開催まであと672日。
2025年4月13日より、大阪市内で開催される日本国際博覧会(2025年大阪・関西万博)に関する続報です。
2022年6月に公式参加が発表されている、オランダ王国(以下、オランダと略)のパビリオンのデザインが先ごろ発表されました(オランダ政府外務省 2023年6月5日発表)。
同日に大阪市内で行われた記者発表では、模型も披露されています(上の画)。
オランダパビリオンが掲げるテーマは「Common Ground: Creating a new dawn together(コモン グラウンド:新たな幕開けの共創)」。燃焼によってガスを排出する石油などの化石燃料に替わるクリーンエネルギーとして、水(Water)から水素などを取り出し、再生可能エネルギーとして生成する最新技術などが提示される予定です。
このテーマに基づき、パビリオンのファサードと屋根には、水をモチーフとしたデザインを採用。さらに、建物の中心部には、ライジング・サンをモチーフにした巨大な球体(人工太陽)が象徴的に据えられます。無限のクリーンエネルギーがもたらす未来、新たな幕開けをイメージしたデザインです。
パビリオンのデザインは、同国の首都・アムステルダムにてトーマス・ラウ(Thomas Rau)氏が1992年に設立した建築デザイン事務所・RAUが担当。サーキュラーエコノミーシステムにおけるアクティブな要素として建築を捉え、環境に配慮した建築設計およびデザインを追求し、エネルギーポジティブ(必要なエネルギー消費を最小限に抑え、クリーンエネルギーの生産を最大限に増やす)な建築を手がけて受賞も多数ある、循環型建築の領域におけるパイオニア的存在です。
RAU Architects Website
https://anewdawn.rau.eu/
オランダパビリオンは、オランダと日本の複数の企業によるコンソーシアム(共同事業体)「A New Down」により設計・施工されます。RAUのほか、応用物理学を事業領域とするオランダの独立系コンサルタント会社・DGMR、体験型デザインスタジオ・Tellart、日本側の共同者として淺沼組の計4社がクレジットされています(駐日オランダ王国大使館 2023年3月17日発表)。
さらに、オランダパビリオンは、解体して再び組み立てられるように設計されているのも特徴です。使用部材の再利用も視野に入れており、全ての資材は、オランダをはじめ欧州各国に拠点を構える、マテリアルとプロダクト情報のプラットフォーム「Madaster(マダスター)」上の「マテリアル パスポート」に登録されるとのこと(詳細)。
リーシェ・シュライネマッハ対外貿易開発協力大臣コメント:
「ロシアとウクライナの戦争により、エネルギー供給における安全性は、各国にとって優先度の高い課題となりました。クリーンな再生可能エネルギーをすべての人が利用できるようにすることは、持続可能な社会と経済の実現のためのキー(鍵)となっています。2025年大阪・関西万博におけるオランダパビリオンで、わが国が提供できる革新的なソリューションを提示し、サステナブルの推進によって実現されるゼロエミッションな未来の可能性について、ダッチデザイン(Dutch Design)によって来場者に伝えられることを誇りに思います。」
#オランダ政府YouTubeチャンネル「Video NL Pavilion World Expo 2025 Osaka Kansai, Japan: A New Dawn on Common Ground」(2023/06/06)
#オランダ政府YouTubeチャンネル「Video Common Ground, Expo 2025 Osaka Kansai」(2023/06/06)
オランダパビリオン(Netherlands Pavilion)詳細 / コンソーシアム各社プロフィール
https://nlplatform.com/osaka-expo/about-Netherlands-Pavilion