アメリカ近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright|1867-1959)の展覧会が、3月20日より青森県立美術館にて開催されます。
本展は、ライトの設計で知られる、東京・日比谷の帝国ホテルのかつての本館(二代目本館、現存する一部が博物館明治村に移築保存)が、竣工から100周年を迎えた節目の年である2023年に、同年10月から愛知・豊田市美術館でスタートした展覧会「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」の国内最後の巡回となります。青森会場に先立ち、東京・パナソニック汐留美術館にて今年1月から3月にかけて開催され、好評を博しました。
会場レポート「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」が東京・パナソニック汐留美術館に巡回、グローバルアーキテクトの先駆としてのライトを紐解く
フランク・ロイド・ライト財団から図面をはじめとする5万点を超える資料がニューヨーク近代美術館とコロンビア大学エイヴリー建築美術図書館に移管されたのが2012年のこと。以来、建築はもちろんのこと、芸術、デザイン、著述、造園、教育、技術革新、都市計画に至るライトの広範な視野と知性を明らかにすべく、調査研究が続けられてきました。
日本に滞在した数年の間に帝国ホテル二代目本館や自由学園(東京都豊島区)を手がけ、母国・アメリカではカウフマン邸(落水荘、ペンシルベニア州)やソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)の設計で知られるライトは、近代米国を代表する建築家の一人であると同時に、熱烈な浮世絵愛好家でもあったことが近年の研究によってわかってきています。
フランク・ロイド・ライト財団の協力のもと開催される本展は、こうした研究の最新の成果を踏まえ、多様な文化と交流しつつ、常に先駆的な活動を展開したライトの姿を明らかにします。
展示構成
セクション1 モダン誕生 シカゴ-東京、浮世絵的世界観
セクション2 「輝ける眉」からの眺望
セクション3 進歩主義教育の環境をつくる
セクション4 交差する世界に建つ帝国ホテル
セクション5 ミクロ/マクロのダイナミックな振幅
セクション6 上昇する建築の環境の向上
セクション7 多様な文化との邂逅
ケン・タダシ・オオシマ氏(ワシントン大学教授)とジェニファー・グレイ氏(フランク・ロイド・ライト財団副代表、タリアセン・インスティテュート・ディレクター)を監修・協力者に迎え、日米共同でキュレーションを行ない、帝国ホテルを基軸とする展示の会場構成を、青森県立美術館の設計者である建築家の青木 淳(AS)と、東京・汐留会場の会場構成を担当した佐藤熊弥(tandem)の両氏が手掛けているのも見どころです。
会場:青森県立美術館
所在地:青森県青森市安田近野185(Google Map)
会期:2024年3月20日(水・祝)〜5月12日(日)
※会期中、一部展示替えあり(前期展示:3月20日〜4月14日、後期展示:4月16日-5月12日)
休館日・休室日:3月25日(月)、4月8日(月)、4月15日(月)※注、4月22日(月)
※注.4月15日(月)は美術館は開館しているが、展示替えのため「フランク・ロイド・ライト展」のみ休室
開館時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)
観覧料:一般 1,500円、高校・大学生 1,000円、中学生以下無料
※各種割引設定については、青森県立美術館ウェブサイトを参照
主催:フランク・ロイド・ライト展青森実行委員会(青森県立美術館、青森放送、青森県観光国際交流機構)、フランク・ロイド・ライト財団
後援:アメリカ大使館、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、一般社団法人DOCOMOMO Japan、有機的建築アーカイブ
特別協力:コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館、株式会社 帝国ホテル
助成:公益財団法人ユニオン造形文化財団
協賛:倉橋建設
展示協力:有限責任事業組合 森の製材リソラ
会場構成:青木淳(AS)+佐藤熊弥(tandem)
学芸員によるギャラリートーク
スピーカー:大村理恵子(パナソニック汐留美術館主任学芸員、本展企画者)、当館担当学芸員
日時:2024年3月20日(水・祝)10:30-11:30頃 ※終了時刻は前後する場合あり
会場:青森県立美術館企画展示室
定員:先着20名(予約不要)
参加費:無料(ただし、本展のチケットが必要)
本展詳細
https://www.aomori-museum.jp/schedule/13252/
青森県立美術館ウェブサイト
https://www.aomori-museum.jp/