2021年12月26日初掲、2022年1月15日関連イベント情報追記
実業家で公益財団法人大林財団理事長を務める大林剛郎氏(おおばやし たけお|1954-)が、長い年月をかけて築いた圧巻のコレクションに焦点をあてた企画展。
「安藤忠雄 描く」、「都市と私のあいだ」、「Self-History」という3つのテーマに沿った展示が行われ、同コレクションの変遷を辿るとともに、収集作品群への多角的なアプローチを試みます。
会期はいずれも2022年2月13日まで。休館日・入館料など共通項目は、本稿のフッターに記載。展覧会の詳細や最新情報は、会場・WHAT MUSEUMの公式ウェブサイトを参照してください。
長さ10mにおよぶドローイングをはじめ、安藤忠雄の初期の建築作品のスケッチ、未完のプロジェクトのシルクスクリーンを含む平面作品15点を展示する。
安藤忠雄氏のプロジェクトは、未来を 「想い描くこと」、それを「図として描くこと」から始まる。和紙に描かれた細いペンと色鉛筆の繊細で柔らかな筆致からは、建築家・安藤忠雄が都市と建築に真摯に向き合う姿が垣間見え、ダイナミックなドローイングの筆跡からは、力強く未来に向かって挑む姿が連想される。
見どころは、未完のプロジェクト〈宇都宮プロジェクト〉、〈中之島プロジェクトⅠ《大阪市役所》〉の展示。2000年に開催された「上海ビエンナーレ」の際に制作された、長さ10mの〈ベネッセハウス-直島コンテンポラリーアートミュージアム〉のドローイングが日本で初公開されるほか、彫刻家グザヴィエ・ヴェイヤンによる高さ約2mの彫刻〈Tadao Ando〉も日本初公開となる。
大林コレクション展「安藤忠雄 描く」
会期:2021年9月25日(土)〜2022年2月13日(日)
会場:WHAT MUSEUM 1階 Space2
主催・企画:WHAT MUSEUM
特別協力:大林剛郎、安藤忠雄建築研究所
協力:三宅理一
テキスト協力:長井美暁
会場グラフィック:関川航平
グラフィック:氏デザイン
展覧会詳細
https://what.warehouseofart.org/exhibitions_events/tadaoando_egaku
都市と、アーティストや私たちの「あいだ」に存在する、都市を形成するさまざまな要素(都市基盤・建築・インテリア・模型など)を被写体とし、9名のアーティストがそれぞれの視点で都市を捉えた写真作品を中心に15作品を展示する。
出展作家・建築事務所(敬称略・五十音順):大島成己、アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、妹島和世建築設計事務所(建築模型の出展協力)、トーマス・デマンド、野口里佳、畠山直哉、宮本隆司、ルイザ・ランブリ、トーマス・ルフ
畠山直哉の1.8mにおよぶスケールの「untitled / Osaka」シリーズの展示では、時間とともに移り変わる都市の変遷の様子を切り出される。
ルイザ・ランブリの「Untitled(Barragan House)」シリーズには、建築家のルイス・バラガンが設計したバラガン邸での微細な時間の変化と私的な経験が映し出されている。
また、トーマス・デマンドの「Museum H 64」では、建築家の妹島和世のアトリエで日々、考察されているスタディなどの建築模型が被写体となっており、彼女が設計して2016年に開館した〈すみだ北斎美術館〉が建ちあがるまでのプロセスを写しとっている。
これらの出展作品には、実在する都市とアーティストの「あいだ」に存在する、カメラを通して視覚化されたもう1つの都市のイメージが表現されている。
本展示を通して、鑑賞者が新たな眼差しで都市を捉えられる機会を創出することを狙いとする。
野口里佳、トーマス・ルフ、アンドレアス・グルスキーの初期の作品が展示されるのも見どころの1つ。
大林コレクション展「都市と私のあいだ」
会期:2021年9月25日(土)〜2022年2月13日(日)
会場:WHAT MUSEUM 1階 Space1
主催・企画:WHAT MUSEUM
特別協力:大林剛郎
テキスト協力:竹内万里子
会場グラフィック:関川航平
グラフィック:氏デザイン
展覧会詳細
https://what.warehouseofart.org/exhibitions_events/toshi_to_watashi
大林氏がこれまでに収集した現代美術作品を中心に、コレクションの集大成とも言える約40名の作家の作品を展示する。
出展作家(敬称略、五十音順):ジャン・アルプ、カール・アンドレ、ローレンス・ウィナー、トレイシー・エミン、ライアン・ガンダー、イヴ・クライン、桑山忠明、ジョルジオ・グリッファ、五木田智央、佐藤 允、ドナルド・ジャッド、杉本博司、アンドレアス・スロミンスキー、ジョン・チェンバレン、トーマス・デマンド、アン・トゥルイット、シュテファン・バルケンホール、サイモン・パタソン、ダニエル・ビュレン、ハンス=ペーター・フェルドマン、ルーチョ・フォンタナ、ダン・フレイヴィン、カンディーダ・ヘーファー、ヒラ・ベッヒャー、アリギエロ・ボエッティ、ミヒャエル・ボレマンス、松江泰治、ピエロ・マンゾーニ、村上 隆、森村泰昌、ジョナサン・モンク、ヤマガタヒロミチ、ピエール・ユイグ、吉原治良、李禹煥、トーマス・ルフ、、ウーゴ・ロンディノーネ、ボブ・ロー、ほか
コレクターズノート / 大林剛郎氏からのメッセージ
「私的なコレクションの面白さのひとつは、時間の経過とともに内容が変化していくことではないでしょうか。そこにはアーティストを含めた多くの人との出会い、さまざまな機会を通じたアートに関する学びの経験が深く関わっています。つまり、私は自分のコレクションをひとつの美意識や規範に沿って集められたものというよりは、絶えず変化していく動的なものとして捉えています。
今回展示する約40点の作品は、850点前後を数える全コレクションの現在形を示すと同時に、その歴史も内包しています。コレクションの『前史』とも言える父の収集品に始まり、本格的に収集を始めた1990年代末以降の作品、そして比較的最近コレクションに加わったものまで、多岐に渡っています。
また美術史的には、1990年代以降の作家を中心に、それらに影響を与えた1960~70年代の作家も含む構成になっています。コレクションの多様性は、個人的な出会いや経験がもたらした結果とも言えます。
今回の展覧会は、現代美術の表現形態の多様な広がりを示すと同時に、ひとりのコレクターの変遷の記録でもあります。その両面から展示を楽しんで頂ければ幸いです」(会場内、展覧会概要より一部抜粋)
大林コレクション展「Self-History」
会期:2021年9月25日(土)〜2022年2月13日(日)
会場:WHAT MUSEUM 2階
主催:WHAT MUSEUM
企画:大林剛郎
特別協力:大林剛郎
協力:鈴木布美子
展示構成:アート&パブリック
展覧会詳細
https://what.warehouseofart.org/exhibitions_events/self-history
タイトル:大林剛郎氏×高橋龍太郎氏トークイベント 「Collector’s Talk」
日時:2022年1月27日(木)15:00〜16:00(予定)
登壇者(敬称略):大林剛郎(コレクター)、高橋龍太郎(コレクター)、児島やよい(モデレーター)
視聴方法:WHAT MUSEUM 公式YouTubeチャンネルより配信
配信URL:https://youtu.be/qUaaD6G0I8E
料金:無料
主催:WHAT MUSEUM
詳細:https://what.warehouseofart.org/exhibitions_events/collectors-talk
会期:2021年9月25日(土)〜2022年2月13日(日)年末年始
会場:WHAT MUSEUM
所在地:東京都品川区東品川 2-6-10 寺⽥倉庫G号(Google Map)
開館時間:11:00-18:00(最終入館17:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合、翌火曜休館)、年末年始を含む全館休館日(12月27日〜1月6日)
入場方法:オンラインチケット制
入場料:一般 1,200円、大学生・専門学校生 700円、高校生以下 500円
※学生は入館時に学生証の掲示要
※無料:小学生以下、招待チケット・招待状、障がい者手帳をお持ちの方(付き添い1名まで無料、障がい者手帳などの提示要)
※同時開催の展示「安藤忠雄 描く」、「都市と私のあいだ」の観覧料含む
※模型保管倉庫への入場はオプションツアーにつき、入場料には含まれない
WHAT MUSEUM 大林コレクション展「安藤忠雄 描く」「都市と私のあいだ」「Self-History」(2021/11/24)
WHAT MUSEUM 施設概要
寺田倉庫が作家やコレクターから預かっているアート作品を公開する、東京・天王洲にある芸術文化発信施設。オープンは2020年12月。「倉庫を開放、普段見られないアートを覗き見する」ことをコンセプトに掲げる。倉庫会社ならではの美術館として、新たな切り口で企画・展示を行っている。
WHAT MUSEUM 公式Webサイト
https://what.warehouseofart.org/