20世紀に活躍したイタリアを代表する建築家の1人、カルロ・スカルパ(Carlo Scarpa|1906-1978)の建築作品を紹介する展覧会が、東京・九段南のイタリア文化会館にて開催されています。
本展では、スカルパの建築作品のなかから、写真家の関谷正昭(1942-2002)が撮影した、ヴェネツィアにあるクエリーニ・スタンパーリア財団の庭園と、サン・ヴィート・ディ・アルティーヴォレ(トレヴィーゾ)にあるブリオン家の墓の写真の数々が展示されています。
このうち、ヴェネツィアの庭園は、イタリアの貴族の末裔が所有していた館の庭園で、”秘密の庭”とも称されて名高いもの。スカルパのほか、V.パストール、マリオ・ボッタ、ミケーレ・デルッキといった、イタリアを代表する建築家が改修(リノベーション)を手掛け、現在は美術館として公開されています。スカルパは1959年から1963年にかけて、1階の一部の空間の改修設計を手掛けました。
関谷正昭は、本展で紹介するスカルパ作品のほか、ヨーロッパの近現代の建築を撮り下ろすなどして活動した写真家です。
彼の写真作品からは、スカルパの空間の捉え方や、素材や色彩、模様など、建築の細部までこだわったスカルパの建築手法を読み解くことができます。
これらの写真作品のほか、スカルパによるブリオン家の墓の設計スケッチや、1969年に京都でスカルパが撮影した日本庭園の写真なども併せて展示されているのも見どころです。
*本稿写真提供:イタリア文化会館
*本稿では敬称略とした
会期:2024年6月21日(金)~9月5日(木)
開場時間:10:30-13:00、13:30-17:30
休室日:日曜:月曜、夏季休業期間 8月8日(木)~19日(月)
会場:イタリア文化会館
所在地:東京都千代田区九段南2丁目1-30(Google Map)
入場料:無料
主催:イタリア文化会館
学術協力:ベネトン研究調査財団 カ・スカルパ
監修:J. K. マウロ・ピエルコンティ
資料提供:イタリア国立21世紀美術館 / カルロ・スカルパ・アーカイブ、関谷アーカイブ、ブジナ-ロ・アーカイブ、個人蔵
イタリア文化会館 ウェブサイト イベント案内ページ
https://iictokyo.esteri.it/ja/gli_eventi/