2026年4月22日初掲、7月22日展示情報更新
寺田倉庫が運営する現代アートと建築のミュージアム、WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)が主催する、模型作品のアイデアを募るコンペティションへの申し込み受付が4月21日より始まっています。締切は5月20日。
主催者メッセージ
本公募は、2026年4月21日よりWHAT MUSEUMにて開催されている展覧会「波板と珊瑚礁 ‐ 建築を遠くに投げる八の実践」の関連企画として実施するものです。
本展は、国内外で活躍する建築家8組が制作した新作模型を通じて、建築家の思考や実践を伝える展覧会です。建築家の思考を知る装置としての模型に着目し、身近な素材や構造物を手がかりに、広い視野で建築をとらえ直す建築家たちの試みを紹介しています。今回の公募では、本展が示す身近なものと遠いもの、短い時間と長い時間を行き来しながら建築を捉える視点を広くひらきます。「近くにあるものと遠くにあるもの」をテーマに、建築の在り方や社会に対する多様な思考を、模型を通して表現するアイデアを募集します。
審査は、展覧会出展建築家8組が担当し、受賞者には模型制作費として5万円を贈呈します。完成作品は、WHAT MUSEUMの建築倉庫で約1カ月間展示し、来場者による一般投票でオーディエンス賞を決定します。
情報技術の進展や、災害、パンデミック、気候変動などを背景に、社会の前提は大きく揺れ動いています。建築の分野でも、目の前の課題への即応が求められる一方で、時間や場所を超えた長期的な視点で構想する重要性が改めて問われています。本公募は、そうした時代において、建築をより広い視野で捉え直し、ひいては私たちと社会との関係を見つめ直すための機会となることを目指します。
WHAT MUSEUM
募集テーマ「近くにあるものと遠くにあるもの」
目の前にある現実を、あえて少し遠ざけてみる。
遠すぎて想像もつかないものを、手元に引き寄せてみる。
模型は、そのあいだを往復するための装置であるとも考えられます。本公募では、このテーマのもと、模型というメディアのあり方をあらためて問い直します。近すぎて見えなくなっているものや、遠すぎて自分とは無関係だと思われているもの。その距離を、模型を通して少しだけ伸び縮みさせる。大きな問題を手のひらの上で扱い、小さな出来事を広い視野のなかに置き直すこともできるはずです。
模型は、完成した建築の単なる縮小である必要はありません。思考の途中にある断片でも、仕組みの提案でも構いません。模型を見直すことは、建築のあり方を見直すことにつながり、ひいては私たちが社会とどのような距離を取るのかを問い直すことにもつながります。
模型というメディアを通して、このテーマに対するあなた自身の視点を提示してください。

応募条件:
国籍不問、ただし日本語でのコミュニケーションが可能であること
1個人または1ユニットにつき1件まで応募可能
受賞後、提出プランに基づく模型を制作し、建築倉庫での展示に参加できること(作品輸送、展示設営、展示撤去を含む)
提出物:
模型作品のアイデアシート(A3サイズ1枚、PDFデータ)
過去参考作品1~2点(A3サイズ1枚、PDFデータ、任意提出)
作品条件:
3辺合計200cm以内の箱に収まる模型であること
模型の素材、用途、機能は不問
未発表の模型に限る
審査員:WHAT MUSEUM 企画展「波板と珊瑚礁 ‐ 建築を遠くに投げる八の実践」出展者8組(ALTEMY、Office Yuasa、ガラージュ、GROUP、DOMINO ARCHITECTS、畠山鉄生+吉野太基+アーキペラゴアーキテクツスタジオ、平野利樹、RUI Architects)

審査員8組の顔ぶれ(注. GROUPは近影なし、ロゴマーク)
贈賞
審査員賞(計8組:ALTEMY賞、Office Yuasa賞、ガラージュ賞、GROUP賞、DOMINO ARCHITECTS賞、アーキペラゴアーキテクツスタジオ賞、平野利樹賞、RUI Architects賞):模型制作費として5万円を贈呈、完成作品を建築倉庫にて展示
オーディエンス賞(波板と珊瑚賞、1組)
「波板と珊瑚礁」展にあわせてWHAT MUSEUM 建築倉庫にて展示される審査員賞8組の中から、来場者の投票により選出
投票期間:2026年8月4日(火)~9月12日(土)
受賞作品発表:9月13日(日)

ALTEMY賞:HIINA NOHARA + DREW HART「A_RANGE」
タイトル:A_RANGE
模型はそれ自体で完結した表象ではなく、異なるメディア間の翻訳の中で変化し続ける一時的な状態である。本作品は、その翻訳過程で生まれる揺らぎや不確定性を通して、模型に新たな解釈が重ねられていく過程を可視化する。

Office Yuasa賞:熊田英梨嘉 / Erika Kumada「意味の向こう岸で ーBeyond the Shore of Meaning」
タイトル:意味の向こう岸で ーBeyond the Shore of Meaning
Villa Savoyeの一枚のフィルムから始まる、五つの作品。それらは世界の秘密に触れようとする際の〈視点の差異〉であり、結果として一つの建築に向かう〈予感の集積〉でもあった。意味の向こう岸、朧気な家。

ガラージュ賞:大田祥悟「いちぶんのご模型」
タイトル:いちぶんのご模型
「型を模す」と書いて模型という。対象物を抽象化しスケールダウンして表現されるものから、スケールを拡大し、より具体化させて作られるものへ。この反転した操作の中に、模型のさらなる可能性を探る。

GROUP賞:藤下 彩「編むこと」
タイトル:編むこと
強くて、丈夫で、安心できる家に住みたいと思っている。けれども、私をとりまく生活は、もっと曖昧で柔らかく、形をもたない。野菜室で眠る腐りかけの玉ねぎも、作りかけの編み物も、どんな形になるかわからず、そこにいる。伸ばしてみたり、ほどいたり。ただ、今日も編み続ける。

DOMINO ARCHITECTS賞:秋本寛太「柔らかい構造」
タイトル:柔らかい構造
裏返しの靴下に、ピザのチーズは伸びて固まり、世界地図を広げて透かして見た。見慣れたかたちが、ふいに輪郭を失い、思いがけない動きを見せる。ふにゃふにゃしたシリコンの模型には、その戸惑いによく似た感触がある。

アーキペラゴアーキテクツスタジオ賞:モニカ「紙を折る、月を測る」
タイトル:紙を折る、月を測る
「紙を42回折ると月に届く」という話を起点に、月までの距離を身体へ引き寄せる二つの模型を制作した。大きな紙を限界まで折り重ねる経験と、完成し得ない最終形のオブジェによって、月へ至ることをめぐる想像と現実とのあいだを往還する。

平野利樹賞:清水章太郎「どこかの都市の模型」
タイトル:どこかの都市の模型
衛星データから生成した粗い都市3Dを模型化し、遠くから把握された都市像が、近づくほど崩れ、剥がれ、見失われていく過程を表現する。都市の「遠さ」と「近さ」の関係を問い直す作品である。

RUI Architects賞:沼宮内さつき「世界団地」
タイトル:世界団地
漫画のコマに描かれたものたちを1つのスケールに縛らず、360度等しく繋ぎ直してみる。バラバラに引き裂かれた世界を同時に見られない私たちの肉体を超えて、一方向の物語ではない、意図しない関係性がその場に立ち上がります。

展示会場:WHAT MUSEUM 建築倉庫
所在地:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号(Google Map)
スケジュール:
応募期間:2026年4月21日(火)~5月20日(水)17:00
審査員賞発表:2026年6月22日(月)※受賞者へメールで通知予定
設営期間:2026年7月25日(土)~31日(金)
展示期間:2026年8月4日(火)〜9月13日(日)
応募方法:コンペ公式ウェブサイト内の専用フォームより送信
企画:WHAT MUSEUM 建築倉庫、SUNAKI
主催:WHAT MUSEUM
コンペ公式ウェブサイト
https://what.warehouseofart.org/exhibitions/corrugatedcoral_competition