倉俣史朗(1934-1991)の大規模展が東京・世田谷美術館にて11月18日より開催されます。
倉俣は、1960年代以降のデザイン界において、世界的に高い評価を受けた数少ない日本人デザイナーの一人です。代表作としては、1988年に56脚限定で制作された〈ミス・ブランチ(Miss Blanche)〉があまりに有名です。
〈ミス・ブランチ〉のほかにも、倉俣は、アクリル、ガラス、建材用のアルミといったそれまでの家具やインテリアデザインでは用いられてこなかった工業素材に、彼独自の詩情を加味するなど、デザイナーというよりもアーティストの領域に近い仕事を多数、残しました。
倉俣はプロダクト以外にもインテリアデザインの仕事も数多く手がけましたが、そのほとんどは取り壊されています。2021年11月に香港にオープンした美術館〈M+〉に、新橋の寿司店(きよ友)の空間がまるごと移設された際には大きな話題となりました。没後30年を経てもなお、国際的にも揺るぎない高い評価を保っている稀有なデザイナーです。
1991年に56歳という若さでこの世を去った倉俣。没後は、建築家の磯崎 新(1931-2022)や、ファッションデザイナーの三宅一生(1938-2022)といった、倉俣と同時代のクリエイターによる言説は散見されたものの、倉俣史朗の仕事を総覧するような展覧会は、これまで日本国内では数えるほどでした。1996年に原美術館で開催された後の3年間で世界6都市を巡回し、最後は京都に帰着した「倉俣史朗の世界」展のほか、21_21DESIGN SIGHTで開催された企画展「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」(2011年)と、埼玉県立近代美術館(2013年)での「浮遊するデザイン 倉俣史朗とともに」があるのみ。本展は、10年ぶりとなる倉俣の大規模回顧展となります。
本展では、プロローグとして、独立前の三愛所属時代の仕事を紹介。その後、年代を4つのパートに区切り、倉俣の仕事をテーマごとに紹介します。「倉俣史朗の私空間」と題して、愛蔵の書籍やレコードも特別に展示され、エピローグでは、断片的に書き留められたままのスケッチや夢日記が披露されるなど、作家の内面から創作の源泉にも迫ります。
会期:2023年11月18日(土)〜2024年1月28日(日)
会場:世田谷美術館
所在地:東京都世田谷区砧公園1-2(Google Map)
開館時間:10:00-18:00(最終入場時間17:30)
休館日:月曜、年末年始(2023年12月29日[金]~2024年1月3日[水])
*2024年1月8日(月・祝)は開館、翌1月9日(火)は休館
観覧料:一般1,200円、65歳以上1,000円、大高生800円、中小生500円
※各種割引、入館時の注意事項など詳細は世田谷美術館ウェブサイトを参照
問合せ先:TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会詳細
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00216
※本展は、2024年2月以降に以下2会場に巡回予定
・富山県美術館(会期:2024年2月17日〜4月7日)
・京都国立近代美術館(会期:2024年6月11日〜8月18日)
講演会「今、倉俣史朗を振り返る」
クラマタデザイン事務所に1977年から1981年まで所属し、独立後も倉俣史朗に間近で接していた近藤康夫(1950-)が、倉俣の人物像と作品について改めて語る
講師:近藤康夫(インテリアデザイナー)
日時:2023年12月3日(日)15:00-16:30
会場:世田谷美術館 講堂
定員:140名(当日先着順)
聴講方法:当日14:00より講堂前にて整理券を配布
参加費:無料
※手話通訳付き
※そのほかの関連イベントは世田谷美術館ウェブサイトを参照
世田谷美術館 ウェブサイト
https://www.setagayaartmuseum.or.jp
『TECTURE MAG』への感想など、簡単なアンケートにお答えいただいた方の中から、本企画展の観覧券を5組10名さまにプレゼント!
受付期間:掲載から11月26日(日)まで ※締切
※応募者多数のため、抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了(個々の問合せには対応しません)
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません