【設計事務所あるあるシリーズ】は、建築系イラスト作家の古渡大さんが、設計事務所のあるあるをイラスト化した4コマ漫画です。2023年3月の開始以来、TECTURE MAGでのみならずX(旧Twitter)でも大きな反響をいただきました。
そして、先日公開された第100回をもちまして、【設計事務所あるあるシリーズ】は一旦完結となりました。
今回はそんな【設計事務所あるあるシリーズ】を、TECTURE MAGでの閲覧数やX(旧Twitter)のいいね数を元にランキング化しつつ、作者である古渡 大さんと一緒に振り返っていきます。
いいねランキング
── まずは、いいね数を元に作成したランキングを見ていきましょう。
(上から1位〜5位)
古渡 大さん(以下、古渡):まず、第1回がX上でたくさんの方に注目していただけたことが、とても嬉しいですね。カッチリとしたコンテンツが多い建築業界で、【設計事務所あるある】のようなゆるい内容に反響をいただけたのは、すごくありがたかったです。
正直、始める前はどこまで続けられるかな…という気持ちもあったのですが、こうしていいスタートを切れたことが、継続のきっかけになったのかもしれません。
また、この回は特に言葉がなくても「あるある」と感じていただける絵になったことが、自分でも気に入っているポイントです。

気になるのは服、じゃなくて納まり【設計事務所あるあるシリーズ】#01より
── 確かに、この仕草を見るだけでも「これやっちゃうよなあ」と思ってしまいますね。他にもお気に入りの回はありますか?
古渡:そうですね、第10回もけっこうお気に入りだったりします。Xで反応してくださった方が、みなさん4コマ目と同じ構図の写真をアイコンに使っていたのが、なんだか面白くて。
この回ってあるあるなのは4コマ目だけで、そこまでの流れって完全にフィクションなんですよね。それでも「あるある」と認知してもらえたというのは、自分にとっても新しい発見でしたし、思い出深い回になりました。

建築家のプロフィール写真【設計事務所あるあるシリーズ】#10より
閲覧数ランキング
── 続いて、閲覧数を元に作成したランキングがこちらです。
(上から1位〜5位)
古渡:「いいね」ランキングとはラインナップがガラッと変わるんですね。
Xでの反響は主人公のパートナーさんが登場している回が多いのに対し、TRCTURE MAGの記事では、現場や製図試験といった、より実務に近い「あるある」に注目が集まっているようで、メディアごとの特徴が出ているのが面白いなと感じました。
実は、私自身は設計事務所での勤務経験がないんです。だからこそ、Xで皆さんから投稿いただいた「あるある」や、ご意見・エピソードを参考にさせていただいた回も多くて…本当に感謝しています。
── もうすぐ【設計事務所あるある】を元にした書籍が発売されますね。どんな方に、どんな時に読んで欲しいですか?
古渡:この本は、いわゆる建築書の中では、かなり“ゆるめ”の一冊になっていると思います。だからこそ、設計者さんがちょっとひと息つきたい時に、気軽に手に取ってもらえるような、そんな「息抜きの本」になれば嬉しいですね。
TECTURE MAGで紹介している内容以外にも、さまざまな挿し絵や追加コンテンツを用意しているので、より一層楽しんでいただけるのではないかなと思っています。
また、連載時には建築やデザイン関係とは違った仕事をされている方にも共感してもらえることが多くありました。例えば第37回のように、几帳面な方にも刺さる話があったりするので、そんな方にも届いてくれたら嬉しいですね。

存在しない線が見えてる建築家【設計事務所あるあるシリーズ】#37より
── 今後の展望もありましたらお聞かせください。ちなみに、【設計事務所あるあるシリーズ】の続編は考えていたりしますか?
古渡:続編ですか、【設計事務所あるある】は本当にたくさんの方に反響をいただけたので、いつ、どんな形になるかはまだ分かりませんが、また続きをつくることができたら嬉しいなと思っています。
それと、これは展望というより、ちょっとした願望に近いのですが、今回発売する本をいろんな設計事務所の本棚に置いていただけたらいいなと。
お仕事の合間に「あるある」に出くわしたときに見返してみたりとか。クライアントやメーカーさんとお話しする時のネタにもなると思うので、ぜひ、建築の専門書などに紛れこませて置いてほしいですね。
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