3Dプリンタ住宅メーカーのセレンディクス(兵庫県西宮市)は、慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター[*1,2](代表:慶應義塾大学環境情報学部教授 田中浩也)が研究・設計、監修に参画する、一般向けの3Dプリンタ住宅「フジツボ モデル」の開発プロジェクトを発表しました。
「3Dプリンターに最も最適な住宅開発」を共同で行い、2022年秋にプロトタイプの完成を目指しています。
*1.KGRI: Keio University Global Research Institute)
*2.慶應義塾大学環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター:2022年4月に同大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボ建築研究ユニットより改称
https://dmec.sfc.keio.ac.jp/
“世界最先端の家で人類を豊かにする”を理念に掲げ、2018年に創業したセレンディクスでは、先ごろ、床面積10m²の3Dプリンタ住宅〈Sphere〉のプロトタイプの建設・施工を、延べ3日間・合計23時間12分で完了。法人向けに数量限定で販売を予定しています(販売予定価格:300万円)。
グランピング・別荘・災害復興住宅などに対応できる、3Dプリンタ住宅〈Sphere〉プロジェクトのリリース後、国内からは一般向けの販売を希望する声が寄せられたことから、3Dプリント技術の第一人者である、田中浩也氏に協力を依頼したものです。
今回の共同プロジェクトでは、技術・居住・価格の3つの側面に見られる諸問題の解決・改善を目指し、それぞれで開発目標を以下の通り定めています。
1.技術面
・日本の建築基準法に準拠
・トータル24時間以内に施工完了
・人の作業を不要とする単一素材で複合機能を持たせた3Dプリント住宅を実現
2.居住面
・30m²―100m²の広さを確保
・1階建て平屋、高い天井のある快適な室内
・構造強度・耐火性・耐水性・断熱の担保
3.価格面
販売価格を通常の住宅価格の1/10(車1台の購入価格に相当する、500万円を目指す)
慶應義塾大学 田中浩也教授コメント
「われわれは3Dプリンティング研究の専門チームとして、デザインから工法までの諸技術を統合しつつ、現代において「本当に住みたくなる家」についての検討を重ねた結果、今回の「藤壺モデル」に至りました。これからの社会実装をさらに進めていきたいと考えています。」Sphere事業部責任者COO飯田コメント
「一般的な住宅ローンは30年と長く、平均完済期限は73歳です。さらに、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大によるコロナ禍の影響で、住宅ローン破綻、返済困窮者が急増しています。
今回、慶應義塾大学様との取り組みを通して、3Dプリンタのメリットを最大限生かした、未来の住宅デザインをかたちにし、住宅問題はもちろん、脱炭素化、CO2削減、廃棄量(建築資材)の減少、資材輸送のエネルギー消費量の削減といった課題にも「答え」を創っていきたいと考えています。」
構造:鉄筋コンクリート(RC)造平屋
住宅開発主体:セレンディクス
住宅設計:慶應義塾大学 益山詠夢特任准教授
技術監修:慶應義塾大学 松岡康友特任准教授
全体監修:慶應義塾大学 田中浩也教授
延べ床面積:49m²
最大高さ:4m
設置箇所(予定):愛知県小牧市内 百年住宅工場内
完成目標日(予定):2022年秋頃
セレンディクス 公式Webサイト
Serendix.com