東京・六本木の東京ミッドタウンにて、冬季限定イベント「MIDTOWN CHRISTMAS 2023(ミッドタウン クリスマス)」が開催中、12月25日まで行われます。
今年のテーマは「“BE ENCHANTED…” 」。施設の屋内外では昼夜を問わずに楽しめる多彩なクリスマスコンテンツが前年と同様に用意されています。
そのうちの1つ、館内の吹き抜け大空間、ガレリアB1Fに、ビジュアルデザインスタジオ・WOW(ワウ)が手掛けたインスタレーション〈some snow scenes〉が展示されています。
『TECTURE MAG』では、初日に開催されたプレスカンファレンスを取材、会場の様子をレポートします。
B1Fフロアには、円形ステージの上に黒い自動演奏ピアノが1台。その上には、軽やかに舞う雪を模した約4,000個もの球体が吊られています。この吹き抜け大空間を活用して、光と音によるさまざまな演出によって、冬をイメージした情景が浮かび上がるインスタレーション作品となっています。
軽やかに浮かぶ雪を模した無数の球体は、ときに深く静かに降る雪のように、ときに冷たく舞う吹雪のように、冬のさまざまな情景を情緒的に描き出します。
雪はやがて溶け氷柱となり、そこから零れ落ちる光の滴はピアノの鍵盤を叩きます。
その一音一音は次来る春を待つ時間を刻み、また、今この冬の瞬間を楽しむ音楽を奏でます。Galleria Installation〈some snow scenes〉by WOW
展示期間:2023年11月16日(木)~12月25日(月)
時間:11:00-23:00
会場:ガレリアB1
観覧料金:無料
主催・企画:東京ミッドタウン
デザイン:WOW
楽曲:江﨑文武
インスタレーション作品〈some snow scenes〉のプレスカンファレンスには、WOWクリエイティブディレクターの於保浩介氏と、プログラマーの阿部啓太氏が出席、今回の作品の見どころなどを解説しました。以下はその要約です。
「今回の作品は、冬の繊細な景色をひとつひとつ切り抜いて、ガレリア空間に創出した作品になっています。テーマは、冬の季節に雪が描く繊細な景色です。
僕は日本海側の雪国の出身で、子供の頃から雪に親しんできましたが、大人になってみると、靴は濡れてしまうし、雪かきも面倒くさいと思うようになり、子どもの頃に感じたワクワク感とは違うものになっていきました。そして東京に出てきたら、こちらはほとんど雪が降らない。天国だなと思う一方で、年末に新潟に帰郷すると、近づくにつれて車窓が雪景色になっていき、なにやらあたたかい気持ちにさせてくれる。そういった「雪」が僕や人々に感じさせてくれるもの、雪の美しさとともに時おりみせる雪の厳しさなど盛り込み、さまざまな雪の情景をテーマにインスタレーションとして表現したのが、この〈some snow scenes〉です。」(WOW プログラマー 阿部啓太氏談話)
「オブジェクトはピンポン球の大きさです。配置は複雑にしていて、上層は吹雪をイメージして全体で渦を巻くようにしました。ピアノを置いた下の方に行くにつれて、雪が凍ってできる氷柱(つらら)の先から水滴がぽたりぽたりと落ちる、その動線の先にピアノがあり、鍵盤にあたって曲を奏でる、というイメージになっています。球体のオブジェクトじたいは動きませんが、雪と水滴をイメージした光が、江﨑文武さんにオリジナルでつくってもらった曲とともに、雪が風で舞うようにして動きます。」(WOW 阿部氏談)
「今回、いちばんこだわってつくったのが、雪の軽やかさの表現です。雪を模した白い小さい球体が光を帯びるのですが、これは中に電球は入っていません。中に仕込むとどうしても重くなるし、配線も必要です。それを避けるために、4階に設置した投射機の四方から光らせたい玉にピンポイントでレーザーをあてて、光っているように見せています。これがこの作品では1つ大きなポイントです。」(WOW 阿部氏談)
「ピアノは自動演奏ピアノですが、今回、江﨑文武さんにつくってもらった楽曲を、実際に江崎さんが鍵盤を叩いて収録した音を使っています。多少の調整はしていますが、この場所で江崎さんがピアノを奏でている、江崎さんの音が鳴っている、そういう演出にしています。」(WOW 於保氏談)
「そしてこの作品は、毎時の00分、15分、30分、45分の15分ごとに音と光の演出が変わります。粉雪、木の枝から落ちる雪に陽光があたってキラキラと光が拡散する情景、強い風に雪が舞う吹雪といったシーンをイメージしてつくった特別な演出が差し込まれます。」(WOW 阿部氏談)
ミッドタウン・ガーデンには今年、“ゴールドの木々”をイメージしたクリスマスインスタレーションが新たに登場。
高さ約4m、36本のゴールドの木々がガーデンエリアにクリスマスらしい景色をつくります。
光を受けて輝く木々は、昼間は森の中に居るような感覚に誘うアートインスタレーションとして、夜には、季節の流れをイメージした音・光・霧を使って、全長約80mのガーデンエリアをダイナミックに演出します(デザイン:VELVETA DESIGN)。
いわゆる”本物”の氷の上で滑走できる施設としては都内最大級の屋外アイススケートリンクが今年もお目見え。「COACH MIDTOWN ICE RINK(コーチミッドタウンアイスリンク)」では、COACHとのコラボレーションにより、期間限定でオリジナルツリーも登場します。
さらにプラザ1階には、「ustainable Christmas tree(サステナブルクリスマスツリー)」が登場。旧防衛庁の敷地から引き継がれた約計400本の樹木の剪定で出る枝を廃棄せずに館内で保管し、クリスマスツリーとして再生させたツリーです。
会場:東京ミッドタウン 各所
所在地:東京都港区赤坂9丁目7-1(Google Map)
展示期間:2022年11月16日(木)~12月25日(日)
営業時間:東京ミッドタウンの営業時間に準じる(点灯時間などはコンテンツごとに異なる)
料金:観覧コンテンツは無料
※「COACH MIDTOWN ICE RINK」は有料、期間は2024年2月まで(予定)
詳細・東京ミッドタウン ウェブサイト
https://www.tokyo-midtown.com/jp/