スイスを代表する家具メーカー、ヴィトラ(Vitra)から、ジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé, 1901-1984)がデザインした、ラウンジチェアのスペシャルリミテッドエディションが、6月15日に発売されます。生産数は世界で150台だけという特別限定品。
発売されるのは、1948年にデザインされて以来、これまで一度も量産化されていないラウンジチェア”フォトゥイユ カングルー(Fauteuil Kangourou)”の復刻プロダクト。
Vitiraの発表によれば、プルーヴェがデザインしたこのほかのプロダクトと同様に、もともとは公共空間のために開発されたもので、個人邸で使用されることが多かったラウンジチェアとのこと。
フォトゥイユ カングルーは、プルーヴェが名付けた通り、動物の「カンガルー」を連想させる形状。腰掛けた人の体重をしっかりと受け止め、木製の肘掛けと背もたれを緩やかに支える構造は、外見的な美しさを有しつつ、荷重がかかる部分に太さを持たせた合理的なデザインです。
復刻にあたり、ヴィトラでは、ドイツのヴァイル・アム・ラインにあるヴィトラ キャンパス(Vitra Campus)が所蔵する、世界最大級のジャン・プルーヴェ製品のアーカイヴより、このアームチェア、フォトゥイユ カングルーを選びました。
ジャン・プルーヴェの娘であるカトリーヌ・プルーヴェと、ヴィトラ社との親密な協力関係により、今回の復刻が実現したものです。
ジャン・プルーヴェ(Jean Prouvé)プロフィール
1901年生まれ、1984年没。フランスの建築家、デザイナー。
デザイン、建築、工学、それぞれの分野において、20世紀で最も多才で革新的な人物の1人。
鍛冶工から身を起こし、量産可能な家具やプレハブの建築部品、工業的建築システムを確立した先駆者として知られる。
ル・コルビュジエをはじめ、響力の有する同時代のクリエイターらから高く評価され、レターオープナーからドアや窓の部品、照明、家具、ファサード、プレハブ住宅、建築モジュラーシステム、大規模な講堂から展示に至るまで、工業生産が可能なすべてのもののデザインに取り組んだ。
彼が遺したデザイン哲学と合理性を反映した家具デザインは、ノーマン・フォスター、レンゾ・ピアノ、ジャン・ヌーヴェルなど、次世代の建築家やデザイナーに大きな影響を与えたとされる。
ヴィトラが、ジャン・プルーヴェのプロダクトの復刻版の開発を開始したのは、2002年。さらに遡ること1980年代初頭に、現ヴィトラ会長のロルフ・フェルバウム氏がパリを訪れた際に、ジャン・プルーヴェが1954年にデザインしたヴィンテージの「アントニー」チェアを手に入れたことが、今回の復刻プロジェクトの起点と言えそうです。
「私にとって、フランスのジャン・プルーヴェは、チャールズ&レイ・イームズと同等の存在です。簡潔な構造と、時代を越える美しさの創造的な表現の組み合わせ、それが両者の共通点です。」(ロルフ・フェルバウム会長)
今回の特別限定〈フォトゥイユ カングルー〉では、オーク材と金属製の脚、座席に、柔らかな織生地であるブークレ(boucle)を組み合わせ、新たなを完成させました。
張り生地のカラーには、「プルーヴェ ブルー マルクール(Prouvé Bleu Marcoule)」と呼ばれる豊かな青色を採用。この色は、建築と家具デザインのどちらに対しても対応できる、プルーヴェが開発した独自の多彩なカラーパレットの中の1色で、1950年代に、とあるクライアントのために生み出された青です。
ヴィトラでは、6月15日に〈ヴィトラ キャンパス〉にて〈フォトゥイユ カングルー〉の詳細を発表、発売を開始します。全世界に向けた生産数は150台だけという数量限定品です。
日本での購入は、ヴィトラの公式オンラインショップ(Vitra online Shop)でのみ可能(海外のVitraのサイトでは日本からの購入不可)。
時差の関係で、日本では同日の20時からの販売開始となります(下記ページからのニュースレター登録者は、先行購入が可能なリンクを受け取ることができる)。
製品名:フォトゥイユ カングルー(Fauteuil Kangourou)
価格(税込):550,000円
発売日:日本時間 2022年6月15日(水)20時より
※下記URLより、一般発売に先駆けて購入できるニュースレター登録リンクあり
問合せ先:ヴィトラ 0120-924-725