日本有数のタイル産地として名高い、岐阜県の多治見。
そこで立ち上がった新しいブランド「TAJIMI CUSTOM TILES」のグローバルローンチが、2020年10月に東京・神宮前のギャラリー Mahalで開催された。
今回発表されたのは、世界的に活躍するデザイナーであるマックス・ラム(イギリス)とイ・カンホ(韓国)を迎えて制作された、実験的なインスタレーション作品。
まずは「タイルでこんなことができるのか!」という驚きを動画と写真から感じていただきたい。
このインスタレーションを準備し発表した意図を、TAJIMI CUSTOM TILESを立ち上げたエクシィズの笠井政志氏と、クリエイティブ・ディレクターであるDavid Glaettli(ダヴィッド・グレットリ)に語っていただいた。
Movie & Photographs: toha
TAJIMI CUSTOM TILES が提案するのは「ビスポーク・タイル」。
丁寧な対話や上質の素材、高い技術で仕立てる洋服づくりのように、きめ細やかなコミュニケーションと多治見の技を集結して、オリジナルのサイズ、形、色、質感のフルカスタムタイルを制作するという。
その考え方を体現したのが、今回のインスタレーション作品となる。
マックス・ラムとイ・カンホは2018年に多治見に滞在し、素材をリサーチし数々のメーカーを訪問。
タイルの制作プロセスや特性を理解したうえで、新しいタイルのアイデアを職人とともに実現した。
マックス・ラムは、4つの形状からなる立体的なタイルをデザイン。
タイルをパズルのように組み合わせることで、チェア、ローテーブル、ベンチ、フラワーベース、パーティションといった、さまざまなバリエーションのアイテムを生み出した。
1つ1つのタイルの立体的な形状は、鋳込成形により実現。
深い奥行きを持つ色味は、特殊な釉薬を使用することで表現した。
イ・カンホは、ループをかたどったモジュールをデザイン。
モジュールの向きや長さを変えたり、並べたり積んだりすることで、壁やベンチなど、さまざまな展開が可能となる。
ループをかたどった形状は、多治見の押出成形技術により実現。
ループ模様が連続すると、ニット生地に似た、豊かな表情が現れる。
TAJIMI CUSTOM TILES の笠井政志氏(左)と、クリエイティブ・ディレクターであるダヴィッド・グレットリ氏(右)。
「多治見にしかできないことを、世界に発信したい」と語る2人は、これからもタイルの未来を切り拓く活動を展開するという。
デザイナーと協働しながら生み出される新しいタイルの姿に、さらなる期待がふくらむ。
(jk)
TAJIMI CUSTOM TILES 公式サイト
https://tajimicustomtiles.jp
TAJIMI CUSTOM TILES Instagram
https://www.instagram.com/tajimicustomtiles/