東京・六本木の国立新美術館にて、9月17日より「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」が開催されます(主催:国立新美術館、ブルガリ|後援:イタリア大使館)。
ブルガリとして日本における過去最大規模の展覧会であり、珠玉のジュエリーやアート作品・インスタレーションなどで構成される会場の空間デザインを、ブルガリと、妹島和世と西沢立衛が主宰する建築家ユニット・SANAA(サナア)、そしてイタリアのデザインユニット・FormaFantasma(フォルマファンタズマ)が協働して手がけます。こちらも注目です。
SANAAによる空間デザインのコンセプトは、古代ローマのカラカラ帝(188-217)が造営した浴場のモザイク画のパターンに着想を得ているとのこと。曲線的なフォルム、洗練された半透明の素材、色彩の効果を通して、ブルガリの文化的ヘリテージを反映し、訪れる人々を色彩の世界を巡る感覚の旅へと導きます。
イタリア出身のデザイナー、アンドレア・トレマルキ(Andrea Trimarchi|1983-)とシモーネ・ファレジン(Simone Farresin|1980-)によるデザインユニットフォルマファンタズマは、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションの数々のマスターピースのために、特別な独立型の展示ケースをデザインします。
SANAAのふたり(左:妹島和世氏 / 右:西沢立衛氏)Photo: Aiko Suzuki
SANAAによるコメント:
「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展では、光、色彩、そして反射が来場者を新たな発見の旅へと誘う空間 — イタリアと日本の間に詩的な架け橋を築きながら、ブルガリのクラフツマンシップと文化の深遠さを解き明かす空間 — を創り出したいと考えました。古代のカラカラ浴場のモザイクのパターンと東京のイチョウの葉の形にインスピレーションを得たこの展覧会は、物語、シンボル、そして感情が織りなす生きた万華鏡となるでしょう」(妹島和世+西沢立衛)
本展は、日本では10年ぶりとなるブルガリの大規模展です。ジュエリーから現代アートまで、約350点のマスターピースが展示されます。これらはブルガリ・ヘリテージ・コレクションと、貴重な個人コレクションから選び抜かれたもので、イタリアを代表するメゾンの始まりから現在までを辿りつつ、イタリアと日本の深いつながりを浮かびあがらせ、アートとデザインに対する両国共通の情熱や豊かな文化遺産を称える展覧会として構成されます。
会場構成
第1章「色彩の科学」
PICK-UP:イタリア国外では一度も展示されたことのない、ゴールドとプラチナにダイヤモンドとシトリンをあしらった〈ブレスレット〉(制作:1940年頃)第2章「色彩の象徴性」
PICK-UP:かつてはインヴェルニッツィ・コレクションに属し、10年前に東京で展示された、”セブン・ワンダーズ”と称される〈ネックレス〉(制作:1961年)第3章「光のパワー」
PICK-UP:本展のメインビジュアルとなっている、イエローゴールドにアメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンドがあしらわれたジュエリー〈コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット〉(制作:1969年頃)

左:〈バングル〉 ゴールド、プラチナ、ルビー、サファイア、ダイヤモンド(1954-55年)
右:〈ブレスレット〉 ゴールド、プラチナ、シトリン、ダイヤモンド(1940年頃)
左右ともにブルガリ・ヘリテージ・コレクション

左:〈ペンダントイヤリング〉 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド(1968年)
右:〈「ビブ」ネックレス〉 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド(1968年)
左右ともにリン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

左:〈ネックレス〉 プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド(1961年)
右:〈コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット〉 ゴールド、アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド(1969年頃)
左右ともにブルガリ・ヘリテージ・コレクション

〈「セルペンティ」イブニングバッグ〉ホワイト、レッド、「シーウォーター」グリーンゴールド、シルクコード、ダイヤモンド(1978年頃)
ブルガリ・ヘリテージ・コレクション
本展には、日伊それぞれを代表する現代アーティスト、ララ・ファヴァレット(Lara Favaretto|1973-)、森 万里子(1967-)、中山晃子(1988-)の3氏が参加。色彩に関するそれぞれの考察に基づいた作品が発表されます。
ララ・ファヴァレット〈レベル5〉
回転する色とりどりの洗車ブラシで構成される、サイトスペシフィック・インスタレーション。工業的な文脈から切り離された洗車ブラシは柔らかい彫刻のような存在と化し、動き、リズム、色彩のエネルギーを融合させた催眠的な視覚的瞑想を通して、機械的なものと有機的なものの境界を探求する。
森 万里子〈Onogoro Stone III〉
古事記に着想を得て神聖な創造神話を喚起し、未来的な素材とスピリチュアルなミニマリズムを融合させながら、宇宙の均衡を象徴するかのような瞑想的な空間を創出。色彩と形態の象徴的な力を通じて、個人的でありながら普遍的でもある起源へと深く分け入るような体験を見る者に与える。中山晃子〈Echo〉
水、音、鉱物顔料が混ざり合いながら、移ろいゆく流動的なフォルムを形成するさまを空間全体に投影する、ダイナミックなインスタレーション。アート、自然、物理学が、変化し続ける光の中で交錯する「Alive Painting」であり、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションの〈コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット〉(制作:1969年頃)との対話を試みる。

「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展 フライヤー
ハイジュエリー、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションのクリエーション、現代アート(後述)、ブルガリ・ヒストリカル・アーカイブからの貴重な資料、そして没入型のインスタレーションなどで構成される本展は、見る者の創造性と心を揺さぶるような体験をもたらす万華鏡のような展覧会となります。
展覧会タイトルの「カレイドス」とは、「美しい(カロス)」と「形態(エイドス)」を意味するギリシャ語にちなんだ造語で、美と創造性が調和した、ダイナミックで変化し続けるブルガリの色彩世界の旅を象徴しているとのこと。
会期:2025年9月17日(水)~12月15日(月)
休館日:火曜(9月23日[火・祝]は開館)、9月24日(水)
開館時間:10:00-18:00(入場は各日とも閉館30分前まで)
※毎週金・土曜は20:00まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
所在地:東京都港区六本木7-22-2(Google Map)
観覧料:一般2,300円 大学生1,000円 高校生500円(全て税込)
※中学生以下は入場無料
※障害者手帳に提示で本人と付添1名まで無料
※本展は日時指定券を導入
主催:国立新美術館、ブルガリ
後援:在日イタリア大使館
国立新美術館 ウェブサイト
https://www.nact.jp
本展詳細(ブルガリ ウェブサイト)
https://www.bulgari.com/ja-jp/stories/kaleidos-exhibition