東京・天王洲にあるWHAT MUSEUM(ワットミュージアム)にて開催中の企画展「感覚する構造 – 力の流れをデザインする建築構造の世界 -」に関連して、構造家の佐々木睦朗氏と建築家の難波和彦氏を招いての特別講演会が2月18日に開催されます。
「感覚する構造 – 力の流れをデザインする建築構造の世界 -」展は、建築の構造デザインにフォーカスした企画展で、展示された模型を介して構造への理解の深まりを促します。会場は4つのテーマで構成され、薬師寺や白川郷といった歴史的な建築物から現代建築まで40点以上の構造模型を展示されています。
このうち「建築家と構造家の協働」のテーマ展示では、構造デザインの分野で国際的に高い評価を受けている構造家の佐々木睦朗氏の作品に焦点があてられています。
佐々木氏は磯崎 新(1931-2022)ら現代建築をけん引してきた建築家たちと協働し、数々の名建築の誕生に関わってきました。会場では、佐々木睦朗構造計画研究所が構造設計を担当した〈せんだいメディアテーク〉(設計:伊東豊雄建築設計事務所)や〈あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)〉(設計:妹島和世+西沢立衛氏/SANAA)などの構造模型が展示されており、佐々木氏へのインタビュー映像も見ることができます。
今回の特別講演会では、これらのほか、近作の〈京都市立芸術大学〉(意匠設計: 乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同体 / C地区構造設計:佐々木睦朗構造計画研究所+竹中工務店)など、佐々木氏がこれまでに手掛けてきた建築の構造デザインについて語られる予定です。
対談相手として、佐々木氏が構造設計を担当している住宅作品「箱の家」シリーズの設計者である、建築家の難波和彦が登壇。構造家と建築家というそれぞれの立場から、これまでの仕事や建築への考え方について両氏が語り合います。
登壇者プロフィール
佐々木睦朗(ささき むつろう)氏 プロフィール
1946年愛知県生まれ。1968年名古屋大学工学部建築学科卒業。1970年名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了。1970~1979年木村俊彦構造設計事務所勤務を経て、1980年に佐々木睦朗構造計画研究所設立。
1998年に博士(工学)を名古屋大学で取得。1999~2004年名古屋大学大学院(工学研究科建築学専攻)教授。2004~2016年法政大学工学部建築学科教授。2016年法政大学を定年退職、同大学名誉教授に就任。
主な受賞に、1991年〈美和ロック工業玉城工場〉の構造設計で松井源吾賞、2003年せんだいメディアテークで日本建築学会賞(作品)、2004年IASS(国際シェル空間構造学会)TSUBOI PRIZE(論文)、2023年IASS Torroja Medal(トロハメダル)などがある。
難波和彦(なんば かずひこ)氏 プロフィール
1947年大阪府生まれ。1969年東京大学建築学科卒業。1974年同大学院博士課程修了。1977年一級建築士事務所 難波和彦・界工作舎設立(後に一級建築士事務所 難波和彦・界工作舍に改称)、同代表を務める。2000〜2003年大阪市立大学建築学科教授。2003〜2010年東京大学大学院建築学専攻教授。2003〜2015年グッドデザイン賞審査委員。2013〜2017年放送大学客員教授。2010年東京大学名誉教授。2016年グッドデザイン・フェロー。工学博士。
なお、本講演会は2回に分けて開催され、今春以降に開催予定の次回は難波氏がメインスピーカーとなり、佐々木氏が対談相手を務めます。
日時:2024年2月18日(日)10:30-12:00(予定)
登壇者:佐々木睦朗(構造家)、難波和彦(建築家)
会場:WHAT MUSEUM
所在地:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号(Google Map)
定員:80名(事前申込制、先着順に受付)※増席あり
聴講費:無料(ただし、イベント付き展覧会チケットの購入が別途必要 / 同時開催「心のレンズ」展の観覧料を含む)
※建築倉庫 公式Instagramからのライブ配信は視聴無料・予約不要
主催:WHAT MUSEUM
詳細 / WHAT MUSEUM 公式ウェブサイト
https://what.warehouseofart.org/events/sense-of-structure_first-term_event5
建築倉庫 公式Instagram
https://www.instagram.com/archi_depot
※WHAT MUSEUM内の建築倉庫では、企画展示「難波和彦『箱の家』の展開」も開催中(見学は要予約)