「日韓ソ映画における団地イメージの変遷」と題したオンライン・シンポジウムが、岡山大学の主催で2月5日に開催されます。
日韓の研究者が発表を行うほか、団地に関する写真集や『工場萌え』の共著などで知られる大山 顕氏が、コメンテーターとして討議に参加します。
開催概要
日本では「団地」と呼称される鉄筋コンクリート造の積層集合住宅は、戦後の東西冷戦による国家間の対立にもかかわらず、イデオロギー的分断を越えて世界のあらゆる場所に建設された――あたかも国際共通言語のように。
本シンポジウムでは、団地が特に重要な社会的役割を果たした日本、韓国、ソ連の各国で、団地という空間やそこにおける生活様式の推移が、映画というメディアにおいてどのように描き出されてきたのかを論じる。その上で、各国映画の団地イメージには、どのような異なる/共通の問題があったのかを明らかにしていく。(主催者プレスリリースより)
登壇者プロフィール
発表者:
今井瞳良(いまい つぶら)
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。山形県立米沢女子短期大学講師。専門は日本映画、団地表象論。
主な著作に『団地映画論 居住空間イメージの戦後史』(水声社、2021年)。崔 盛旭(ちぇ そんうく)
明治学院大学大学院博士課程修了、博士(映画史)。明治学院大学他非常勤講師。専門は日韓映画史。
主な著作に『今井正 戦時と戦後のあいだ』(クレイン、2013年)など。ニュースサイト「サイゾーウーマン」でコラム「崔盛旭の『映画で学ぶ、韓国近現代史』」を連載中。本田晃子(ほんだ あきこ)
東京大学総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。岡山大学社会科学研究科准教授。
主な著作に『天体建築論 レオニドフとソ連の紙上建築時代』(東大出版会、2014年)、『都市を上映せよ ソ連映画が築いたスターリニズムの建築空間』(東大出版会、 2022年近刊)などがある。コメンテイター:
大山 顕(おおやま けん)
千葉大学工学部卒。松下電器産業(現・パナソニック)退職後、写真家、ライターとして活動。
主な著作に『工場萌え』(石井哲との共著、東京書籍、2007年)、『団地の見究』(東京書籍、2008年)、『団地団~ベランダから見渡す映画論~』(共著、キネマ旬報社、2012年)、『新写真論 スマホと顔』(ゲンロン、2020年)などがある。
開催日時:2022年2月5日(土)15:00-18:00
プログラム(予定)
15:00-15:40 趣旨説明・発表1 / 本田晃子「ソ連映画に見る集合住宅フルシチョーフカ、ブレジネフカ」
15:40-16:20 発表2 / 今井瞳良「団地映画は日本の戦後を映してきた」
16:20-17:00 発表3 / 崔 盛旭「独裁の団地から団地の独裁へ――映画に見る韓国の屈折した『住居』政治」
17:00-17:10 休憩
17:10-18:00 全体討議、質疑応答
会場:オンライン(開催方式:Zoomウェビナー)
視聴定員:500名(先着順に受付)
聴講費:無料(要申し込み)
申込方法:下記ページより要登録(定員に達し次第、締切)
https://zoom.us/webinar/register/WN_QCnaq92LQHapTmX1k1I5NQ
主催:岡山大学文学部プロジェクト研究「イメージの人文学」
科学研究費若手研究「ソ連およびポスト・ソ連期のロシアにおいてメディア上の都市表象が果たした役割の研究」