愛知県名古屋市内で建設が進んでいる愛知県新体育館の愛称と内外観のビジュアルが発表されました。
建築家の隈 研吾氏が主宰する隈研吾建築都市設計事務所が外観デザインと内装の一部を手掛けています。
同施設を運営する株式会社愛知国際アリーナ[*1]が2024年2月8日のプレスリリースで発表したもので、オンライン金融サービスのリーディングカンパニーであり、英国ロンドンに本社を構えるIG グループがネーミングライツを獲得、今後は「IG アリーナ」と呼称されます。
「IG アリーナ」は、名古屋城を臨む名城公園の一角に位置し、アリーナとしては国内有数の規模を誇ります。
約17,000人の最大収容人数と、約1,900人をもてなすためのホスピタリティエリアなど、ハードとソフトの両面において、ワールドクラスの機能を備えたスポーツ・音楽のハイブリッドエンターテインメントアリーナとなる見込みです。
安全でアクセシブルな動線設計や、国内アリーナでは類を見ない飲食の多店舗展開、ストレスフリーなキャッシュレスやモバイルオーダーなどのスマートアリーナ機能を実装。ホスピタリティエリアでは、高揚感を分かち合えるスイートルームやラウンジ、食材にこだわったメニューなど、特別な日を盛り上げるサービスを提供するとのこと。
施設のこけら落としとなるイベントは、2025年7月13日に初日を迎える大相撲名古屋場所。これまで愛知県体育館(1964年竣工)で毎年7月に本場所の1つを催行してきた伝統・歴史を発展させ、愛知・名古屋のシンボルとなるアリーナに。以降も、国内外のスポーツイベントや音楽のライブエンターテインメントが開催される予定です。2026年には、アジア競技大会の会場としても使用されます。
なお、事業主体である愛知県や、施工を担当する前田建設工業の発表によれば、同アリーナの事業計画は、PFI法のBT(Build Transfer)[*3]と、公共施設等の運営権(コンセッション)[*4]の設定を組み合わせた新方式が採用されているのが特徴です。事業者が自らの提案をもとに施設の設計・建設を行った後、県に施設の所有権を移転する計画です。
「BT+コンセッション」方式を採用することにより、愛知県は、設計・建設費(約300億円)に維持管理・運営費を加えた額から、利用料金収入などを差し引いたサービス購入料(約200億円)の提案を受け、予算措置することで、県の負担額を減らしているとのこと(愛知県によれば、この方式の実施は日本初)[*5]。
建設風景 タイムラプス動画 ©︎ Aichi International Arena Co.,Ltd.
正式名称:愛知県新体育館
事業主体:愛知県
管理運営:株式会社愛知国際アリーナ
ネーミングライツパートナー:IG グループ
事業形態:BT+コンセッション方式
所在地:愛知県名古屋市北区名城1-4-1名城公園内(Google Map)
用途:体育館・観覧場
事業期間:設計・建設:2021年6月~2025年3月 ※2025年4月
維持管理・運営:2025年4月~2055年3月(30年)
設計:前田建設工業・隈研吾建築都市設計事務所・大建設計 愛知国際アリーナ設計共同体
施工:前田建設工業
構造:RC造(一部S造)
階数:5階建て
高さ:建物高さ41m、アリーナ内天井30m
建築面積:26,500m²
延床面積:63,000m²
最大収容人数:17,000人(立ち見を含む)/ 15,000人(着席時)
飲食店舗・ワゴン店舗区画:約30区画
#IGアリーナ YouTube:コンセプトムービー(フルver.)(2024/02/10)※再生と同時に音楽が流れます
「IG アリーナ」ウェブサイト
ig-arena.jp
[*1]株式会社愛知国際アリーナ:愛知県新体育館提案を実施したコンソーシアム7社[*2]の出資により、2021年に設立された「IG アリーナ」の運営会社(本社所在地:愛知県名古屋市)
[*2] コンソーシアム出資企業:前田建設工業、NTTドコモ、AEG(アンシュッツ・エンターテイメント・グループ)、三井住友ファイナンス&リース、東急、中部日本放送、日本政策投資銀行
[*3] BT方式:事業者が自らの提案をもとに施設の設計、建設を行った後、県に施設の所有権を移転する方式で、PFI法の1事業方式
[*4] コンセッション(公共施設等運営権)方式:PFI法に基づき、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式
[*5] 愛知県発表「愛知県新体育館整備・運営等事業について」2020年6月2日発表資料より
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kokusai-arena/shintaiikukan-home.html
※本稿の画像は2024年2月8日発表時のイメージにつき、デザインなどは今後、変更になる場合あり
本件プレスリリース(2024年2月8日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000136712.html