竹建築の特徴
竹は非常に丈夫で用途が広く、近年では環境負荷の少ないヴァナキュラーな天然建材として世界で注目されています。
ここでは竹の特性や、竹を活用した海外のプロジェクトを紹介します。
成長の早さ
竹は他のどの植物や木よりも成長が早く、1日あたり約1m成長する竹もありギネスブックにも認定されているほどです。
一般的な林業において木を収穫するまで60年かかるのに対し、竹は4〜5年経つと収穫できるようになり、毎年新しい茎が伸びてくるので、生産林からは毎年20〜25%程度の成熟した竹が収穫されます。そのため早くからの現金化も可能であり、事業としても安定しやすいとも言えます。
竹林のCO2削減効果
さらに竹は、劣化した土地での森林再生にも使われます。竹はその成長の早さから、劣化した土地の浸食を食い止め、生物の多様性を回復させるための植物としても適しています。
世界中に竹林は4000万haにもなるとされ、中国だけでもすでに700万ha以上あり、毎年森林再生によって拡大されています。
また、竹林はCO2削減効果も高く、劣化した草地を竹で再生した場合、1ヘクタールあたり1000トン以上のCO2削減効果があるとされています。
強度と汎用性
竹には1600種を超えるさまざまな種類があり、世界中の温暖な気候の地域に自生していて、歴史的にもさまざまな土地で建築資材としてだけでなく、楽器や家具などの原材料として利用されてきました。
建築資材としての活用方法にも、構造材として使うだけでなく、外装材や内装材にも使われているほど汎用性が高い建材です。
また、熟練した建築家は竹の軽さと柔軟性を利用して、幻想的な空間をつくり出します。
竹がつくり出す空間
ここではこれまで見てきた特性を活かしたさまざまな竹建築を紹介します。
バンブースポーツホール / チェンマイライフアーキテクツ
プレファブ竹トラスが実現する大空間
https://mag.tecture.jp/culture/20220315-bamboo-sports-hall/
アナンダロイ / スタジオ・アンナ・ヘリンガー
泥と竹でつくるヴァナキュラーな建築
https://mag.tecture.jp/culture/20220318-anandaloy/
バンブー・ツリーハウス・ビレッジ / アトリエノマディック
エコリゾートの竹製ツリーハウス
https://mag.tecture.jp/culture/20220323-playa-viva/
ウェルカムセンター / VTNアーキテクツ
42,000の竹が編むやわらかな大空間
https://mag.tecture.jp/culture/20220404-welcome-center-grand-world-phu-quoc/
ザ・アーク / IBUKU
竹でつくるトラスいらずの大空間
https://mag.tecture.jp/culture/20220412-the-arc-at-green-school-bali/
さまざまな活用方法が進む竹でつくられた建築に、これからも注目していきたいですね!(tt)