COMPETITION & EVENT

第25回亀倉雄策賞受賞記念展

岡崎智弘 個展「STUDY」 (6/6〜6/28)、三澤遥 個展「Just by」 (7/4〜7/27) ※今年は2名が受賞

東京・銀座8丁目のクリエイションギャラリーG8にて、第25回亀倉雄策賞受賞記念展が6月6日から開催されています。

亀倉雄策賞受賞記念展岡崎智弘 個展「STUDY」会場写真

岡崎智弘 個展「STUDY」会場風景(会期:2023年6月6日〜28日 ※終了)

亀倉雄策氏(1915-1997)の名を冠する同賞は、1999年の設立。アジア最大級のデザイン団体である公益社団法人日本グラフィックデザイン協会/JAGDAが、1981年より発行している年鑑『Graphic Design in Japan』(6月発売予定、六耀社刊、予価16,500円)への応募作品の中から、年齢やキャリアを問わず、最も輝いている作品とその制作者に対して贈られるもので、第1回は田中一光(1930-2002)氏が受賞しています[*]

今年は約2,100作品の応募があった中から、アワード実施以来、初となる2名を選出。岡崎智弘(1981-)と三澤 遥(1982-)の両氏に贈られました(JAGDA 2023年1月31日発表、2月3日プレスリリース)。

第25回亀倉雄策賞

受賞者:岡崎智弘
受賞作品:放送局の番組コンテンツ映像「デザインあneo あのテーマ」(cl:NHK)

受賞者:三澤 遥
受賞作品:幼稚園のサイン計画「玉造幼稚園」(cl:玉造幼稚園 / ジャクエツ)


受賞作品(2-1)放送局の番組コンテンツ映像「デザインあneo あのテーマ」

第25回亀倉雄策賞 受賞作品(岡崎智弘)

第25回亀倉雄策賞 岡崎智弘「デザインあneo あのテーマ」

第25回亀倉雄策賞 受賞作品(岡崎智弘)

第25回亀倉雄策賞 岡崎智弘「デザインあneo あのテーマ」

受賞者プロフィール

岡崎智弘氏

岡崎智弘
1981年神奈川県生まれ。2003年東京造形大学デザイン学科視覚伝達専攻を卒業。広告代理店、デザイン事務所勤務を経て、2011年9月よりデザインスタジオSWIMMINGを設立し活動。グラフィックデザインの姿勢を基軸に、印刷物・映像・展覧会など視覚伝達を中心とした領域を柔軟に繋ぎながら、仕事の規模を問わず、文化と経済の両輪でデザインの活動に取り組んでいる。
デザインの仕事は、自分が知らない世界や事象と向き合う機会となることや、人や社会と繋がる行為となること、また世界の捉え方や構造を発見し関与することができるものであり、その可能性に大きな魅力を感じている。

SWIMMING Website
https://www.swimmingdesign.com/


受賞作品(2-2)幼稚園のサイン計画「玉造幼稚園」

第25回亀倉雄策賞 受賞作品(三澤遥)

第25回亀倉雄策賞 三澤 遥「玉造幼稚園」 Photo: Masaki Ogawa

第25回亀倉雄策賞 受賞作品(三澤遥)

第25回亀倉雄策賞 三澤 遥「玉造幼稚園」 Photo: Masaki Ogawa

第25回亀倉雄策賞 受賞作品(三澤遥)

第25回亀倉雄策賞 三澤 遥「玉造幼稚園」 Photo: Masaki Ogawa

第25回亀倉雄策賞 受賞作品(三澤遥)

第25回亀倉雄策賞 三澤 遥「玉造幼稚園」 Photo: Masaki Ogawa

受賞者プロフィール

三澤 遥
三澤遥氏

1982年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、デザインオフィスnendoを経て、日本デザインセンター原デザイン研究所に所属。2014年より三澤デザイン研究室として活動開始。ものごとの奥に潜む原理を観察し、そこから引き出した未知の可能性を視覚化する試みを、実験的なアプローチによって続けている。主な仕事に、水中環境を新たな風景に再構築した「waterscape」、かつてない紙の可能性を探求した「動紙」、国立科学博物館の移動展示キット「WHO ARE WE」、隠岐ユネスコジオパークの泊まれる拠点「Entô」のアートディレクション、上野動物園の知られざる魅力をビジュアル化した「UENOPLANET」がある。

日本デザインセンター 三澤デザイン研究室 Website
https://misawa.ndc.co.jp/

玉造幼稚園のサインは、円筒状の輪っかを
「組んだだけ」で、「積んだだけ」で構成されているごく簡潔な造形です。
これらは、これまで三澤デザイン研究室が制作してきた様々なプロジェクトに通底する
「Just by|だけ しか たった」という考え方から生み出されました。
ただ切るだけで。ただ折るだけで。ただ塗るだけで。ただ止めるだけで。
ただ座るだけで。ただ置くだけで。ただ押すだけで。
そんなささいな行為しかしていないのに、
ものごとの見え方ががらりと変わることがあります。
それはデザインや作品というよりも、そのちょっと手前にある、
まだ固まってないふにゃふにゃした思考の集積のようなもの。
今回のクリエイションギャラリーG8の会場でも、
「だけ」「しか」「たった」を繰り返す中から生まれたものたちを星座のように点在させました。
展示什器も、既存の建築資材である40×30mmの垂木を壁に「留めただけ」。
空間全体を「Just by」の思考でつくりあげることを試みています。

素材はそこらじゅうにあります。
でもそれは、その場所でしか知り得ないこと、
その時間しか見られないもの、二度と出会えないものだったりします。
一瞬をつかまえて、ほんのひと手間を加えてみる。
過剰に手を入れず、そのものが元々持っている可能性を引き出すように。
素材を操作する意識ではなく、素材と遊ぶような感覚で。
すると、小さな気づきの入り口から、思いもよらないほど
自由で広々とした場所にたどり着けることがあります。
ささいなものごとの中にワンダーを見つけることができれば、
世界はどこまでもわくわくとたのしい。

三澤遥


今年の受賞記念展は2名の受賞者がそれぞれに個展を開催(展示替えを挟み、7月27日まで)。会期中の関連企画として、受賞者らが登壇するトークイベント「クリエイティブサロン」も併催されます。

展覧会概要

第25回亀倉雄策賞受賞記念
岡崎智弘 個展「STUDY」
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/2306/2306.html
三澤遥 個展「Just by」
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/2307/2307.html

会期
岡崎智弘個展:2023年6月6日(火)〜6月28日(水)
三澤遥個展:2023年7月4日(火)〜7月27日(木)
※終了後、国内を巡回予定

開場時間:11:00-19:00
休館日:日曜・祝日
入場料:無料

関連イベント

クリエイティブサロン(1)
日時:2023年6月14日(水)19:10-20:40
出演:岡崎智弘、辻川幸一郎、中村勇吾、渡邊敬之(北千住デザイン)

クリエイティブサロン(2)
日時:2023年7月7日(金)19:10-20:40
出演:岡崎智弘、三澤 遥、角尾 舞

クリエイティブサロン(3)
日時:2023年7月19日(水)19:10-20:40
出演:三澤 遥、有元利彦(HIGURE 17-15cas)、久保 匡(国立科学博物館)

【インタビュー】国立科学博物館と三澤デザイン研究室が共同開発した巡回展キット「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」とは? 発見と観察、さらに”体験”を持ち帰るまでを什器でデザインしたプロジェクト(前編)

会場(共通):本展会場・クリエイションギャラリーG8 ※ライブ配信(予定)
参加費:無料
参加方法:各回とも要予約(詳細は会場ウェブサイトを参照)

主催・会場:リクルートホールディングス リクルートクリエイティブセンター クリエイションギャラリーG8
所在地:東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F(Google Map
共催:公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、亀倉雄策賞事務局

クリエイションギャラリーG8 Website
http://rcc.recruit.co.jp/g8/


*1.亀倉雄策賞 受賞者一覧
https://www.jagda.or.jp/awards/kamekura/
年鑑応募作品の中から、亀倉雄策賞のほか、JAGDA賞2023、JAGDA新人賞2023も選出されている

年鑑『Graphic Design in Japan 2023』選考に関して
https://www.jagda.or.jp/news/7051/

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン

岡崎智弘氏 TOPICS

COMPETITION & EVENT2021.12.20

21_21 DESIGN SIGHT企画展「2121年 Futures In-Sight」展

コロナ禍を経た100年後の未来を we+、永山祐子、深澤直人、山崎 亮ら72人が視覚化する!
COMPETITION & EVENT2022.12.14

富山県美術館開館5周年記念「デザインスコープ ―のぞく ふしぎ きづく ふしぎ」展

we+、岡崎智弘、狩野佑真、志村信裕、鈴木康広、SPREAD、林 勇気、三澤 遥の計8組が出展
COMPETITION & EVENT2022.12.02

企画展「MUJI for Public Space展 -街をもっと楽しむための100のアイデア-」

元木大輔(DDAA/DDAA LAB)と良品計画がMUJI製品を銀座のまちなかで使い、 "公共を享受するという視座"を提示する展覧会

三澤 遥氏 TOPICS

FEATURE2022.02.22

国立科学博物館と三澤デザイン研究室が共同開発した巡回展キット「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」関係者インタビュー(前編)

発見と観察、さらに"体験"を持ち帰るまでを什器でデザインしたプロジェクトの開発ストーリー
FEATURE2022.02.24

国立科学博物館と三澤デザイン研究室が共同開発した巡回展キット「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」関係者インタビュー(後編)

発見と観察、さらに"体験"を持ち帰るまでを什器でデザインしたプロジェクトが展覧会初日を迎えるまで
FEATURE2022.07.26

ないものはない、此処だけの体験がある、ジオホテル〈Entô〉

建築設計とデザインの見どころを、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOと日本デザインセンター三澤デザイン研究室の寄稿から紐解く
COMPETITION & EVENT2022.12.01

「DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン」

西沢立衛、乾 久美子、原 研哉、田川欣哉ら13人が出展、田根 剛が会場構成を担当
COMPETITION & EVENT2023.02.26

イッセイ ミヤケ〈ISSEY MIYAKE GINZA / 445〉が展示スペース「CUBE」を新設してリニューアル

こけら落としは田中一光をリスペクトしたコレクションの新作展示、三澤遥氏の〈動紙〉を用いた会場構成【会場レポート】
COMPETITION & EVENT2023.10.10

5年ぶり開催「TAKEO PAPER SHOW 2023」神田スクエアにて 10/13開幕

「機能と笑い」をテーマに、展示のほかトークセッションも10/16より連日開催
COMPETITION & EVENT2023.10.26

竹尾 × 若林佛具製作所 × 鬼木孝一郎 × 三澤遥「AOYAMA PRODUCT STOCK vol.01 かみと祈り -Paper Altar-『紙の仏壇』designed by Haruka Misawa / Koichiro Oniki」

紙素材でつくられた仏壇 "Paper Altar" プロトタイプを青山見本帖にて初公開、10/27まで
JOB2024.01.19

日本デザインセンター三澤デザイン研究室

プロダクト、空間、グラフィックデザイナーを募集

日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)TOPICS

COMPETITION & EVENT2024.01.17

「ゼミ展2024 デザインの学び方を知る」東京ミッドタウン・デザインハブにて2月25日まで開催

武蔵野美術大学、多摩美術大学、桑沢デザイン研究所、昭和女子大学、東京都立大学、長岡造形大学、名古屋造形大学、京都芸術大学大学院、広島市立大学の9校・10ゼミによる成果展
CULTURE2024.04.06

"ジブンで仕事をつくる ジモトで仕事をつくる ジマンの仕事をつくる"

地域が必要とするデザインを生み出したグラフィックデザイナー8人の活動を紹介した新刊『ジカツデザイン』

RECOMENDED ARTICLE

  • TOP
  • COMPETITION & EVENT
  • AWARD
  • 第25回亀倉雄策賞受賞記念展:岡崎智弘 個展「STUDY」 (6/6〜6/28)、三澤遥 個展「Just by」 (7/4〜7/27)
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ