2022年5月21日初掲、10月9日展示記録動画をシェア
現代美術におけるセルフポートレートの先駆者の1人、森村泰昌氏(1951-)の大規模展が、京都市京セラ美術館で6月5日まで開催されています。
森村氏は、ゴッホに扮したセルフポートレート写真で1985年にデビューして以降、美術史における名画の登場人物や歴史上の人物、女優に扮するセルフポートレートを数多く制作。ジェンダーや人種を含んだ個人のアイデンティティの多重性を視覚化した、個人史と歴史の交錯点を表現した作品で知られています。
森村泰昌(もりむら やすまさ)プロフィール
1951年大阪市生まれ。1985年にゴッホに扮したセルフポートレート写真でデビュー。以降、国内外で作品を発表。2014年にはヨコハマトリエンナーレのアーティスティックディレクターを務める。2018年に大阪・北加賀屋に「モリムラ@ミュージアム」を開館。
近年の個展に「森村泰昌:自画像の美術史——『私』と『わたし』が出会うとき」(国立国際美術館、2016年)、「森村泰昌:エゴオブスクラ東京 2020——さまよえるニッポンの私」(原美術館、2020年)、「ほんきであそぶとせかいはかわる」(富山県美術館、2020年)、「M式『海の幸』——森村泰昌 ワタシガタリの神話」(アーティゾン美術館、2021年)などがある。
著書に『自画像のゆくえ』(光文社新書、2019年)ほか多数。
京都市京セラ美術館の開館1周年を記念して開催され、京都では1998年以来となる大規模な個展となる本展では、これまでほとんど発表されることのなかった、作家が1985年から撮りためている秘蔵のインスタント写真約800枚に加え、1994年に森村が自作の小説を自ら朗読した CD《顔》の音源をもとに、展示室に特設の音響空間をしつらえ、無人朗読劇として再制作された作品も展示されています。
本展は、35年余にわたり継続されてきた、作家の私的世界の全貌を公開する初の試み。
何者かになり変わることで自己を解体し、一個人における複数の顔を露呈する森村の表現は、スマートフォンの進化やSNSの普及によって身近になった「自撮り」と共通しながらも、決定的に異なる面をもっています。
そこには、自己への透徹した眼差しと、1人の人間が複数の存在として生きていくことへの圧倒的な肯定を見ることができるでしょう。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大がもたらしたコロナ禍において、あらためて自身の制作の原点に立ち返ることで、これからを模索する、 森村の「現在」を提示する展覧会です。
会場構成を、京都市京セラ美術館館長を務める建築家の青木淳とともに、同館の大規模リニューアルプロジェクトを手がけ、新館「東山キューブ」の設計も手がけている、建築家の西澤徹夫(西澤徹夫建築事務所)が担当するのも見どころです。
会期:2022年3月12日(土)~6月5日(日)
開場時間:10:00-18:00(最終入場は17:30まで)
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
所在地:京都市左京区岡崎円勝寺町124(Google Map)
休館日:月曜
観覧料:一般2,000円、大学・専門学校生 1,600円、高校生1,200円、小中学生800円、未就学児無料
※割引チケットの詳細は京都市京セラ美術館Webサイトを参照
#京都市京セラ美術館 YouTube 京都市京セラ美術館開館1周年記念展「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」展示記録(2022/09/09)
主催:森村泰昌展実行委員会(京都市、毎日新聞社、京都新聞)
協賛:ARTS ISOZAKI、千島土地
協力:川島織物セルコン、富士フイルム、カラーキネティクス・ジャパン、一風堂、THEATRE E9 KYOTO
京都市京セラ美術館 Webサイト
https://kyotocity-kyocera.museum/
『TECTURE MAG』への感想など、アンケートにお答えいただいた方の中から、本展のペアチケットを5組10名さまにプレゼントします。
※受付は終了しています。抽選後に発送。ご応募ありがとうございました!
受付期間:2022年5月21日(土)〜23日(月)23:59
※応募者多数の場合は抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了
※発送に関する個々の問合せには対応しませんのでご了承ください
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません