20世紀を代表する彫刻家の1人、イサム・ノグチ(1904-1988)が作品制作の際に使っていた道具類にスポットをあてた展覧会が、神戸市の竹中大工道具館で開催されています。
第二次世界大戦を挟み、生誕の地であり母親の母国である米国と、父親の母国である日本との間(はざま)で、数奇な運命に翻弄されたノグチ。少年期を過ごした日本の茅ヶ崎で、自宅(三角の家)の新築時に知り合った大工から木工の手ほどきを受け、13歳と7カ月で単身渡米した際に、大工道具一式を携えていたエピソードは有名です。
晩年のノグチは、花崗岩や玄武岩などを産出する香川県牟礼町にアトリエを構え、硬い石を加工できる同地の石工の協力を得て、制作にうち込みました。代表作となったこれら石の彫刻だけでなく、金属や粘土、木材、時には紙も用いて、彼が「光の彫刻」と呼んだ〈AKARI〉などの照明器具も制作しています。
本展では、実際にノグチが使用した道具類(TOOLS)にスポットがあてられます。それらは西洋の道具と日本の道具が入り混じったもので、米国・ニューヨークにあるノグチ・ミュージアムがその一部を保存。洋の東西でハイブリッドな個性を有したノグチのアイデンティティの一端を物語る、国際的なコレクションとなっています。
本邦初公開を含むノグチの道具を映像も交えて紹介するほか、素材に用いた石材、小型模型、研究資料などを交えながら、イサム・ノグチのものづくりを紹介。作品の制作過程において「素材」と「技術」はどのように関係し、密接していたのかを紐解いていく企画展です。
さらに、本展の関連イベントとして、「イサム・ノグチ ー その彫刻と道具」と題した講演会も開催されます(事前申込制)。
ブレット・リットマン(イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)・館長)
会期:2023年3月4日(土)~5月7日(日)
会場:竹中大工道具館 1Fホール
所在地:兵庫県神戸市中央区熊内町7丁目5-1(Google Map)
開館時間:9:30-16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)
入館料(常設展観覧料を含む):大人 700円、大高生・65歳以上 500円、中学生以下無料
展覧会詳細
https://www.dougukan.jp/special_exhibition/isamunoguchitools
関連イベント
日時:2023年4月22日(土) 13:30-15:00(13:00開場)
講師:ブレット・リットマン(イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)・館長)※発表後、都合により講師が変更されています
聞き手:倉島美和子(*folding cosmos デザイナー・ディレクター、KOSMOS実行委員会代表)
会場:デザイン・クリエイティブセンター神戸〈KIITO〉303
所在地:兵庫県神戸市中央区小野浜町1-4(Google Map)
参加費:無料
定員:90名 ※応募者多数の場合は抽選
申込締切:3月31日(金)
イベント詳細・申込受付
https://www.dougukan.jp/event/lecture_isamunoguchi
※本稿の広報画像は全て竹中大工道具館提供
『TECTURE MAG』への感想など、簡単なアンケートにお答えいただいた方の中から、本展の図録を計5名さまにプレゼント!
希望する場合は、下の応募バナーをクリックして、送信を完了してください。
受付期間:2023年3月13日(月)〜3月26日(日)※終了
※応募者多数の場合は抽選
※結果発表:図録の発送をもって了(個々の問合せには対応しません)
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません
※図録の内容に関する問合せは主催者まで