浅間山麓の美しい自然を舞台に「五感を刺激する写真体験」をテーマに掲げるアートフォトの祭典「浅間国際フォトフェスティバル」が、長野県北佐久郡御代田町(みよたまち)にて、7月16日に開幕しました。
本フェスは、アートフォト専門のギャラリー・IMA galleryの運営や、アートフォト専門誌『IMA(イマ)』の発行など、ビジュアルコミュニケーション事業を各種展開するアマナ(東京都品川区)と、「文化・高原公園都市」を掲げる御代田町が、町内の旧メルシャン軽井沢美術館跡地に2022年7月16日に開館する〈御代田写真美術館〉[*1]のキックオフイベントとして立ち上げ、2018年にスタート。「写真で町おこし」を合言葉に、これまでに、御代田町での「PHOTO MIYOTA」をはじめ、長野原町での「PHOTO KITAKARUIZAWA」、小諸市での「PHOTO KOMORO」など複数の会場で、地元企業・自治体とも連携して開催してきました。
*1.御代田写真美術館:Miyota Museum of Photography: MMoP(モップ)
人口約1万6千人の御代田町と、アマナ(代表取締役社長 兼 グループCEO:進藤博信)では、同町におけるフォトフェスティバルの開催と、旧メルシャン軽井沢美術館[*2後述]の跡地を活用した、アートフォトに特化した美術館〈御代田写真美術館〉のオープンに向けて、2018年5月に協定書を締結。旧美術館跡地は、衣食住と多様な写真表現を五感で楽しめる複合施設として再生され、2021年夏に3店舗、2022年4月には4店舗が先行オープンしている(アマナ プレスリリース)。
「浅間国際フォトフェスティバル2022」開幕にあわせ、MMoP敷地内に〈御代田写真美術館〉が待望のオープン。
同館での常設展示は、アマナが2011年より収集している、1980年代以降の日本の現代アート写真を中心としたコレクション「the amana colletion(アマナフォトコレクション)」が中心となる(2019年12月時点で作家人数約70、作品数約900点、以降も増)。MMoP公式ウェブサイト
http://mmop.jp/
「浅間国際フォトフェスティバル」主催側では、毎年恒例の写真展イベントとして定着することで、同町および周辺エリア全体が「写真文化の聖地」となることを目指しています。
コロナ禍の影響で、御代田町エリアでの「浅間国際フォトフェスティバル」の開催は、2019年以来、3年ぶり。今年のテーマは「Mirrors & Windows(鏡と窓)」を掲げ、私たちを取り巻く社会を覗き見る「窓」として、あるいは、自分自身と向き合うための「鏡」として、写真が有する2つの本質が、作品を通して表現され、会場を訪れる人々に豊かな写真体験世界を提供します。
キュレーションは、『IMA』のエディトリアルディレクターを務める太田睦子と、共同キュレーターであるアイヴァン・ヴァルタニアンが担当。国内外の優れた写真家たちの作品を屋内外に展示するほか、写真の楽しさを提案するワークショップなどもあわせて実施されます(詳細は「浅間国際フォトフェスティバル」公式ウェブサイトを参照)。
参加アーティストは、日本を代表する写真家の石内 都や森山大道、世界的に評価の高いオランダの写真家ヴィヴィアン・サッセンら20名。MMoP(モップ)会場では、屋内外12箇所に277作品が展示されます。
メイン会場となるMMoP・御代田写真美術館では、『IMA』のキュレーションにより、国際的に注目を集める7名の日本人写真家が、本フェスのメインスポンサーであるグッチ(GUCCI)をまとった7名の男性を被写体に撮り下ろした作品も展示されます。
御代田写真美術館 特別展示 コラボーレーション アーティスト
木村和平(写真家)× 井浦 新(俳優)
小林健太(写真家)× 石上純也(建築家)
沢渡 朔(写真家)× 吉田修一(作家)
野村佐紀子(写真家)× 金子ノブアキ(ミュージシャン・俳優)
細倉真弓(写真家)× 森岡督行(森岡書店代表)
水谷吉法(写真家)× 久住有生(左官職人)
森山大道(写真家)× 志尊 淳(俳優)
詳細・グッチ プレスリリース(2022年7月15日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000062216.html
グッチでは、これらの作品を収録した限定版写真集『NEW GENTLEMEN』を制作。エディションナンバー付き・300冊限定で、IMA photobooksから刊行(詳細はIMA online(https://store.imaonline.jp/)を参照)。
東京・銀座の森岡書店(今回の展示の被写体として森岡督行店主が登場)でも、2022年8月23日か28日までの6日間限定で販売されます。
また、東京・六本木ヒルズの〈グッチ六本木 メンズショップ〉にて、写真家の森山大道が志尊 淳を被写体に撮り下ろした作品をフィーチャーした写真展「NEW GENTLEMEN by Daido Moriyama featuring Jun Shison」も、7月28日から9月4日にかけて開催されます。
このほか、オフィシャル協賛社であるライカカメラジャパンも展示に参加。ヴィンテージのスクールバスを展示会場として、写真家・大杉隼平が旅先で捉えた作品群を展示します(7月23日、24日には、撮影ワークショップも実施予定、各回15名 / 詳細)。
2022年の「浅間国際フォトフェスティバル」では、MMoPを中心とする「PHOTO MIYOTA(フォト ミヨタ)」でのリアル展示に加え、バーチャルでも会場を展開します。
バーチャル展示「PHOTO ALT(フォト オルト)」はリアル展示に先行して、アマナがプロデュースした仮想空間「amana virtual museum」が4月27日よりオープンしています。
「PHOTO ALT」は、リアル会場に先行して、4月27日より「浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO ALT」を開催中。今夏に開館する〈御代田写真美術館〉のメインコンテンツとなる「the amana collection」のほか、若手フォトグラファーの作品が7月15日まで展示されました。7月16日より、リアル会場での「浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO MIYOTA」開幕にあわせ、テーマに即した展示替え”が行われています。
仮想空間「amana virtual museum」は、バーチャルならではの自由度を生かし、自在に拡張する空間体験を提供。空間デザインを、吉田 愛氏と共にSUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)を率いる、建築家の谷尻 誠氏が担当しました。
建築CGから動画化したメタバース空間には、アマナのバーチャルビジュアライゼーション技術が結集され、インタラクティブな写真体験が楽しめる空間設計となっています(システム設計:パロニム)。
大御所から若手まで国内外で活躍するアーティストの作品が、バーチャル上の屋内外に展示され、アーティスト別のギャラリー空間や、解説テキストも用意されています。
会期:2022年4月27日(水)~9月4日(日)
会場:オンライン(バーチャル)
入場料(閲覧料):無料
会場URL:https://amana-virtual-connect.amana.jp/photoalt/
会期:2022年7月16日(土)から9月4日(日)
開場時間:10:00-17:00(最終入場は16:30まで)
メイン会場:MMoP(モップ)
所在地:長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1(Google Map)
入場料:一部有料
参加アーティスト(主催者発表順):
細倉真弓(日本)、石内都(日本)、キム・ジンヒ(韓国)、グレゴリー・エディ・ジョーンズ(アメリカ)、エリック・ケッセルズ(オランダ)、木村和平(日本)、小林健太(日本)、ピクシー・リャオ(中国)、セルジオ・スメリエリ(イタリア)、トーマス・マイランダー(フランス)、水谷吉法(日本)、森山大道(日本)、野村佐紀子(日本)、大杉隼平(日本)、ロバート・ザオ・レンフイ(シンガポール)、ヴィヴィアン・サッセン(オランダ)、沢渡朔(日本)、ロレンツォ・ヴィットゥーリ(イタリア)、イェレナ・ヤムチュック(アメリカ)、吉田志穂(日本)
主催:浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO MIYOTA実行委員会
実行委員長:小園拓志(御代田町長)
副実行委員長:進藤博信(アマナ代表取締役兼アマナグループCEO)
エキシビションディレクター:太田睦子(『IMA』エディトリアルディレクター、アマナ所属)、アイヴァン・ヴァルタニアン(インディペンデント・キュレーター)
「浅間国際フォトフェスティバル」公式ウェブサイト
http://asamaphotofes.jp
*2.メルシャン軽井沢美術館
メルシャンが保有していた既存のウイスキー蒸留所施設を、フランス人建築家のジャン・ミシェル・ヴィルモットが美術館に改修し、1995年に開館。運営母体がキリンホールディングスに吸収・合併されたのち、2011年に閉館。
美術館が利用していた土地と建物については、広告写真分野の大手企業アマナに有償で貸与されることが2017年1月12日に発表された[7]。なお、蒸溜所部分には2018年5月、御代田町が町役場庁舎を移転した