COMPETITION & EVENT

【審査結果】「AICA 施工例コンテスト 2023」

tyfa/Takaaki Fuji + Yuko Fuji Architecture・Areano Inc.が設計した〈巡る間〉が最優秀賞を受賞

アイカ工業が主催する「AICA 施工例コンテスト 2023」の審査結果が12月22日に発表されました。
2012年より開催されている「AICA施工例コンテスト」は今回で10回目の開催となり、店舗や住宅、オフィスなど336点の応募が集まりました。

審査委員の顔ぶれ(左から、長谷川 豪、吉村靖孝、石上純也、岩塚祐二の諸氏)

今回の審査委員長を務めた石上純也氏以下、吉村靖孝氏と長谷川 豪氏、アイカ工業を代表して岩塚祐二氏(同社取締役 常務執行役員)が出席した審査会を10月30日に開催。厳正なる審査と議論・検討を経て、建築家の藤 貴彰氏と藤 悠子氏が率いるtyfa / Takaaki Fuji + Yuko Fuji ArchitectureとAreano Inc.が設計した住宅〈巡る間(めぐるあいだ)〉が最優秀賞に選出されました。

「AICA 施工例コンテスト 2023」審査会風景

石上純也氏 審査総評

今回、アイカ工業の製品を使用した建築物をいろいろとその事例として見させていただきとても楽しい時間だった。特に最優秀案は、これからの建築のあり方の1つの方向性を感じるものがあった。こういう作品を見ると、僕たちの周りに存在するあらゆるものが、建築の可能性を切り開く要素になり得るのだということに気づかされる。
工業製品は一定の利用の仕方を想定して開発されているが、その想定を超えて、建築という創造的世界のなかで新しい価値をつくり出していくことが建築家の役割だと思う。その結果生まれる建築によって、僕たちの生活やそれをとりまく環境がやわらかく変化し、緩やかな持続性とともにやさしくつくられていく未来のあり方を考えていけたらよいなと思っている。今回の最優秀案があったことによって、そのような希望を抱くことができ、本当によかったと思っている。

吉村靖孝氏 審査総評

アイカ施工例コンテストの審査には独特の評価基準があるように思う。普通に建築の審査だと思っていると、材料だったり、家具だったり、建材の使用方法にも評価が及ぶからだ。つまりは、両方が揃っている必要があると言えるだろう。プランがなく建築の理解が進まないもの、素材がうまく加点につながらなかったものは、次回にその点を留意されたい。
最優秀を取った〈巡る間〉は、「(不燃化粧板)モイス」をうまく利用した好例であった。2階の上部からのみの採光をうまく下の階に運ぶ役割をモイスが担っている。向きの違いから太陽が動くにつれて日の配りかたも変わるだろうとも想像される。極限まで絞り込まれている光の入り方こそ、劇的なのだ。最優秀にふさわしいと思い、推した。

長谷川 豪氏 審査総評

このコンテストはAICAの内外装材を使用している作品の審査ということで、作品としての強度に加え、製品の使いかたにも新規性が求められた。工業製品の長所は仕上がりや性能の安定性だが、当然ながらそれだけでは作品にならない。工業製品らしからぬ新たな印象を生み出したり、製品の特徴を読み替えたりすることで、いわば「工業製品の安定性」から脱却しようとしている作品に魅力を感じた。
最優秀賞に選ばれた〈巡る間〉は計画道路に面した場所の特殊性から、「容易に解体でき、移築可能な木造住宅を目指す」という方針に対し、規格部材で組み立て、ほぼ天窓のみの採光とする徹底した設計をする意欲的な作品だったが、「モイスTM耐力面材」を室内に露出させることで吸音、吸湿、耐震、光の乱反射という多くの特徴を、これでもかと重ねることで「工業製品の安定性」からも見事に脱却するものであった。


入賞作品(計22作品)は以下の通りです。

最優秀賞
tyfa/Takaaki Fuji + Yuko Fuji Architecture,  Areano Inc.〈巡る間〉
優秀賞
株式会社 石本建築事務所〈中津川市立福岡小学校〉
G ARCHITECTS STUDIO〈末富 青久 カフェスタンド〉
株式会社 ihrmk〈はつせ三田〉
入選
鈴木岳彦建築設計事務所〈M 邸〉
ムトカ建築事務所〈GO-SEES AOYAMA〉
タカラスペースデザイン株式会社〈TEAL barber〉※商品賞(クライマテリア)も受賞
矢部達也建築設計事務所〈フルハウス〉
商品賞(セラール セレント)
タカラスペースデザイン株式会社〈sayaka slowa clinic ginza〉
商品賞(メラミンタイル)
有限会社外間建築設計事務所・有限会社スタプランニング〈タップホスピタリティラボ沖縄〉
+WONDER 賞
スペースインダストリー株式会社〈医療法人社団 健正会 金山ファイン歯科・矯正歯科〉
メース賞
株式会社三菱地所設計〈ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座コリドー〉
特別賞
株式会社 IAO 竹田設計〈神戸市北区高齢者複合施設〉
株式会社竹中工務店〈ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明〉
山下貴成建築設計事務所〈森のクリニック〉
株式会社 安井建築設計事務所〈センテニアル・パーク京都競馬場〉
佐々木勝敏建築設計事務所〈山之手の家〉
星設計室〈かきの木の家〉
株式会社伊藤喜三郎建築研究所〈ロビンの空クリニック〉
株式会社アートジャパンナガヤ設計〈上野レディスクリニック〉
株式会社かみもり設計〈宜野湾市立普天間小学校〉
Syn. Architect〈The Social Heaven House〉


最優秀賞

最優秀賞:tyfa/Takaaki Fuji + Yuko Fuji Architecture, Areano Inc.〈巡る間〉撮影:関 拓弥

最優秀賞

作品名:巡る間
設計:tyfa/Takaaki Fuji + Yuko Fuji Architecture, Areano Inc.
用途:戸建住宅
竣工:2023年3月
工事種別:新築
採用商品:モイスTM耐力面材(外壁下地・内壁)

〈巡る間〉コンセプト
将来拡幅が予定されている都市計画道路に面し、建物が寿命より先に解体される可能性がある敷地において、容易に解体でき、移築可能な木造住宅、そしてそれが独自の空間性を生むことを目標に設計した。
ホームセンターでも入手可能な3種類の規格木材をボルトで固定するのみで成立しており、組み立て・解体の際に特別な技術は必要ない。部材もすべて手で運べる重さである。仮に移築されなかったとしても、ほぼ規格材のままなので、容易に再利用することができる。
内装仕上げ兼外壁下地として、断熱性や遮音性が高く、構造材にもなる「モイスTM耐力面材」を用いている。
外壁は、モイス上に外断熱を施し、古来より風呂桶などで使われている水に強いサワラ材にて仕上げた。室内側はモイスが温湿度を調整し、表面の鉱物が光を増幅し、快適性や省エネルギーに貢献する。簡単なつくりの住宅だが、HEAT20のG2の外壁断熱性能を達成している。
合わせて環境シミュレーションによって、逗子の地形形状(谷戸)を生かした光・風を、3つのハイサイドライトから取り入れることにした。
モイスの多機能性が成立させた新しい形式の住宅である。(tyfa/Takaaki Fuji + Yuko Fuji Architecture, Areano Inc.)


優秀賞

優秀賞:株式会社 石本建築事務所〈中津川市立福岡小学校〉撮影:日吉祥太、三井笑奈 / 株式会社 川澄・小林研二写真事務所

優秀賞

作品名:中津川市立福岡小学校
設計:本村雅昭、髙松達弥、佐原輝紀 / 株式会社 石本建築事務所
用途:学校
竣工:2023年7月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットネオノンフリーズ(外壁・内壁)

〈中津川市立福岡小学校〉コンセプト
中津川市立福岡小学校は人口減少に伴う4校の統合校として、隣接する中学校とともに地域再編の一角を担う小中一体校である。自然豊かな風景に寄り添い、地域木材をふんだんに活用した建築を通して、地域に寄与し、記憶に残る「子どもたちの原風景となる学び舎」を目指した。
校舎はこの地域で伐採・製材される一般流通材を活用するために、在来軸組工法を採用した。木材調達スキームの確率、さまざまな設計の工夫により、木材総使用量の96%を岐阜県材、そのうち65%に中津川市産材の活用を実現し、地域経済にも貢献している。1枚の大屋根は周辺の豊かな山並みの稜線と調和し、子どもたちの活動をやさしく包み込む。大屋根の下に広がる内部空間は象徴的な4対の丸太や、一般製材(120角材)による2,730㎜モジュールで構成され、小さなスケールが連続する学びの空間が広がっている。柱を囲んだり、寄りかかったり、中津川の「木」に子どもたちが寄り添い、建築とともに成長し、記憶に残る空間になればと想いを込めた。(石本建築事務所)

 

 

優秀賞:G ARCHITECTS STUDIO〈末富 青久 カフェスタンド〉撮影:志摩大輔 / adhoc inc.

優秀賞

作品名:末富 青久 カフェスタンド
設計:G ARCHITECTS STUDIO
用途:店舗
竣工:2022年9月
工事種別:リノベーション
採用商品:セラール セレント(厨房内壁)

〈末富 青久 カフェスタンド〉コンセプト
京都の老舗和菓子屋さん「末富」が手掛ける新業態、「青久」のコーヒースタンド。敷地は、烏丸通り沿い。周囲にホテルやオフィスビルが建ち並ぶ交差点に建つ木造2階建てのさらに下屋部分。
店内の奥行はたった1mほど。あまりに奥行が浅いため、厨房と休憩スペースを前面道路に並行して配置したプランはすぐに決まった。
平面が半ば自動的に決まった一方で、設計のエネルギーの大半を立面に注いだ。私達は内装も外装も区別なく立面を検討することにし、銅の経年変化を化学的に操作することに注力した。
壁面に銅箔テープを貼り付けて、醤油と薬剤を使い分けて銅を酸化させた。それは外観を古都京都の老舗和菓子屋にふさわしい佇まいすると同時に、「末富ブルー」と呼ばれ70年以上も親しまれている、「末富」のコーポレートカラーである美しい水色を銅の錆ある緑青で表現したかったからである。
厨房内の壁面も通りからよく見えるため、外観と近い風合いとした。その一方でメンテナスしやすさも必要である。外壁は銅による赤褐色の錆、内壁は「セラール セレント」のラスティアイアン ダーク。風合いと機能を併せもつ素材としてぴったりだった。(G ARCHITECTS STUDIO)

 

 

優秀賞:株式会社ihrmk〈はつせ三田〉撮影:稲継泰介 / 稲継泰介写真事務所

優秀賞

作品名:はつせ三田
設計:株式会社ihrmk
用途:集合住宅
竣工:2019年12月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットアルファ(外壁)、コーリアン(キッチン、洗面カウンター天板)

〈はつせ三田〉コンセプト
敷地は、国道沿いの大型マンションと密集する低層木造住宅のちょうど中間に位置する。コントラストのある周辺環境の粒度や肌理を調停するスケールとして、1,350mm間隔で配した310mm角の柱梁によるフレームを設定した。このシンプルな構造の中央に、余白・余地としての「めぐり土間」、その周囲に「オープンテラス」、「インナーテラス」、「居室」といった小さな居場所が入り交じり、内外が混交しながら連続する空間構成により、網を重ねた中に空気を含んだ建築をつくりたいと考えた。
そういった網をかたちづくる外壁仕上げとして、外周部のみに「ジョリパット」吹き付け、内部はコンクリート打放しとして、仕上げを角で切り替えることで、質量を感じながらも浮遊感のある見え方となることを目指した。また、中間梁により各階が半分に分割されることでパッと見ただけでは階数が分からないような見え方となることを意図、目地の出ないジョリパットがその見え方を補強している。(ihrmk)


入選・商品賞

入選:鈴木岳彦建築設計事務所〈M邸〉撮影:西川公朗 / 西川公朗写真事務所

入選

作品名:M邸
用途:戸建住宅
設計:鈴木岳彦建築設計事務所
竣工:2022年11月
工事種別:新築
採用商品:クライマテリア ストンアート(外壁)

〈M邸〉コンセプト
延床面積10坪の極小の住宅。線路工事に伴う用地買収後に残った、9坪弱のくさび型敷地に建つ。分筆前の土地に長く住んでいた施主は、この場所に住み続けたい強い想いから分筆し建替える決断をした。
南側道路は一時的に仮線が敷設されるため玄関が設けられず、北側は条例により外壁の後退を求められた。室内は動線空間を最小限としたい。おのずと、建物北側をアプローチとし、玄関を入るとそこがすでに全体を貫くらせん階段の一部であること、各スペース同士をそのらせん階段が直接結ぶことが決まった。
各スペースの極端な小ささと、らせん階段の大らかさによって生まれる主従の曖昧さを強化するように、各所のデザインを決定した。階段まで伸びる各スペースの床仕上げ、逆にスペースに伸びて家具化し別の機能を兼ねる階段、常に階段の先に別のスペースが垣間見えるような構造や踏板や家具の在り方。スペースと階段という区別を超えて、極小のスペースに身体を親密に包まれながら同時に家全体に居ると思える感覚、そんな「小さな広大さ」の実現を試みている。
建物の面する線路敷の砂利やコンクリート平板の柵といった周囲のラフな要素に合う外壁材として「クライマテリア」を採用している。(鈴木岳彦建築設計事務所)

 

 

入選:ムトカ建築事務所 〈GO-SEES AOYAMA〉”Untitled (The Photogenic Makeup Room #406)”, 2020 © Gottingham  Image courtesy of Mtka and Studio Xxingham

入選

作品名:GO-SEES AOYAMA
設計:ムトカ建築事務所
用途:スタジオ
竣工:2020年6月
工事種別:リノベーション
採用商品:メラミン化粧板(扉・化粧台・キッチン)、コーリアン(化粧台天板)

〈GO-SEES AOYAMA〉コンセプト
ファッションフォト撮影に使用される写真スタジオ。
RC躯体の空間をメイクアップするように各部のデザインを行なった。スタジオとメイクルームの間仕切りには、チークを塗るように3つの歪んだ大きな壁を配置し、立体感とスケールを与えた。メイクルームのドレープカーテンは、石膏でつくったかのような硬い印象のテクスチャーにして空間にインパクトを与えた。床はウレタン全艶塗装のラーチ合板に全艶ワックスを重ねて塗ることでマニキュアのような厚みのある艶感を出し、空調機とダクトが無造作に配された天井には、アイラインを引くように黒のライティングダクトを斜めに入れ、それらの存在を排除した。
空間をメイクアップすることで撮影時の高揚感が高まる空間をめざした。(ムトカ建築事務所)

 

 

入選:タカラスペースデザイン株式会社〈TEAL barber〉撮影:湯口 巌

入選&商品賞(クライマテリア)

※ダブル受賞
作品名:TEAL barber
設計:湯口 巌 / タカラスペースデザイン株式会社
用途:商業施設
竣工:2023年9月
工事種別:リノベーション
採用商品:クライマテリア ストンアート(外壁・内壁)、メラミン化粧板(ディスプレイ台)

〈TEAL barber〉コンセプト
「亜外部」を空間コンセプトとするバーバー。テナント立地は住宅街にある築50年を迎えるマンションの1階。クライアントとの協議を重ねた結果、メンズオンリーに特化し、男性が真にくつろげる空間を追求する。亜熱帯地域の建造物に見られる風の通り抜ける軒下やピロティなどのイメージを参照しつつ、構造躯体の無骨な迫力、荒々しい手仕事を感じるテクスチャーと時節そこに移ろう陰影、長い時間の経過を感じさせるマテリアルなどから空間を構成。
プランニングでは広い空間にレイアウトされるただ1席のあり方に着目。席の周囲には木板壁、壁柱、巨大な造作梁、ベンチ(手荷物置き台)などが囲むように配置され、席を中心に周囲との関係性や奥行感を調整することで洗練された居心地やくつろぎを実現する。
マテリアルはコンセプトに沿い少数に絞り込まれ、土や砂の構造体を想起させる「クライマテリア」、茶色に染色を施したモルタル床、解体リユース材の古木板、石材を模したタイルを採用。色ムラや不整形が落ち着きある印象をつくり出し、ときおり光の影響がマテリアルに作用し、時の移ろいを感じさせる。(湯口 巌 / タカラスペースデザイン)

 

 

入選:矢部達也建築設計事務所〈フルハウス〉

入選

作品名:フルハウス
設計:矢部達也建築設計事務所
用途:戸建住宅
竣工:2023年2月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットネオ(外壁)

〈フルハウス〉コンセプト
大阪市南部、120m²の敷地中央に44m²、3層の箱が建っている。
間仕切り壁とスラブをつくるコンクリートを木の壁と陸屋根で包む。コンクリートの量感と肌理はインテリアで楽しみたい。蓄熱体としての性能にも期待している。床仕上げ以外に何にも触れないコンクリートの厚板がかたちづくる骨格。それを包むエンベロープを木でつくれば、木造用サッシの使用と断熱仕様による省コスト、非構造の薄い外壁の軽快さ、耐震要素と干渉しない自由な立面などの利点がある。
ワンルームでも使える44m²を数枚の壁で間仕切ること。仕切られた場所から、つながる次の場所が見え隠れするように。3層なので階段の穴が2つ。壁が構造体となるなら上下の整合が必要。これらの条件を満たすのに、外周をなす長方形の中にもう1つ長方形を入れ込むのがよいように思えた。辺上に立てた壁がコアとペリメータを分ける。コアはすこし薄暗い奥まった場所。そこからペリメータとその向こうの庭を望む。ペリメータは文字通り内部の縁側。横長窓を開け放てば半外部に近い環境にもなる。
外壁はつるっとした質感を求め、モエン大壁工法を採用。「ジョリパット」のモアプレーンで仕上げた。(矢部達也建築設計事務所)

 

 

商品賞:タカラスペースデザイン株式会社〈sayaka slowa clinic ginza〉撮影:湯口 巌

商品賞(セラール セレント)

作品名:sayaka slowa clinic ginza
設計:湯口 巌  / タカラスペースデザイン株式会社
用途:医療施設
竣工:2023年9月
工事種別:リノベーション
採用商品:セラール セレント(ディスプレイ・内壁)、メラミン化粧板(カウンター)、ポストフォームカウンター(洗面カウンター天板)

〈sayaka slowa clinic ginza〉コンセプト
ハイブランドが軒を連ねる街、東京・銀座5丁目にある美容皮膚科クリニック。
ドクター・スタッフともに女性のみ、自費診療分野で高度な専門医療に特化し、きめ細かい美容医療サービスを提供する。クライアントとの協議を重ねた結果、いわゆるクリニックらしさを排除。「優美さ、確かさ(歴史)、居心地」をコンセプトに、主要なフォルムを「アーチ・石・3段」に定めた。
クリニックでは、受付、リテール、個室待合、パウダー、撮影、処置、手術、メイクといったように、手順に沿って諸室を巡るプログラムであることに着目、「アーチ・石・3段」をベースに諸室それぞれで変奏する手法をとることで、空間のシーンと体験を群として捉える視点からブランディングを図る。主要素材に化粧板と「セラール セレント」から1種ずつの石目をセレクトし展開。水回りのポストフォーム天板にも同柄を採用し連続性をもたせた。石柄の適度な色ムラが空間の居心地を高める。アーチ凹凸に構わず石目を連続させ、切り出した石のような立体表現として塊感・重量感を演出。視線の行き着く壁面には質感を重視し、セラール セレントを採用、刻み目透かし貼りとし組積の印象をつくり、空間とディスプレイに品を加える。(湯口 巌 / タカラスペースデザイン)

 

 

商品賞:有限会社外間建築設計事務所・有限会社スタプランニング〈タップホスピタリティラボ沖縄〉

商品賞(メラミンタイル)

作品名:タップホスピタリティラボ沖縄
設計:有限会社外間建築設計事務所・有限会社スタプランニング
用途:ホテル・宿泊施設
竣工:2023年7月
工事種別:新築
採用商品:メラミンタイル(床)、メラミン化粧板(テーブル天板・カウンター・引き戸)

〈タップホスピタリティラボ沖縄〉コンセプト
〈THL(Tap Hospitality Lab)〉は、産学官連携により観光・宿泊業界におけるDX推進につながる実証実験を行う世界初の施設である。
宿泊施設における生産性向上、快適性向上、従事者の待遇改善、ビッグデータを活用した消費機会拡大の可能性の模索やDX時代の社会インフラ集中管理システムの実用化の構築などを行う。
また、HOTEL THLの運営を通してホテルの新しいサービスの創出、新しい旅のスタイルの提案、ロボットとの共生による障がい者の自立支援の実証を行う。
ロボットが歩行するため、耐久性の高い新床材であるメラミンタイルを採用した。(外間建築設計事務所・スタプランニング)

 

 

+WONDER賞:スペースインダストリー株式会社 〈医療法人社団 健正会 金山ファイン歯科・矯正歯科〉

+WONDER賞

作品名:医療法人社団 健正会 金山ファイン歯科・矯正歯科
設計:スペースインダストリー株式会社
用途:医療施設
竣工:2023年7月
工事種別:新築
採用商品:+WONDER(内壁)、メラミン化粧板(建具・棚)、オルティノ(ルーバー)、メラミンタイル(床)

〈医療法人社団 健正会 金山ファイン歯科・矯正歯科〉コンセプト
所在するこのエリアは、名古屋市内でもJR・名鉄・地下鉄の3線が乗り入れ、他のデンタルクリニックも多く開業している場所である。そのエリアで他と区別するため、主に上品さと清潔感をコンセプトにワンランク上の空間を考え、材料などを採用した。
待合室では来院の方にリラックスしてもらうため、壁面に間接照明を組み込み、落ち着いた色彩の大理石調のメラミン化粧板を採用することにより、大理石調の壁面と光の柔らかさを演出した。
診療室では清潔感ある白を基調に、造作家具には汚れにくいメラミン化粧板と化粧フィルムを使い分け、床には耐薬品性能のあるメラミンタイルを使用した。また、ところどころに木目や単色のメラミン化粧板と同柄の化粧フィルムを使い分けることで、材料の統一感を演出し、上品かつ清潔感あるデンタルクリニックに仕上げることができた。(スペースインダストリー)

 

 

メース賞:株式会社三菱地所設計〈ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座コリドー〉撮影:中村 隆 / 株式会社 川澄・小林研二写真事務所

メース賞

作品名:ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座コリドー
設計:株式会社三菱地所設計
用途:ホテル・宿泊施設
竣工:2022年11月
工事種別:新築
採用商品:メース(外壁)

〈ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座コリドー〉コンセプト
銀座コリドー通りと交詢社通りが交わる角地であり、JRからも見える外壁は、歴史ある銀座の背景に調和している。柱型と窓を骨格とした凹凸、コーナーを引き立たせる背景により、歴史的建築物の正統性を表現されている。外壁には「メース板」を採用し、効率よく割り付けた。
外装は銀座の伝統的な赤レンガをイメージしたシックなブラウン高意匠塗装。人の手による塗装外装と基壇部の黒く磨いたラメ石が銀座の街に溶け込む。交差点のコーナー部には鋳物の二次外装を設け、不燃木で形成した表情のエントランス階段とともにスパークリング・ワインの泡と煌めきが空に立ち昇るようである。ホテルとしての機能・意匠性を兼ね備える凹凸ある外壁は、ひときわ目を引く。
コリドー通りに向ける顔として、歴史ある交詢社通りに調和する見事な景色がつくられた。(設計:三菱地所設計 / 施工:フジタ)


特別賞

特別賞:株式会社 IAO竹田設計〈神戸市北区高齢者複合施設〉撮影:津田裕之 / 株式会社 エスエス

特別賞

作品名:神戸市北区高齢者複合施設
設計:株式会社 IAO竹田設計
用途:介護福祉施設
竣工:2023年1月
工事種別:新築
採用商品:メース(外壁)、ジョリパット不燃(内壁)、メラミン化粧板(カウンター・棚)

〈神戸市北区高齢者複合施設〉コンセプト
少子高齢化が進む大都市郊外のニュータウンにおいて、廃校になった県立高校跡地を活用して、地域介護福祉拠点となる大規模高齢者複合施設を整備する計画である。
特別養護老人ホーム120床、介護老人保健施設100床、介護型ケアハウス100床、看護小規模多機能型居宅介護、保育所、地域交流ホールなどからなる施設を、中庭を囲む3棟構成で整備した。
エントランスや地域交流ホールとしての機能をもつ平入切妻の共用棟は鉄骨造とし、外壁をすべて「メース(押出成形セメント板)」で構成している。RC造の残り2棟のバルコニー軒裏を、木をイメージさせる特殊塗装とするなど、全体的に和のイメージで構成しているため、メースの仕上げにはそれに調和する素材が求められた。
そこで、軒の高い地域交流ホールのボリュームをブラウンの特殊塗装、下屋のボリュームをメースハイブリッド工法による花崗岩張り、バックヤードのボリュームをダークグレーのフッ素樹脂塗装とし、全体と調和させながらそれぞれの素材感を引き立てあうことを狙った。共用棟内部において勾配天井や家具を引き立てる上品な背景として「ジョリパット(玉石アンティークストーン)」を採用している。(IAO竹田設計)

 

特別賞:株式会社竹中工務店〈ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明〉撮影:Callais,inc Hikotaro Hazato

特別賞

作品名:ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明
設計:今北克人 / 株式会社竹中工務店
用途:ホテル・宿泊施設
竣工:2020年3月
工事種別:新築
採用商品:セラール(柱・内壁)、メラミン化粧板(テーブル天板・什器)、オルティノ(飾り棚)

〈ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明〉コンセプト
東京都江東区有明に、国家戦略特区に認定された大規模開発による「有明ガーデン」が誕生した。ホテル、商業施設、温浴施設、劇場、タワーマンション、イベントホールから成る複合施設であり、本作品はホテル部分に該当する。全749室、全11タイプの客室を擁する大規模ホテルである。
「有明」という言葉には「夜明けの月と太陽が共存する空」という意味がある。ホテルの共用部のデザインは、その空模様が織り成す光と影をテーマとした。シンボルとなるスクリーンは、雲間から降り注ぐ強い光「天使の梯子」をモチーフとしており、柱や壁を影と捉えて空間のメリハリを表現した。
その柱と壁に黒い石目調のセラールを採用した。
特に2層吹き抜けの柱は、スリムな状態を維持したまま、石のような高級感のある仕上げが求められた。しかし施工性やコスト面から、天井が高い場所に接着貼りで本物の石を貼ることはハードルが高かった。そこでセラールの登場だ。セラールは、仕上げ厚を最小限に抑え、コスト面でも有利に働く。さらに部位や面積を絞ることで石のような高級感を生むことができた。それらの相乗効果により、石以上の魅力を引き出すことができたと自負している。(今北克人 / 竹中工務店)

 

 

特別賞:山下貴成建築設計事務所〈森のクリニック〉撮影:鈴木研一写真事務所

特別賞

作品名:森のクリニック
設計:山下貴成建築設計事務所
用途:医療施設
竣工:2020年11月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットアルファ(外壁・内壁)

〈森のクリニック〉コンセプト
埼玉県新座市に建つ、開院から60年を数える歯科医院のアネックスをつくる計画である。
敷地には古くからケヤキが生い茂る森があり、緑豊かな環境の中にクライアント家族の住宅と歯科医院が森を庭として受け継ぎ、共有するようにして建っていた。新たにアネックスが建つと庭を囲む配置関係になるため、壁をバラバラと配置し住まいへのプライバシーに配慮しながら、緑の環境が壁の合間から緩やかに入り込んでくる建物を考えた。
折版状の屋根は妻側に大きくスパンを飛ばし、構造的な制約によらない壁配置とすることで小児を専門とするアネックスの診療室を開放的な空間としている。
天井は鈍く反射するアルミを一様に使い、壁には木材やガラス、塗り壁などさまざまな素材を多用している。塗り壁は凹凸やコテの具合、色味など風合いを変えて質の違いがより引き立つようにした。それは、異素材の重なりが森の四季折々と同じように鮮やかな景色の一部となって、外部と内部が柔らかく混ざり合う環境を意図したためである。
屋根の起伏は森の中に大きさの異なる場所をつくり、天井面が移ろいゆく光や色とりどりの素材を映し込んで、診療に訪れた人々の束の間のひとときを彩っている。(山下貴成建築設計事務所)

 

 

特別賞:株式会社 安井建築設計事務所〈センテニアル・パーク京都競馬場〉撮影:株式会社 伸和

特別賞

作品名:センテニアル・パーク京都競馬場
設計:株式会社 安井建築設計事務所
用途:観覧場
竣工:2023年3月
工事種別:増築
採用商品:ジョリパット爽土(内壁)、クライマテリア イタリアート(内壁)、セラールセレント(内壁)、ジョリパット不燃(内壁)

〈センテニアル・パーク京都競馬場〉コンセプト
「まちに開かれた公園のような競馬場」
京都競馬場は、現在の場所に開設され2025年に100周年を迎える。
その記念事業として、既存スタンドに増築するかたちで1980年竣工のメインスタンドの全面改築を進めている。
安井建築設計事務所の創業者である安井武雄の代表作である1938年竣工のスタンドから受け継がれ、今回で5代目のスタンド改築工事となる。
レースが行われる馬場側のデザインは水平線を強調し、大きくはね出したヴォリューム構成とすることで、競馬場の大きさを利用したダイナミックでスピード感のある景観形成を目指した。反対に、京阪沿線側のまちと接続する背面のパドック側のデザインはできるだけヴォリュームを切る、ずらすことで分節化し、初代より受け継がれた曲線のデザイン、階段状の緑化テラス、京都府産材を利用した木鋼ハイブリッド構造の大庇により、お客様をお迎えするヒューマンスケールの「公園のような競馬場」を目指した。
内部空間においても、トップライトや緑化、木材や豊富なデザインバリエーションがある「ジョリパット」を取り入れ、自然本来のもつ力強さや潤いのある空間とした。またフロアに応じて居心地のよい空間を提供している。(安井建築設計事務所)

 

 

特別賞:佐々木勝敏建築設計事務所〈山之手の家〉

特別賞

作品名:山之手の家
設計:佐々木勝敏建築設計事務所
用途:戸建住宅
竣工:2014年4月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットネオ(外壁)、ジョリパットアルファ(内壁・天井)

〈山之手の家〉コンセプト
敷地南側に集合住宅が隣接しており敷地が日影に覆われていた。また南面は同様に駐車場が隣接していたため開口を設け難いという状況も重なっていた。要望はプライバシーを確保した自然光で明るい家という敷地条件と相反するものだった。そこで日影の影響を受け難い敷地北側に受光面としてヴォリュームを立ち上げ、そこから自然光を採ることにした。南側から陽射しは強いため一旦階段室で受け、そこを介して各所室に柔らかい光を拡散させる計画とした。階段室の内壁にはいくつかの穴を設け、時間によって直接1階の通り土間まで伸びるものもあれば、拡散して周囲の居室を照らすものもある。
階段室の床および2階寝室の間仕切りに木格子を用いることで、視界の広がりや自然光、風、音、熱が透過する仕組みになっている。L型のヴォリュームは採光を室内に導くと同時に広いルーフガーデンを家族に提供している。ソトニワ、ナカニワ、ヤネニワといった3種類の庭が暮らしの幅を広げている。L型のヴォリュームに一体感をもたせるために外壁に「ジョリパット(小粒ロック)」を採用し、光のうつろいをより繊細に映し出すために内部では「ジョリパット(ゆず肌)」を採用している。(佐々木勝敏建築設計事務所)

 

 

特別賞:星設計室〈かきの木の家〉撮影:永石秀彦 / 永石写真事務所

特別賞

作品名:かきの木の家
設計:星設計室
用途:戸建住宅
竣工:2020年8月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットネオ(外壁)

〈かきの木の家〉コンセプト
鎌倉時代から続く寺院の住職のための住まいである。
新しい建築は既存の本堂と客殿に並んで建て、境内の景観への調和を求められた。そこで新たな建物群のシルエットをイメージし、屋根はかき合いを中心から少しずらした方形とした。夏涼しく冬暖かく暮らせるように、東西に長い長方形平面としたため、変則的な方形となっている。
東西に長く現れる外壁は、そのプロポーションを低く抑え、既存建物の白い漆喰に調和する色とテクスチャーをもたせたいと考えた。そこで外装材には、ひび割れや汚れに強い「ジョリパットネオ」を採用。
屋根のかき合いには天窓を配し、内部は天窓へ向かって天井が四角錐状に立ち上がるおおらかな一室空間をつくった。天井の高さは、窓天端から天窓まで2.3mから4.5mまで立ち上がり、その大きな空間は本堂のイメージと重なる。長辺11.85m短辺6.37mからなる平面の無柱一室空間には、LDKを中心に玄関や2室に分割できる予備室がゆるやかに仕切られて配置され、水廻りはコンパクトにまとめて入れ子状に挿入されている。
大きな開口部が建築の内外の白い壁を視覚的に連続させ、開放的な生活空間となった。(星設計室)

 

特別賞:株式会社伊藤喜三郎建築研究所 〈ロビンの空クリニック〉撮影:和田尚子 / KURUMI PHOTO

特別賞

作品名:ロビンの空クリニック
設計:株式会社伊藤喜三郎建築研究所
用途:医療施設
竣工:2023年6月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットアルファ(外壁)、メラミン化粧板(受付カウンター・家具)、アイカスタイリッシュカウンター(洗面カウンター)

〈ロビンの空クリニック〉コンセプト
東京都立川市・立飛に建つ小児科併設の産婦人科クリニックである。「新たな命の生まれる場所」と飛行場の歴史をもつこの地の「空」のイメージを掛け合わせ、鳥が羽休めする木々のように、産前産後を安心して過ごせるクリニックを目指した。
ロビン(クリニックのマスコット:ヨーロッパコマドリ)のさえずりが聞こえるようなイングリッシュナチュラルガーデンに佇む別荘をイメージし、素朴でありながら落ち着いた高級感を演出する材料を内外に選定した。
家族も宿泊できる16床の個室は「家族」として巣立つまで過ごす「家」のような存在である。家族ごとに異なる「家」を外観モチーフとし、屋根形状や高さを変えつつ、色と質感の異なる「ジョリパット」とタイルを外壁に組み合わせた。ベランダの植栽で、木々の中の鳥小屋をイメージし、室内にも緑に癒される空間を創出している。
個室は外観形状を活かし、正面窓に対する高天井部にハイサイドライトを設けた。柔らかな自然光を取り入れながら中間期の風の通り道としても機能している。産科待合ホールはガーデンの緑に開き、2層吹き抜けの開放的な空間とした。2階デイルームは吹き抜け・屋上庭園とつながり、明るく外部を感じられる空間としている。(伊藤喜三郎建築研究所)

 

特別賞:株式会社アートジャパンナガヤ設計〈上野レディスクリニック〉撮影:鈴木将平 / toru写真事務所

特別賞

作品名:上野レディスクリニック
設計:株式会社アートジャパンナガヤ設計
用途:医療施設
竣工:2023年2月
工事種別:新築
採用商品:ジョリパットネオ(外壁)、オルティノ(軒天・天井)、メラミン化粧板(台輪・飾り棚・ヘッドボード)、フィオレストーン(カウンター天板)

〈上野レディスクリニック〉コンセプト
本計画は名古屋市の閑静な住宅街における、1961年から続く産婦人科の建て替え計画である。
少子化に拍車のかかる現代において、新たな命の誕生とともに人生の門出を迎えるに相応しい環境を整え、ご家族と心穏やかに特別なひとときを過ごしていただけるような演出を随所に散りばめ、ゲストに心と体のバランスの取れた充足感とリラクゼーションを提供することが求められた。
はじめて緊張しながら診察に訪れるときや、ご家族が分娩の瞬間を待つ場面、そして入院するゲストルームに案内されるまでの動線や、ダイニングにてお祝い膳を楽しむときも、さまざまなシーンで開放的な空間が広がり、水の気配や緑、光のゆらぎによる自然を感じられるように、吹き抜けとプライベートバルコニー、水盤をめぐる回廊空間を配して、そこに穏やかに過ごすことのできる居場所を設えた。それは女性とそのご家族のさまざまな心理局面に寄り添うための選択肢を増やす試みであり、あたたかく包み込んでくれるような素材の質感、やわらかな曲線による空間構成、アースカラーの素材と色彩計画によってリゾートライクな産院として多様な魅力を引き出そうと仕上げ材を選定した。(アートジャパンナガヤ設計)

 

 

特別賞:株式会社かみもり設計〈宜野湾市立普天間小学校〉アートディレクション・アート制作:大村郁乃 撮影:村田祐介

特別賞

作品名:宜野湾市立普天間小学校
設計:株式会社かみもり設計
用途:学校
竣工:2023年1月
工事種別:新築
採用商品:セラールグラフィカ(内壁)

〈宜野湾市立普天間小学校〉コンセプト
1906年創立の宜野湾市立普天間小学校の新校舎建て替えに伴い、新校舎吹き抜けに設置される巨大壁画の制作プロジェクトである。本プロジェクトは一生に一度あるかないかの「小学校の建て替え」という機会を、子どもたちにとって思い出となるような体験にできないかと考え、普天間小学校に通う児童と先生(約600名)と一緒に巨大壁画の制作を行った。
壁画のモチーフは、普天間小学校のシンボルツリーとなっている樹齢100年以上のガジュマルの木々。この大きなガジュマルの木々たちは、沖縄戦の戦禍の中でも奇跡的に生き残り成長し続け、100年以上も地域と小学校に通う子どもたちを見守ってきた。「このガジュマルのように大きくたくましく、のびのびと成長していきますように。」という願いを込めている。
今回、壁画の建材として「セラールグラフィカ」を採用したのは、傷に強くメンテナンスが容易なため。また、子どもたちと一緒に制作したキャンバス32枚をデジタルデータ化したが、セラールグラフィカは絵の具の色使いや風合いの再現性を担保できると思い、採用した。(企画・プロジェクト進行:GUILD OKINAWA)

 

 

特別賞:Syn. Architect〈The Social Heaven House〉撮影:Syn. Architect

特別賞

作品名:The Social Heaven House
設計:Syn. Architect
用途:戸建住宅
竣工:2023年4月
工事種別:リノベーション
採用商品:メラミン化粧板(テレビボード・ショーケース・パントリー・テーブル)

〈The Social Heaven House〉コンセプト
In response to the profound impact of the COVID-19 pandemic on our way of life, we’re embarking on a transformative mission to reimagine the very essence of home. As we navigate travel restrictions and a growing desire for enriching at-home social experiences, we recognize the growing need for homes that effortlessly evolve into vibrant, communal spaces. Our approach is centered on adapting interior spaces for large gatherings and social events while maintaining a strong connection to the beauty of the natural world. To achieve this vision, we’ve carefully chosen premium laminate materials, renowned for their durability, impact resistance, and scratch-resistant properties. What truly distinguishes Wilsonart HPL is its unique texture, replicating the tactile sensation of wood grain and the organic feel of natural stone surfaces. These surfaces not only enhance visual aesthetics but also provide a comforting, natural touch. With “The Home of Socialization,” we are redefining home design, creating spaces where social interaction and comfort harmoniously coexist, enriching our lives and strengthening our connections with one another.(Syn. Architect)

 

 

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COMPETITION & EVENT2022.09.01

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