東京を舞台に、デザイン・アート・インテリア・ファッションが交差する日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2025」が10月31日より開催されています。会期は11月9日までの10日間(一部の会場は展示期間が異なる)。
9回目となる今年のテーマは「Brave -本能美の追求-」。このBrabe(ブレイブ)のもと、国内外で活躍する建築家、デザイナー、アーティストらが作品を発表。メーカーやブランドなどとも協働し、今の時代に求められる創造のかたちを提示しています。

渋谷会場に掲示されたメッセージ
今年も「DESIGNART TOKYO」のメディアパートナーを務める『TECTURE MAG』は、”ブレイブ”を象徴する公式エキシビジョンと、都心に点在する会場数カ所を取材、本イベントをレポートします(特記なき会場写真は全て TEAM TECTURE MAG 撮影)。

渋谷・公園通り沿い(パルコ隣)にある公式エキシビジョン会場[MEDIA DEPARTMENT TOKYO]
[MEDIA DEPARTMENT TOKYO]1階と2階の各展示に合わせた空間演出を、ベティ・ング、チ・ヤン・チャン、フアン・ミンゲスの3氏がユニットを組み、香港を拠点に活動中の建築設計事務所でデザインスタジオのCOLLECTIVE(コレクティヴ)が担当しています。
COLLECTIVE 主な作品とプロフィール
左:〈83 キング・ラム・ストリート〉
中央:香港 M+「Things, Spaces, Interactions」展示空間(2021)
右:COLLECTIVE 近影(右からベティ・ング、チ・ヤン・チャン、フアン・ミンゲス)©Kevin Mak2015年設立。香港を拠点に建築・インテリアデザイン・エキシビションデザインを専門に国際的に活躍する建築設計事務所。創設者のベティ・ングに加え、レム・コールハース率いるOMAとヘルツォーク&ド・ムーロンの事務所で上級職を務めた経歴を持つディレクターらをチームに迎え、ロンドン、マドリード、パースにもチームメンバーを擁する。アジアに根ざしながら、多様なチームメンバーが有する経験やグローバルな視点、異なる分野のパートナーとの協業などを通じて、常識に挑み、革新を追求することで、各プロジェクトは厳格なプロセスを経て、従来のスタイルを超越した空間を創造している
https://www.collective-studio.co/
渋谷「DESIGNART GALLERY」 ▷▷▷ 読む
1階 大京×永山祐子「Reration Wall 〜隔てる壁から、つながる壁〜」
1階 LIXIL「無為に斑 -空間構成要素の再構築-」
1階 パルクールアスリート・ZEN「Urban Equivalence―都市等価論」
2階 PICK-UP!
3階 PICK-UP!
表参道・青山 ▷▷▷ 読む
TOYOTA 構造デザインスタジオ「クルマの記憶Ⅱ:素材の変容と情景」※11月3日終了
TIERS GALLERY
Nomadic「BUY METHOD, KEEP BECOMING」
Time & Style Exhibition
Cosentino × ジェームス 薫 ビューリー「PIECE OF REST」
高本夏実「兆し – From Error to Mirror」
ITOKI DESIGN HOUSE AOYAMA「The STAGE by NII」※11月28日まで
六本木 ▷▷▷ 読む
アクシスビル
GRANDIR+小阪雄造、田中悠史、市川善幾、萩谷綾香、佐藤洋美「時構の間|SEN-AN」
siro exhibition 02「は、回る」
アンビエンテックは今秋発売する新作照明〈Barcarolle〉を展示
JIDAデザインギャラリー「Discarded, Discovered -捨てられたあとに、始まること-」
東京ミッドタウン ※11月5日終了
RANGE ROVER SV Bespoke with KDa
東京ミッドタウン館内では若手クリエイター3組が出展
銀座 ▷▷▷ 読む
NIESSING × 中村竜治「ジュエリーとホース」
日比谷オクロジ ▷▷▷ 読む
モビールブランド・tempoがDESIGNART初出展
渋谷「DESIGNART GALLERY」会場の1階では、大京とLIXILによる展示と、パルクールアスリート・ZENによる日本初公開の写真展を開催。そしてインフォメーションカウンターが置かれています。
このうち、人々の住まいと結びつきが深い大京とLIXILは、住まいを構成する壁と天井などに関する新しい提案をそれぞれ行なっています。
2年ぶりの出展となる大京は、建築家の永山祐子氏をコラボレーターに迎えて共同開発した「Relation Wall 〜隔てる壁から、つながる壁〜」を発表。

大京×永山祐子「Reration Wall 〜隔てる壁から、つながる壁〜」
同社は2023年4月に分譲マンションブランド(ライオンズマンション)を「THE LIONS」にリブランド、「「人生には価値がある」を新たなブランドステートメントとして掲げ、人生の価値を高めるような住まいのあり方の追求を続けています。同年秋には「DESIGNART TOKYO 2023」にてコンセプト展示を行ないました(noizの豊田圭介氏らをクリエイターに迎えた「THE LIONS JOURNEY 未知をゆくレジデンス」展示風景・会場レポートはこちら)。
今回の展示では、2030年の実装を見据えた具体的な空間提案で、プロダクトの設計を、建築家の永山祐子氏が手掛けました。大京が社内で行ったディスカッションの内容を踏まえて開発された、直径30cmの円形グリッドを天井に展開することでスムーズに動く間仕切り壁です。

「Reration Wall」見上げ
円形グリッドのアールのラインに沿ったレール上でパーティションを動かすことができる(会場はリモートで稼働)。その動きは極めてスムーズ。今後は全てのアール上で動かせるシステムの開発や、アプリ性能や遮音性などを高めていく計画とのこと

「Reration Wall」展示解説 特設サイトはこちら

大京×永山祐子「Reration Wall」
「オフィス空間ではこういったシステムが既存であり、比較的自由なプランが可能ですが、住空間で考えたとき、天井にはまだまだ開発の余地がある。天井にシステムを組み込むことによって、壁を自由に動かすことが可能になる。今回のプロトタイプは、日本の障子をイメージした、向こう側が助けて見える柔らかなパーティションとなってます。ぶ厚い壁で空間を隔てるのではなく、プライベートとパブリックの空間を自在に分けることによって、外部から人を招く、あるいは入りたくなる、そんな空間を提案したかった。住宅を媒体に、家族との関係性、そして社会との関係性も拡張していく。そんな役割を持った壁になってほしいと願いながら、この「Reration Wall」を設計しました。(永山祐子氏コメント)
LIXILはインハウスデザイナーによる提案展示。テーマの「無為(MUI)と斑(MURA)」は造語で、プレスカンファレンスでの説明によれば「無為(MUI)とは、作為を排した自然体を意味し、そこに、多様性やゆらぎ、個性の象徴としての斑(MURA)を加えることによって、素材の新しい役割や新たな価値の像が結べないだろうかという提案」を、床・天井・壁がテーマの3つのインスタレーションによって提示しています(詳細は同社プレスリリースを参照)。素材はすべてリサイクルアルミや再生樹脂など循環型素材が使用されているのも特徴です。

LIXIL「無為に斑」床のインスタレーション
「家具のような床であったり、こういう天井、こういう壁があってもいいかもしれないと、みなさんに感じ取ってもらえる1つのきっかけになれば」(LIXIL インハウスデザイナー 脇坂氏談)

LIXIL「無為に斑」天井のインスタレーション

LIXIL「無為に斑」壁のインスタレーション
循環型低炭素アルミ(PremiAL)を用いた押出材(1種)による骨組み構造
エスカレーターまわりでは、パルクールアスリートのZEN氏による国内初の写真展を開催。

展示解説を行うZEN氏
パルクールとは、フランス発祥の”走る・跳ぶ・登る”といった動作で心身を鍛える運動方法(参照元:日本パルクール協会ウェブサイト / パルクール概要より)で、活動歴20年近くにおよぶZEN氏の言葉を借りれば「体1つを使って、周囲の環境にあるあらゆるものを通して自分の精神と心を鍛えるトレーニングであり文化」とのこと。近年では、身体表現の枠を超えて、パルクールを通してそこから見える風景のビジュアル化にも取り組んでおり、今年のDESIGNARTのキービジュアルにも採用された写真を含め、バンコク、パリに続く新シリーズとして、アメリカ・ロサンゼルスで制作された写真作品18作品が展示されています(今回がを日本初公開)。

ZEN「Urban Equivalence―都市等価論」

ZEN「Urban Equivalence―都市等価論」
メッセージ
都市は人間がつくるものだ。
しかし同時に、都市は人間を作り替える。
整えられた街並みや制度は快適さを与える一方で、身体や認知の即興性を鈍らせ意識を均質化していく。
身体を通した私の実践はその矛盾に抗う試みでもある。
都市や建築が持つ既存の役割や意味を解体し、物体と自己の関係を等価に置き換える行為だ。
都市をただの背景や機能としてではなく捉え直すこと。
それは都市と人間の関係そのものを問い直すことでもある。
「安定」という無機的な幻想を揺るがし、その揺らぎのなかで都市と人は、互いに生を映し合う。
2階と3階は、国内外の企業やブランド、デザイナーらによる、素材やテクノロジーの可能性を探る実験的な展示が中心です。(以下の会場写真の並びは、エスカレータでフロアに到着後、およそ反時計回りの順)。

デザイン事務所・siwaza所属のデザイナー2氏による作品展示。手前のソファなどはつくりたいかたちをデザインする従来とは逆の、生地の糸から開発してかたちを決めていくというプロセスを踏んでつくられている(詳細はこちら)

手前:Paper Paradeによる、役目を終えた屋外広告の素材を再生成するプロジェクトの展示(詳細はこちら)

占部将吾氏と西島 要氏による建築家ユニット・U×N Architects (ユーバイエヌアーキテクツ)とひわだや(山口県)とのコラボ展示(詳細はこちら)

デザイナーの板坂 諭氏は、宮崎県の企業とタッグを組み、樹齢100年を超える杉を用いてデザイした家具などを通して日本の林業の危機的な衰退について問題提起を行なっている(「Still Growing」の詳細はこちら)

板坂氏によれば、適切な伐採など管理が行き届かなくなった山林では大木が入手しやすくなっているという。木材としては柔らかく、用途が限定されていたい杉も、樹齢100年もの大木ともなれば耐候性や強度も増すことがわかり、キャンチレバーによる構造的チャレンジを行なって家具をデザインした

デザインオフィス・WDの渡辺佑介氏は、「はたしてAIはデザイナーの職を奪うような存在なのか」あるいは「デザイナーとともに創造行為を行うことができるのか」という命題のもと、自身の造形的特徴をAIに学習させ、ともに新たな表現に挑戦する社会実験プロジェクト「UNTITLED IMAGE CLUB」の作品を発表(詳細は会場配布の冊子が詳しい)

左右とも:台北とロンドンを拠点に活動するマルチディシプリナリー3Dデザイナーでディレクターのユジン・リンによる、日本初個展「東京ニンフ (若虫) 」 presented by CONTRAST 詳細はこちら
2階フロア北側半分は暗転、表現に光の要素が入ったプロダクトが中心。仮設の壁の仕上げは次に紹介するアップサイクルマテリアル「.Garbon(ガーボン)」が採用されている。

Garbage breakthrough=ゴミ問題の打開策を主なテーマに社会課題の解決に取り組むスタートアップ、.Gabu(代表 山内萌斗氏)による展示は、プラスチックや食物残渣、洋服といった焼却される有機系廃棄物を、同社独自の炭化技術によって炭の粉に変換させ、本展で見られる人工皮革などの“選べる素材(再資源)”へと生まれ変わらせる、新循環ソリューション「.Garbon(ガーボン)」のプレゼンテーション(アートワークを担当したIIISU / イイイスの熊谷 嵐氏との対談はこちら)

オーストラリア人アーティスト、サラ・トラクトン(Sarah Tracton)による磁器製ウォールライトの展示(詳細はこちら)

昨年に続くメインエキシビジョン出展のTokio.は、ガラスと真鍮で再構築されたUebuスカルプチャーを発表(詳細はこちら)

今年のサローネサテリテアワードで最優秀賞を受賞したデザイナーの長澤一樹氏(SUPER RAT)の展示(詳細はこちら)
こちらのエリアでは、最新の3Dプリンタ技術による三者三様の展示(以下)があり、いずれも必見です。

ZKI designによる展示「SUI GEN」は、瀧のように流れ落ちる水をイメージして美しく積層された背もたれの背面が目を惹く(詳細はこちら)

三菱電機 統合デザイン研究所の展示は、金型や切削加工を必要としない金属3Dプリンタの高い成形技術を示す(画は錠前と鍵のプロトタイプ、出力履歴が記録されることで安全面が二重に担保される)

三菱電機 統合デザイン研究所によるインスタレーション展示

デザインブランド「130(OneThirty)」は、3Dプリント=積層のイメージを覆すプロダクトを展示(本出展に関するプレスリリースはこちら)。素材は再生PETをもとにし、軽量かつ高強度。プロダクト使用後や破損した際には解体・粉砕して再び造形することが可能

100%再生可能な樹脂を、建築の柱と梁の関係のように連続成形し、格子状の立体を出力する巨大な3Dプリンタも相当な大きさとのこと

会場では、太陽に見立てた放射格子ランプのもと、寝椅子に身を預ける体験が可能
3階の会場写真は時計回りに巡って紹介します。

高岡の鋳物会社 平和合金とコンテンポラリーデザインスタジオ we+(ウィープラス)とのコラボで誕生したコレクション「Unseen Objects」(詳細はこちら)

BLA STATION with ACTUS(詳細はこちら)

フランスにおけるアップサイクルプロジェクトの先駆者であるクレール・ルナール(Claire Renard)とジャン=セバスチャン・ブラン(Jean-Sébastien Blanc)が2025年パリ・デザイン・ウィークで披露した、再生椅子を用いたインスタレーション「577脚の椅子:市民のための円形議場」の一部再現展示(詳細はこちら)

Gala Espel「Semis – 紙から生命へ」(詳細はこちら)

パリを拠点とするデザイナーでクリエイティヴディレクターのマチルド・ブレティヨ氏のディレクションによるプロダクト展示「素材のシンフォニー」(詳細はこちら)

乃村工藝社 noon by material record × &SPACE PROJECT「|DEBRIS」は、宇宙に打ち上げられるロケットの廃材をスピーカーにアップサイクル(詳細はこちら)

ロッテルダムを拠点とするデザインデュオ、ルイ・マリー(Luis Marie)「タッチング・グラウンド 東京エディション」(詳細はこちら)

トークセッション会場 / 右側:窓の飛散防止用ダイヤ柄グリッドを譜面に見立て、AYA KAWABATA氏が新作を披露(詳細はこちら)

VUILDによる移動式茶室「Cuzen 茶会」by Cuzen Matcha(詳細はこちら)
11月3日で終了していますが、表参道のギャラリースペース・seeen(安藤忠雄建築)の1階・地階で開催された、トヨタ自動車(以下、TOYOTA)構造デザインスタジオによる企画展示「クルマの記憶II:素材の変容と情景」は白眉といえる内容でした。

本展キービジュアル(左)と、自社処分場から運ばれた車1台分の廃材(プロローグ展示)/ 本展の詳細はこちら
TOYOTA 構造デザインスタジオでは、昨年も同会場にて企画展示「クルマの記憶:ガラスによる素材の変容と情景」を行っており、今回も「ファクトを知ってもらうこと」を第一の目的に掲げています。そのファクトとはなにか? 同スタジオを主宰する大學孝一氏の説明によると、TOYOTAの自動車年間台数は1,000万台、言い換えれば、将来的に1,000万台の廃車を生む、世界せ最も廃材を出している自動車メーカーでもあるということ。自社の処分施設(豊田トヨタメタル)に持ち込まれるのは全体の0.1%、1万台に限られ、そのほかは、キービジュアルの画(撮影は大學氏)のように、山中に不法投棄されてしまう可能性もあるのです。また、回収されたガラスも「思っていたほどリサイクルされていない」と言います。
本展を構成する素材は、フロントガラスなど廃車から回収されたものが中心です。まず1階の展示では、TOYOTAのプリウス1台をつくるために求められる金属の種類とその量、精製にエネルギーを要することなどをわかりやすく伝え、地下の空間にて、廃ガラスを用いた音と光のインスタレーションを展開しています(会場デザイン:吉泉 聡 / TAKT PROJECT)。

「クルマの記憶II:素材の変容と情景」1階 展示風景

モビールの一方には、車に使われる主な7金属(鉄、アルミ、銅、チタン、マグネシウム、銀、金)の原石が、反対側には精製金属でつくられた車のパーツが吊られている

右:ガラス球に封じられたマテリアルは上記金属を高温で沸騰されたもの、地球から掘り出される原石が秘めたエネルギーを表現している

「クルマの記憶II:素材の変容と情景」地階 展示風景

「クルマの記憶II:素材の変容と情景」地階 展示風景(本展に関する同社プレスリリースはこちら)
※注.TOYOTAの展示は11月3日で終了
荒川技研工業が運営するギャラリースペース・TIERS GALLERYでは、昨年同様に、若手クリエイター4組の作品を展示しています(詳細はこちら)。

TIERS GALLERY by arakawagrip
骨董通りにあるリノベル。の本社地下にあるスペース[b1.]では、2023年に活動を開始したデザインコレクティブ・Nomadicが作品を展示。本展ではメンバーのうち、笠松祥平、品川 及、福島拓真の3氏が出展。

Nomadic「BUY METHOD, KEEP BECOMING」展示風景
開発した不定形でも梱包しやすいパッケージの特徴を伝える

梱包の様子(展示されている3氏の作品は、この梱包で宅配業者に受理され、地方の展示会場に発送されている)
タイムアンドスタイルの青山拠点・Time & Style Atmosphereでは、日本建築の伝統技法である継ぎ手を柱材に組み込んだインスタレーションとともに、新作プロダクトを展示しています(会期は11月23日まで)

Time & Style Atmosphere 1階 展示風景(詳細はこちら)

Time & Style Atmosphere 2階 展示風景
3階では、タイムアンドスタイルとは親交が深い、スウェーデンのデザインユニット・CKR(Claesson Koivisto Rune)が、先ごろ閉幕した大阪・関西万博における展示のために、同国を代表するガラス工房・Orreforsと協働してつくりあげたガラスの花器〈Black Hole Vase〉が特別に展示されています。このあと、優れたガラス工芸品としてスウェーデン国立美術館に収蔵されるため、日本国内で見ることができる貴重な機会となります。

CKR × Orrefors〈Black Hole Vase〉
南青山にあるスペインの建材メーカー・Cosentino(コセンチーノ)のショールームでは、 プロダクトデザイナーのジェームス 薫 ビューリー氏(JAMES BURY DESIGN OFFICE主宰)とタッグを組み、大判タイルの施工過程でどうしても出てしまう端材などの廃材に新たな可能性を見出す展示が行われています。

Cosentino (コセンティーノ)建材の廃材

Cosentino × ジェームス 薫 ビューリー「PIECE OF REST」

Cosentino × ジェームス 薫 ビューリー「PIECE OF REST」(詳細はこちら)

高本夏実「兆し – From Error to Mirror」
会場はsync,incのオフィス内ギャラリー[sync public]

シリーズとして発表された本作品群は、作家曰く「偶然の失敗から立ち現れた」家具でありアートピース(詳細はこちら)
ITOKIが今秋オープンした[ITOKI DESIGN HOUSE AOYAMA]では、同社が今年6月の「オルガテック東京」で発表した新たなオフィスファニチャーブランド「NII(ニー)」のプロダクトが期間限定で展示されています(11月28日まで。同ブランドに関するITOKIのプレスリリースはこちら)。

ITOKI DESIGN HOUSE AOYAMA「The STAGE by NII」(詳細はこちら)
「NII」は「Ingenious design -創意創発するデザイン」をコンセプトに、オフィスを魅力的で活気ある舞台へと昇華させるファニチャーブランドです。ミケーレ・デ・ルッキ率いる建築スタジオ・AMDL CIRCLE(エーエムディーエル・サークル)、ニューヨークを拠点に活動するトッド・ブレイチャー(Todd Bracher)、ロドルフォ・アグレラ(Rodolfo Agrella)、相崎 準 /Crème(クレム)が参画した革新的なデザインのコレクションとなっています。

ITOKI DESIGN HOUSE AOYAMA「The STAGE by NII」

ITOKI DESIGN HOUSE AOYAMA「The STAGE by NII」
六本木アクシスビルでは、地下のイベントスペースとテナントのブランドによる展示が行われています。
地階[B111]での展示。内装施工会社のGRANDIR(グランディール)と、乃村工藝社ほかに所属する外部のデザイナーとタッグを組み、 軽量鉄骨:LGSを用いたモバイル型茶室を、「時構の間|SEN-AN」と題したインスタレーションとあわせて提案しています。

GRANDIR+小阪雄造、田中悠史、市川善幾、萩谷綾香、佐藤洋美「時構の間|SEN-AN」(詳細はこちら)

「時構の間|SEN-AN」LGS製モバイル茶室 内観

「時構の間|SEN-AN」展示風景

siro exhibition 02「は、回る」(詳細はこちら)
今年5月にアクシスビル2階にオープンした[Ambientec Gallery Tokyo]では、今春にミラノで披露され、今秋新たにコレクションに加わる新作のポータブルランプ〈Barcarolle(バルカローナ)〉の披露を中心としたイベントを開催中です(10月24日〜11月16日)。

アンビエンテック〈Barcarolle(バルカロール)〉 画像提供:アンビエンテック

〈Barcarolle〉のデザインは、〈Cachalot(カシャロ〉のデザインを手がけた松山祥樹氏が担当
公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)がアクシスビル4階で運営するショーケースでは、JIDA会員の塩月卓也氏による展示「Discarded, Discovered -捨てられたあとに、始まること-」を開催(JIDAによるイベント案内はこちら)。

JIDAデザインギャラリー「Discarded, Discovered -捨てられたあとに、始まること-」展示風景
下記・東京ミッドタウンでの展示は、今年から刷新された秋のイベント「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」の会期にあわせ、11月5日で終了しています。
東京ミッドタウン キャノピー・スクエアにて、英国の自動車メーカー・レンジローバー社のフラッグシップモデルと、クラインダイサムアーキテクツ(Klein Dytham architecture: KDa)によるクリエイティブなコラボレーションが始動。1年後の”SVビスポーク・エディション”発表を予告する展示イベントが11月5日まで行われました。

「RANGE ROVER SV Bespoke with Klein Dytham architecture」(11月5日終了。詳細はこちら)

左:富山 聖「KENMUM」/ 中央:閃(SEN)「within the neighborhood」/ 右:Forman+Ryoga Osada「1+1+1)=18」
東京ミッドタウンによるイベント案内ページはこちら
創業150年を誇るドイツのモダンジュエラー・NIESSING(ニーシング)は、建築家の中村竜治氏とコラボレーション。
昨年はデザインユニットのKIGI、2023年は深地宏昌氏、そして2013年まで遡ると建築家の中山英之氏とタッグを組んで出展したニーシングは、銀座店では初のDESIGNART参加となります。いずれの展示も、同社が受け継いだ「バウハウス」のデザイン理念が一貫したテーマとして展示の根底に流れているとのこと。

中村竜治作品を展示中のNIESSING銀座店 外観

中村竜治作品を展示中のNIESSING銀座店 内観
店の外と中に展開中の中村竜治作品は〈ホース〉。一見するとありれた散水ホースですが、内部に樹脂を流し込んで硬化させたものです(詳細はこちら)。
NIESSING × RYUJI NAKAMURA「ジュエリーとホース」
ホースの弾力と重力の釣り合いが偶然に生み出す何気ない曲線を、カメラが一瞬を切り取るように固定化しています。そこには、偶然と必然、一瞬と永遠、一点物と量産品、重力と反重力、機能と装飾、創造と模範、日常と芸術といった、一見相反する概念が同時に現れます。こうした曲線をNIESSINGのジュエリーが展示される空間にそっと紛れ込ませることで、バウハウスの思想から大きな影響を受けたNIESSINGのデザインをあらためて見つめ直し、その理解を深めるきっかけを作れればと考えています。(中村竜治 / DESIGNART TOKYO プレスリリースより)NIESSING × RYUJI NAKAMURA「ジュエリーとホース」 提供:DESIGNARTTOKYO

NIESSING × RYUJI NAKAMURA「ジュエリーとホース」展示風景

NIESSING × RYUJI NAKAMURA「ジュエリーとホース」展示風景
作品〈ホース〉は、2022年に銀座・資生堂ギャラリーで開催された企画展「第八次椿会 このあたらしい世界 2nd SEASON “QUEST”」で披露されたもので、本展示はNIESSING銀座店の空間にあわせて制作された新作となる
昨年、新進のデザインラボ・HONOKA(ホノカ)が展示を行った会場[H05]では、モビールブランド・tempo(テンポ)がDESIGNARTに初出展(詳細はこちら)。
同ブランドのアートディレクションを担当しているDRILL DESIGN(林 裕輔+安西葉子)による新作モービル〈cloud〉と、ロンドンで建築を学び現在は英国ほか内外で活躍する台湾出身のデザイナー・YANG HEN CHEN氏が手がけた初のモビール〈wave motion〉のプロトタイプが発表されました。

オクロジの通路からさらに奥へ奥へと人々を誘うよう企図された会場
展覧会デザイン:YANG HEN CHEN|アートディレクション:DRILL DESIGN|協力:デエク|主催:mother tool(tempo)

DRILL DEIGN〈cloud〉プロトタイプ

YANG HEN CHEN〈wave motion〉プロトタイプ

会場では今年12周年を迎えるtempoのこれまでのプロダクトも展示されている(構成:mother tool+DRILL DESIGN)
会期:2025年10月31日(金)~11月9日(日)※一部会場で異なる
開場時間:公式ウェブサイト各出展情報を参照
エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・銀座・東京
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)、川上シュン(artless)、小池博史(NON-GRID)、永田宙郷(TIMELESS)、アストリッド・クライン&マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture: KDa)
公式ウェブサイト:https://www.designart.jp/designarttokyo2025/
公式Instagram:instagram.com/DESIGNART_TOKYO
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