2024年8月28日初掲、8月31日展覧会会場写真を追加、建設風景の動画をシェア
『TECTURE MAG』にて要所でニュースを掲載している「Ginza Sony Park プロジェクト(銀座ソニーパークプロジェクト)」に関する続報です(アーカイブはフッターの関連リンクを参照)。
東京・銀座5丁目のソニービル(設計:芦原義信建築設計研究所、竣工:1966年)の建て替えプロジェクトの最終形となる新たな「Ginza Sony Park」が8月15日に竣工(ビルのグランドオープンは2025年1月を予定)。来年1月に予定しているグランドオープンへ向け、同ビルの歴史やこれまでのプロジェクトの推移を映像や写真などで辿る展覧会が、同ビルの地下にある10坪の実験的ポップアップスペース・Sony Park Miniにて、8月23日より開催されています。
「Ginza Sony Parkプロジェクト」は、「街に開かれた施設」をコンセプトに50年以上にわたって銀座の街と歩んだソニービルを建て替えるプロジェクトです。「銀座の公園」として位置付けられた新たな〈Ginza Sony Park〉は、建物の高さを低く抑えることで、都会の中に新たな余白とアクティビティを創出し、街や人に新たなリズムをもたらすことを企図したとのこと。
ソニーのファウンダーの1人である盛田昭夫(1921-1999)の発案により、1966年に竣工したソニービルは、建築家の芦原義信(1918-2003)が設計したことで知られています。街に開かれた施設をコンセプトに芦原がデザインした旧ソニービルの一角には、盛田が「銀座の庭」と呼んだ小さなパブリックスペースが用意されていました。数寄屋橋交差点に面したこの10坪の狭小コーナーは、企業やブランドのポップアップイベントなどさまざまなシーンで利活用され、人々の交流の場となっていました。
ソニーでは、次の50年に向けて、この創業者の想いを継承させるべく、「銀座の庭」を「銀座の公園」として拡張。その建て替えプロセスも、ソニーらしくユニークに行いたいとの考えから、二段階プロセスを採用。解体後直ちに新たなビルを建設するのではなく、解体途中(2018年8月~2021年9月)から”公園”としてまずは活用するという実験的な試みを行いました。第一段階の期間中、コロナ禍を含む約3年間で854万人もの来園人数を記録したとのこと。
その後、建設の第二段階として解体・新築工事を再開。プロジェクトの最終形となる〈Ginza Sony Park〉がこのほど竣工、2025年1月にグランドオープンを迎える見込みです。
コンセプトの詳細は以下、ソニー企業のプレスリリースより。
このたびソニービルのリニューアルとして竣工した新しい〈Ginza Sony Park〉は、地上5階、地下4階のSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の建物で、銀座の標準的な建物の半分ほどの高さにあえて低く構えることで、集積率の高い都会の中に余白と新しい景観を生み出しています。
また、ソニービルが大切にしてきた「街に開かれた施設」という設計思想と、「ジャンクション建築」「縦のプロムナード」といったユニークな建築的な要素はGinza Sony Parkにも継承されています。かつて銀座・数寄屋橋交差点に面したソニービルの角地には、「ソニースクエア」という10坪のパブリックスペースがあり、春には鮮やかなガーベラの花を、夏には涼しげなアクアリウムを設置するなど、季節ごとに四季折々のイベントを開催。都市を修景的につくるという思想から、余白の少ない都会の中に街との接点となる外部空間を設け、街を訪れる誰もが楽しむことができるように設計されたこのパブリックスペースは「街に開かれた施設」の象徴でした。ソニーのファウンダーのひとりでソニービルの創業者である盛田昭夫は、この10坪のパブリックスペースを「銀座の庭」と呼びました。Ginza Sony Parkは50年間続いたこの「銀座の庭」の思想を継承し、「銀座の公園」として拡張させ、人々が思い思いに過ごせる多くの余白と、体験型のプログラムや飲食などさまざまなアクティビティによって、街や人々にリズムを生み出す場となることを目指します。
都市機能を内包する稀有な立地にある〈Ginza Sony Park〉は、地上の三方が道路に面し、地下は地下鉄コンコースと地域最大級の地下駐車場に直結しています。ソニービルから続く、これらの都市機能と建物を有機的に結びつける「ジャンクション建築」の考えも、〈Ginza Sony Park〉は継承しています。
地上では数寄屋橋交差点からの動線を開放的な吹き抜け空間で受け入れ、地下動線も内と外を区切る扉や壁をなるべく設けずにシームレスにつなぐことで、銀座の街を訪れる人々が気軽に行き交うことのできる空間を実現しています。さらに地下鉄コンコース接続部にはかつてのソニービルの躯体の一部を残し、進化と同時に積層された建物の歴史を見ることができます。また、ソニービルは、「花びら構造」と呼ばれる、決して広くはない敷地面積に建つ建物を如何に有効に使うかという視点で考え出されたスキップフロアによって、地上階のフロアを連続した空間でつなぐ「縦のプロムナード」を実現していました。〈Ginza Sony Park〉ではこのコンセプトを進化させ、大胆に地上の外部空間を取り込みながら、地下3階から地上5階(屋上)まで建物全体をつなげる一本の新たな「縦のプロムナード」をつくり出しています。
さらに〈Ginza Sony Park〉は、銀座の街の中では珍しい打ち放しコンクリート建築で、普通ベニヤ型枠を採用したコンクリート打設により、とても大らかでプリミティブな表情を見せ、重心の低い建物のフォルムとあわせて、公園の持つプラットフォーム的な要素を体現しています。コンクリートの躯体を覆うステンレスのグリッド状のフレームは、壁面を使ったさまざまなアクティビティを展開する機能的なファサードとして、また設備増設時の配管などを通す共同溝としての役割を担っています。それらに加え、このフレームは公園と街とのゆるやかなバウンダリーとなり、その隙間から地上の大きな吹き抜け空間の中に入り込む光が、まるで木漏れ日のような変化をもたらします。
「街に開かれた施設」というソニービルの設計思想と、創業者の想いを継承・拡張させ、余白とアクティビティで街や人々に新しいリズムをもたらす場・Ginza Sony Park。ソニービルがこの銀座・数寄屋橋の地から、世界に向けて多くの情報を発信し文化をつくってきたように、私たちも「Ginza Sony Park」から新たな挑戦を始めていきます。
2025年1月(予定)のグランドオープンまでの間、本展に加え、建築内覧ツアーも開催されています(8月30日〜9月1日開催の各回はすでに満員御礼)。今後の予定は公式ウェブサイトおよびSNSにて発表される見込みです。
日程:2024年8月23日(金)~9月29日(日)
開場時間:11:00-19:00(予定)
会場:Sony Park Mini
所在地:東京都中央区銀座5丁目3番1号地先 西銀座駐車場地下1階(Google Map)
詳細
https://www.sonypark.com/mini-program/list/056/
Sony Park 公式ウェブサイト
https://www.sonypark.com/
公式SNS
https://www.instagram.com/ginzasonypark/
https://x.com/ginzasonypark/
https://facebook.com/ginzasonypark/
YouTube
https://youtube.com/ginzasonypark/
ハッシュタグ
#GinzaSonyPark
#Sony Park(ソニーパーク)YouTube:[Construction records] 新しいGinza Sony Parkに生まれ変わる営み(2024/08/21)
新・Ginza Sony Parkのための実験の場として、東京・銀座の数寄屋橋交差点のほぼ真下に位置する西銀座駐車場の地下1階に用意された、10坪のPOP-UPスペース。「アーティストの鼓動を感じるプログラムを起動し続ける」ことをコンセプトに、2022年3月のオープンからこれまでに50回を超えるプログラムを実施。[西銀座駐車場コーヒー]を併設する。
Sony Park Mini(ソニーパークミニ)ウェブサイト
https://www.sonypark.com/mini/index.html