2024年9月13日初掲、9月14日会場写真を追加
建築史家の五十嵐太郎氏を監修者に迎え、東京・日本橋にある髙島屋史料館TOKYOにて、企画展「さらに 装飾をひもとく 日本橋の建築・再発見」が9月13日より開催されます。
本展は、2020年9月から2021年2月にかけて、同じく五十嵐氏が監修者となって開催された「装飾をひもとく〜日本橋の建築・再発見」展の続編となります。
前回の「装飾をひもとく」展では、開催がきっかけとなり、日本橋界隈のタウン誌『月刊 日本橋』にて、五十嵐氏による連載「日本橋の建築装飾」が開始されており、4年目に突入した同連載は、同誌にて計45回を超える人気コンテンツとなっているとのこと。
今回の企画展「さらに 装飾をひもとく 日本橋の建築・再発見」では、『月刊 日本橋』における五十嵐氏のこれまでの連載から要所を引きながら、前展で展示の対象となっていた中央通り沿いからさらにエリアを拡大、兜町エリアの山二証券(1936年竣工)や、2021年竣工のKABUTO ONEなどの建築も紹介しているのが特徴です。
左:山二証券(設計:西村好時、1936年)/ 右:フィリップ証券(設計:西村好時、1935年) 撮影:五十嵐太郎
ハリオグラスビル(HARIO本社 / 設計:川崎貯蓄銀行建築課、1932年) 撮影:五十嵐太郎
光世証券兜町ビル(設計:永田・北野建築研究所、1999年) 撮影:五十嵐太郎
KABUTO ONE 超大型ディスプレイ「The HEART」(コンテンツデザイン:齋藤精一 / アブストラクトエンジン)+ハードウェアデザイン:NOIZ、総合プロデュース:電通ライブ、2021年) 撮影:五十嵐太郎
さらに本展では、取り上げる建築も多岐にわたります。
日本銀行本店本館(1896年竣工)や三井本館(1929年竣工)といった古典主義建築だけでなく、日本橋界隈には、厳格な古典主義とは異なる光世証券兜町ビル(1998年竣工)や、中世風の佇まいをもつ丸石ビルディング(1931年竣工)なども現存し、さらにはいわゆる看板建築、ポストモダン建築、都市のレガシーを引き継いだリノベーション建築、そしてインテリアまで、幅広い建築装飾に注目した展示構成となっています(展示デザイン:analogue)。
四川担々麺 赤い鯨 人形町店 撮影:五十嵐太郎
キャナルタワーの階段(設計:竹山実建築綜合研究所、1989年) 撮影:五十嵐太郎
武田グローバル本社 内観(空間クリエイティブディレクション:佐藤可士和、インテリアデザイン総合監修・インテリアデザイン:SAMURAI、2018年・2023年) 撮影:太田拓実
会期中、ゲストを招いてのトークイベントも開催予定です(日時など詳細が決まり次第、髙島屋史料館TOKYOウェブサイトにて発表)。
展示デザインはanalogueが担当 Photo: TEAM TECTURE MAG
analogueは「1.古典主義の系譜」から「6.21世紀のデザイン」まで、6つのカテゴリーごとにビルを模した箱型の什器を製作、それぞれ紹介している建物から建築的要素をモチーフとして抽出して”装飾”している Photo: TEAM TECTURE MAG
「展示パネルをただ並べるのではなく、立体的に展開し密度の高い建築空間にしたい」という主催者の意向を受けた展示デザイン Photo: TEAM TECTURE MAG
2021年に日本橋兜町〈KABUTO ONE〉1Fに登場した超大型LEDディスプレイ「The HEART」の展示では、掲示されたQRコード®︎をスマートフォンなどのカメラ付き携帯端末で読み込むと、画面上に4面4分割回転式キューブのデモンストレーションが表示される(データ製作:noiz)
天井付近の立体造形物は、首都高速道路を模したもの Photo: TEAM TECTURE MAG
会場出入り口付近で無料配布しているスタンプラリーのペーパー(イラスト:宮沢 洋 / BUNGA NET)
本館4F 会場入り口 Photo: TEAM TECTURE MAG
会場:高島屋史料館TOKYO 4階展示室 (東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋S.C.本館)
会期:2024年9月14日(土)〜2025年2月24日(月・休)
休館日:月・火曜(祝日の場合は開館)、年末年始12月30日(月)〜2025年1月2日(木)
開館時間:10:30-19:30
入館料:無料
主催:髙島屋史料館TOKYO
監修:五十嵐太郎(東北大学大学院教授)
協力:菅野裕子(横浜国立大学大学院特別研究教員)
グラフィックデザイン:UMA /design farm(原田祐馬、岸木麻理子)
展示デザイン:analogue(大熊敏佳、佐々木一憲、村越 怜)
スランプラリーイラスト:宮沢 洋(BUNGA NET)※前回の展示でハンドアウトとして配布され、好評を博した『日本橋建築MAP』がバージョンアップ、「日本橋髙島屋S.C.装飾スタンプラリー」の要素を入れて発行・配布される
トークイベント(日時未定)
各回ゲスト:佐藤可士和(SAMURAI主宰、クリエイティブディレクター)、菅野裕子(本展執筆協力)、宮沢 洋(BUNGA NET代表兼編集長、本展スタンプラリーイラスト画)
ホスト:五十嵐太郎(本展監修)
イベント案内ページ
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/seminar/
髙島屋史料館TOKYO ウェブサイト
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/