長野県・軽井沢にある晴山ゴルフ場(長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢)の利用者向け施設、クラブハウスの設計を、建築家の坂 茂氏(坂茂建築設計 代表)が担当、今夏に完成予定です。
晴山ゴルフ場を運営する西武・プリンスホテルズワールドワイドが発表したもので、リニューアル計画の概要とともにクラブハウスの内観イメージが公開されています(2024年6月13日プレスリリース)。
晴山ゴルフ場(所有:西武リアルティソリューションズ)は1961年の開業。軽井沢駅南側に広がる敷地に、18ホールを有し、開放感ある、誰でも気軽にラウンドを楽しめるパブリックのゴルフコースとして長年、利用者に親しまれてきました。
昨今、軽井沢町の別荘居住者数が増加傾向にあることに加え、エグゼクティブ層が集う軽井沢において、さらなる需要を見込み、ゴルフ場の概念を超えた“開かれた社交場”を目指して、これから数年をかけて大規模リニューアルを行う計画とのこと。
このほど発表されたクラブハウスの改修もその一環であり、リニューアルの第一弾となります。
さらに晴山ゴルフ場では、ゴルフコース設計家でゴルフコースコーディネーターの嶋村唯史氏を監修者として迎えてコースを改修する計画で、ゆったりとゴルフを楽しめるよう、プレースタイルの変更なども実施。坂氏が設計する新たなクラブハウスとともに、2024年7月27日にリニューアルオープンする予定です。
晴山ゴルフ場 ウェブサイト
https://www.princehotels.co.jp/golf/seizan/
なお、坂氏は、2024年4月16日より、西武グループのエグゼクティブアドバイザーを務めています(西武ホールディングス 4月26日発表 / PDF)。
西武グループでは、グループが保有するさまざまな資産などのアセット価値の最大化を企図し、その実現性を高めるため、単に施設の設計・デザインだけに留まらず、街づくりの観点でも、世界を舞台に活躍する坂氏の知見や発想を活かしていく意向です。
エグゼクティブアドバイザー就任にあたっての坂氏コメント
「西武グループは、日本の大手企業の中で唯一日本を代表する建築家に施設設計を託してきた歴史を持ちます。例えば、村野藤吾、丹下健三、黒川紀章、清家 清、池原義郎など。つまりほとんどの日本企業は、建築に合理性と収益性のみを追求しているのに対し、西武グループは、建築文化そして都市やリゾート地に素晴らしい景観を作ってきた企業だといえます。その西武グループからエグゼクティブアドバイザーに委任されたということは、建築家として大変名誉なことと感じています。
この度エグゼクティブアドバイザーに就任するにあたり、日本全国にある西武の施設、特にリゾート施設を見て回りました。そこで驚いたことは、多くの施設が稼働しておらず、また時代に取り残された施設となっている現状です。
それともうひとつは、例えば巨大なスキー・リゾートが1970年、80年代のスキーブームが終った後、一定のエリアからのインバウンドのお客さまに頼った営業体質です。現在、EU(欧州連合)では、“デリスキング”が議論されています。そういう意味で、現在、西武が抱えているいわば負の遺産を、当面どのように売り捌いていくかではなく、もっと長い将来にわたって日本の文化をつくっていくかという観点に立ち、開発を進めていくべきだと考えています。
そのような仕事に、少しでもお役に立てればと願っています。」(西武ホールディングス2024年4月26日プレスリリースより)