イトーキから、木の温もりが実感できる新素材を活用した大型テーブル〈silta(シルタ)〉が12月6日に発売されました。
第3の天然木表面材「厚突単板」を新開発
従来の天然素材のテーブル天板では、無垢材か突板貼りの選択肢しかなかったところ、イトーキでは、繊細に貼り合わされた3mm厚の天然木素材を用いることで、新たに「厚突単板」を開発。無垢材に近い風合いや重厚感、木の温かみなどを感じられる厚さでありながら、加工のしやすさも実現。従来品の素材の欠点を克服しています。
無垢材は、木の素材感やその魅力を100%感じられる材ではあるものの、ロングスパンのテーブルに用いるには、サイズ、精度や耐久性の面で難があり、値段も高価に。〈silta〉は、これらの問題を解決するものとして開発されました。
「橋」をイメージしたデザイン
イトーキでは、独自のオフィス家具設計技術を元に、ペーパーハニカムパネルとアルミ押出材を天板内に収納し、軽量化と強度の確保を実現。ロングスパンで中間脚やビームを6m幅まで必要とせず、自重たわみを5mm以下に抑えた構造を実現しています。
見た目にもスッキリした造形となり、オフィスのシンボルとして据えてもふさわしい存在感もあります。強度と美しさを兼ね備えたスチール製の脚は、陸と陸を繋げる橋梁をイメージしたデザイン。そこで働く人々同士がつながっていくことを表現しています。
国産のクリ材を採用
〈silta〉の天板は50mm。通常用いられる突板の約10倍の厚さで、材は国産のクリ材です。
エッジには、国産のクリの原木から切り出した「耳(みみ)」と呼ばれる部分をそのまま採用。クリ原木から取り出した年輪が残る「年輪エッジ」も見られます。
従来はチップにされることが多かった丸太の外周部分を、〈silta〉では「ライブエッジ」として意匠に活用。2つとして同じかたちのない、個性を放ちます。
イトーキではこれまで、2010年代より、国産材活用の取り組みとして「Econifa」ブランド[*1]を展開し、全国の森林、林業関係者とともに、国産材を活用したオフィス家具の可能性を追求してきたとのこと(プレスリリース)。コロナ禍で働き方が多様化するなか、オフィスもまた、効率重視から、ワーカーの心身のコンディションや、ライフスタイルに目を向けた「Well-being(ウェルビーイング)」志向へと変化しています。
イトーキではこれまでに培ってきた知見をもとに「木が人に与える効果」に着目し、オフィス内で自然と人が集まりコミュニケーションを誘発するシンボリックなアイテムとして〈silta〉を開発しました。
*1.Econifa
日本の国土の約7割を占める森林の木を洗練されたデザインテンプレートに適用して活用し、もりによるCO₂吸収量の増加と、まちでの木材利用によるCO₂固定量の増加に貢献し、木材による上質な循環型社会の実現を目指す
https://www.itoki.jp/solution/eco/econifa/
また、イトーキでは、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所および東京大学大学院農学生命科学研究科との共同研究により、オフィスにおける木製家具がオフィスワーカーに与える効果の実証実験を行っています。
実験では、実際のオフィス空間で、クリ厚突単板・木目メラミン・白色メラミンと、材質の異なる3種の大型天板テーブルを使用。それぞれの天板使用時におけるワーカーの集中力や発想力、生理・心理面に及ぼす影響について検証しました。
実証データからは、クリ厚突単板テーブルを使用した際が最も集中力・発想力が向上し、ストレスや不安感が抑えられるデータが得られ、オフィス空間における木製家具の使用がオフィスワーカーに良い効果をもたらすという結論に至ったとのこと[*2]。
〈silta〉は、この検証をもとに、木の効果を最大限に活かしたテーブルとして開発されました。
イトーキでは〈silta〉の製造にあたり、東北地方の森林産地、木材市場、木材加工、研究機関との協働により、継続的で高品質な材料の循環を実現しているとのこと。これにより、安定した価格・品質を維持するとともに、国産材の活用にも貢献、カーボンニュートラルの促進に寄与する計画です。(en)
製品名:silta(シルタ)
仕様:天板:厚突単板、メラミン5色 / 脚:スチール塗装仕上 / 机上コンセント:スチール塗装仕上
価格:オープン価格
詳細
https://www.itoki.jp/products/table/silta/