FEATURE

Interview with Keiji Ashizawa & Hiroshi Kato

10 years of ISHINOMAKI LABORATORY EXHIBITION

FEATURE2021.08.19

[Movie] Interview with Keiji Ashizawa & Hiroshi Kato about ISHINOMAKI LABORATORY

【インタビュー動画】芦沢啓治とカリモク家具・加藤 洋が語る「“十” 石巻工房の十年展」

「十」石巻工房の十年 展

COMPETITION & EVENT2021.06.10
「十」石巻工房の十年 展を東京・西麻布の〈Karimoku Commons Tokyo〉にて開催

「デザインの力でDIYの可能性を広げる」家具ブランド、石巻工房(宮城県石巻市)の、設立してから10年の軌跡を振り返る展覧会「“十” 石巻工房の十年展」を東京・西麻布の〈Karimoku Commons Tokyo〉で開催されています(会期を延長し8月20日まで)。

TECTURE MAGでは、会場で石巻工房の設立メンバーである芦沢啓治氏と、「石巻工房 by Karimoku」を協働で始めたカリモク家具 副社長の加藤 洋氏にインタビュー。
石巻工房の成り立ちやカリモク家具との協働の経緯、また会場での見どころを語っていただきました。

Movie & photographs: toha

▲会場となっている東京・西麻布の〈Karimoku Commons Tokyo〉

加藤氏は「石巻工房との出会いは、2011年の東日本大震災です。石巻工房がつくる家具はすごく魅力的で、家具の原点を感じさせるものでした」と振り返ります。

「何もない野原にベンチがぽつんとあるだけで、そこに人と人が座って会話が生まれ、少しずつコミュニケーションができ、社会が形成されていく。そうした家具が持っている本来の力や、家具のあるべき姿を改めて気づかされたのです」。

カリモク家具は「森林の健全な状態を保つために、木の資源をいかに使うかを追求している」と加藤氏。石巻工房の家具は主に針葉樹のレッドシダーを使ってつくられていますが、カリモクが家具づくりで使う広葉樹を利用し、石巻工房の家具をリデザイン。「石巻工房 by Karimoku」を生み出しています。

「カリモクが石巻工房とコラボレーションさせていただくことで、石巻工房が持っている逞しさ、力強さを継承しながら、繊細で細やかな一面も引き出せるのではないか。お互いの相乗効果で、石巻工房の今後の発展に寄与できるのではないかと思っています」。

▲「AA STOOL by Karimoku」。個性豊かな広葉樹が用いられている

芦沢氏は、石巻工房設立の背景から、今回展示されている多種多様な石巻工房の家具について説明します。

「石巻工房は、2011年の震災の後にできた工房です。被災した人たちが、自分の家や店を直したりするために、材料や工具があり、教えられる人がいるような場所を目指しました」。

公共的な工房として市民に場所を開放するとともに、復興する街を盛り上げようと、芦沢氏は夏祭りの野外映画上映会のために、自らがデザインした「ISHINOMAKI BENCH」を地元の工業高校生と制作。
その後、オフィス家具メーカーのハーマンミラーとの協働で「ENDAI」「ISHINOMAKI STOOL」などをつくっていきます。

▲左手にあるのが約10年を経過した「ENDAI」(デザイン:藤森泰司)、中央にあるのが「ISHINOMAKI STOOL」と「KOBO TABLE」

そして石巻工房は単に家具をつくるだけでなく、「街の大道具係」として「街のクリエイティブをつくる」役割を担うことで、活動を継続することに。

「石巻工房としてさまざまなプロダクトを用意することで、活動をより加速させ、工房の運営を安定させることになるので、トラフや寺田直樹さん、ドリルデザインさん、藤森泰司さんといった方々にデザインを依頼して、石巻工房のDIYのスタイルでつくれる家具をデザインしてもらいました。そこから、毎年のように少しずつ家具を増やしていきました。今回の展示では、その10年間のなかで商品化してきた家具のユニークな姿を見ていただけます」と芦沢氏は語ります。

▲会場内ではラウンジコーナーやキッチンを想定したコーナーの中に石巻工房の多様な家具や小物が展示されている

展示会場でレイアウトされている「ISHINOMAKI STOOL」「KOBO TABLE」、ラウンジスペースに合う「KOBO SOFA」「105°LOUNGE CHAIR」、ツーバイフォー材に加えてスチールを使った「KOBO ST-TABLE」「KOBO ST-SHELF」、店舗の設計から生まれた「KOBO COFFEE TABLE」、また「AA STOOL by Karimoku」などを芦沢氏は次々と紹介。

▲「MADE IN LOCAL(メイド・イン・ローカル)」の活動を伝えるコーナー

また、海外の国や地域で、その土地で手に入る材料でローカルの手によってつくり、ローカルで販売するプロジェクト「MADE IN LOCAL(メイド・イン・ローカル)」についても説明。
「現在では10を超える地域で、コラボレーターの方々と石巻工房の家具をつくっています」。
「石巻工房 by Karimoku」も、この「MADE IN LOCAL」の一環という位置づけです。

今回の展示では、スタイリストの中田由美氏が参加。
芦沢氏は「展示で使われている小物は、芦沢事務所やトラフ設計事務所にあるモノたちで、これが石巻工房とのコミュニケーションで面白く、石巻工房の家具をわかりやすく伝えています。それをぜひ見てもらいたいと思っています」と語ります。

▲中田由美氏によるスタイリングでは、設計事務所内にあった小物も用いられている

そして会場にディスプレイされているポスターも、大きな役割を果たしています。グラフィックデザイナーのカイシトモヤ氏(ルームコンポジット)が制作したもの。
「石巻工房の家具はこういうものだよ、ということがいろんな人に伝わる良いポスターです。そのポスターを皆さんに見てもらいたいと、中田さんと相談しながらポスターを散りばめています」と芦沢氏。

▲カイシトモヤ氏によるポスターも随所に掲げられる

屋上スペースには、もう1つの見どころが。
芦沢氏が設計した〈ブルーボトルコーヒー みなとみらいカフェ〉でデザインした特注の円形ベンチが、石巻工房の家具とミックスして並べられています。

「カリモクと石巻工房の、良い塩梅のコラボレーションが屋上でできています。それもとても気持ちの良いスペースなので、ぜひ見ていただきたいですね」(芦沢氏)。

▲〈Karimoku Commons Tokyo〉屋上スペース

東日本大震災の後、建築家の呼びかけから始まった石巻工房。
今回の展示会では、10年間の多岐にわたる活動のなかで生まれたさまざまな家具や国内外での展開、そして協働を通した家具メーカーや家具の新しいかたちを見ることができます。

「“十” 石巻工房の十年展」

会場:Karimoku Commons Tokyo
所在地:東京都港区西麻布2丁目22-5(Google Map
https://commons.karimoku.com/

会期:2021年6月14日(月)〜8月20日(金)
営業時間:12:00-18:00(月〜金曜)
定休日:土・日曜
入場料:無料(但し、上記〈Karimoku Commons Tokyo〉Webサイトの専用フォームにて要申し込み)
主催:石巻工房
共催:カリモク家具

「十」石巻工房の十年 展

COMPETITION & EVENT2021.06.10
「十」石巻工房の十年 展を東京・西麻布の〈Karimoku Commons Tokyo〉にて開催

〈Karimoku Commons Tokyo〉店舗概要

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