア関連の情報を広く世の中に提供し続ける、この2つの雑誌が建築業界にもたらしたものとは何だったのか? 西田氏は「功罪ある」と述べていますが、今回のインタビューでは主に「功」の歴史が語られます。

LIXIL特別インタビュー『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

昨日のことのように当時を振り返る西田氏の話で大いに盛り上がるインタビュー形式の対談

インタビュー動画 INDEX

■付きの太字は動画の左上に表示される小見出し(時分秒はおおよその経過時間)
話中に登場する主なキーワードを『TECTURE MAG』編集部にて抽出、視聴の参考とした。

冒頭
■建築専門誌は弱体化している?
・ピンタレストでしか建築を見ない若い世代
・Webメディアには批評・批判がない
・建築メディアはどのように「建築」を伝えていくべきか?

3分23秒
■90年代後半からの『BRUTUS』の胎動
・建築領域に一般誌として乗り込んでいった『BRUTUS』
・建築は僕にとって大事な「鉱脈」
・『BRUTUS』が教えてくれたLOT/EK、シャルロット・ペリアンなど
・既存の専門誌が『BRUTUS』化

『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

LIXIL特別インタビュー『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

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8分40秒
■なぜ一般誌が建築を取り上げるようになったのか
・80年代から築いてきた内外の建築家との関係性
・1982年6月「居住空間学」特集で「海外ってこんなおもしろく住んでるんだぞ」と最初に見せた
・1996年11月「有名建築家がつくった集合住宅」が大ヒット
・谷内田章夫、坂 茂のデザイナーズマンションで「集合住宅はかっこいい」にシフト

16分33秒
■特集「東京23区に家を建てられますか?」
・バカ売れした「東京23区に家を建てられますか?」(1999年12月)
・狭小住宅
・藤塚光政さん全面協力

18分30秒
■ライフスタイルから建築の領域へ
・『Casa BRUTUS』としては冒険だった
・「誰にでもわかるル・コルビュジエ」特集が完売
・バウハウスの特集へとつながる成功

19分27秒
■特集「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます。」
・巻頭に付けたハガキで10人の建築家の施主を募集!
・最初に手を挙げた建築家は?
・建築家のバックボーンは編集者にとってネタの宝庫

『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

LIXIL特別インタビュー『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

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26分08秒
■建築という手付かずの鉱脈
・平面図を読める読者を育てた
・雑誌がブームをつくったのではない
・『新建築』ができないことでも一般誌ならできる
・建築熱が盛り上がればリテラシーも上がる
・ダビデ像を見るような感覚で新しい建築を見に行くイタリアのおばちゃん
・バブル崩壊とブランドビジネスの成長

42分01秒
■安藤忠雄と世界を巡る
・棺桶に入れて欲しい1冊『安藤忠雄×旅』
・レンゾ・ピアノと安藤忠雄が抱き合う瞬間の撮影エピソード
・欧州の建築の歴史が安藤忠雄の言葉を通して語られる

47分09秒
■柳宗理とつくった特集「SORI YAMAGI A DESIGNER」
・生活をつくってきたプロダクトデザインの数々
・安藤、柳特集での経験が財産に

48分13秒
■アートや建築のコンテンツはいかにして豊富になったか
・アートをポップに変えた、斎藤和弘編集長による「君はフェルメールを見たか?」
・やりたいことの「見せ方」を蓄積
・建築雑誌は衰退している?

51分43秒
■西田さんの考える建築のおもしろさ
・建築は見に行ってこそ
・今や日本のインテリアのほうがおもしろい
・読者との距離感、押しと引きは漫才の呼吸のよう

『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの ——専門誌はどこへ向かう?

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59分51秒
■「読者の建築に対するリテラシーが高まった」
・手つかずの「森」がそこに
・ブームは雑誌が煽ってつくれるものではない
・一瞬だけ早く、気付けるかどうか

1時間04分08秒
■一般誌ならではの建築の見せ方とは
・図面とデータしかない誌面=「カタログ」
・読者を本気にさせた応募ハガキの挟み込み
・建築データの一般化は「わかりやすさ」ではない
・建築家インタビューで訊くこと・聞かないこと

1時間06分32秒
■建築には紙媒体でしか表現できない編集がある
・「この家の価値はここ」と編集者視点で見せる
・接点さえ設ければ人は本を買う
・BRUTUS.jpでやっていること
・提供しているのは不要不急の楽しみ

雑誌『ブルータス』(本稿では『BRUTUS』と表記)
アンアン(anan)、ポパイ(POPEYE)などの雑誌を発行しているマガジンハウスが、1980年(昭和55年)5月に男性向け情報誌として創刊。ファッション、映画、音楽、アート、食など、文化の幅広いジャンルを扱い、発行ごとに1冊丸ごとで特集を組んだ。1982年6月1日号で「居住空間学」を特集、現在も続く人気企画となり、のちの『カーサ ブルータス』創刊へとつながる。西田氏が編集長に就任した2007年頃のコンセプトは「ポップカルチャーの総合誌」。

雑誌『カーサ ブルータス』(本稿では『Casa BRUTUS』と表記)
1998年(平成10年)にライフスタイル情報誌『BRUTUS』の増刊として誕生。斉藤和弘氏が初代編集長を務め、2000年10月の「バウハウスなんか怖くない。」特集より月刊誌(現在は隔月刊)。スペイン語で「家」を表す「Casa」を冠し、インテリアを軸としながら、プロダクトデザイン、アート、建築などの領域を扱い、桂離宮、ザ・コンランショップ、柳宗理、イームズなどの特集を組み、号によっては増刷・完売と好評を博す。2007年12月より西田善太氏が編集長を務める。マガジンハウス発行。


「これからの社会、これからの住まい 2」とは
建築家でライターの浅子佳英氏(PRINT & BUILD代表)と、建築家の中川エリカ氏(中川エリカ建築設計事務所代表)が共同で監修者を務める。各回でゲストを招き、住まいやパブリック・スペースのあり方、働き方のさまざまな事例を通して、社会と住まいの未来を考えるトークを展開中。トークの内容は、LIXILサイトにて期間限定で公開される。

前回は「建築家として、生活者として──プログラムとパラダイムの先にあるもの」と題して、建築家の乾久美子氏(乾久美子建築設計事務所主宰)をゲストに迎えた鼎談の内容を、2021年9月15日から30日までの期間限定で配信した。
https://www.biz-lixil.com/column/society_housing2/

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「これからの社会、これからの住まい 2」

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