CULTURE

佐藤カズー氏による公共トイレ「Hi Toilet」

「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの12カ所目は非接触・ボイスコマンドを採用

CULTURE2021.08.12

日本財団が中心となって東京・渋谷区内で進められている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの12カ所目のトイレが、七号通り公園(幡ヶ谷2-53-5)に設置され、8月12日(木)より供用を開始しました。デザインを、TBWA HAKUHODOのチーフクリエイティブオフィサーを務める佐藤カズー(さとう・かずー)氏が手がけています(2021年8月12日プレスリリース発表 / 1枚目の外観写真の撮影:永禮賢、提供:日本財団)

「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは、優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信することを試みるもの。多くの公共トイレが「暗い」「汚い」「臭い」「怖い」といったマイナスイメージを抱いている人が多いことを背景に、誰もが快適に利用でき、かつデザイン性の高い公共トイレを、多様性を受け入れる社会の実現を目指す渋谷区内の協力のもと、同区内17カ所に設置するプロジェクトとして進行中です。

日本財団×佐藤カズー トイレプロジェクト「Hi Toilet」

撮影:永禮賢、提供:日本財団

佐藤カズーとTBWA HAKUHODO Disruption Labチームがデザインした公共トイレは、全ての動作を声で指示する「ボイス・コマンド(Voice Command)」がコンセプト。公共トイレは「汚い」というイメージが強く、さらには2020年以降にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が世界的に流行して以降、ドアノブなど不特定多数の人間が触れる箇所を経由した間接的な感染を懸念する人は多いと思います。

それらを背景に、こちらのトイレでは手を極力使わずに利用できる、音声認識技術を採用。ドアの開閉から便器の操作まで音声で行うことができます[注]。さらには、ブース内で音楽をかけたりすることもでき、クリーンで、かつ楽しい時間を楽しめる場所として企画されました。
注.ボイスコマンド機能を使わずに手動でのドアの開閉や便器の操作は可能

日本財団×佐藤カズー トイレプロジェクト「Hi Toilet」

扉のピクトグラムはボイスコマンド用マイクを表す
撮影:永禮賢、提供:日本財団

天井高が最大で4mある真っ白な球形の建物は、空気の流れを制御し、においが滞留しないことも考慮されたデザインです(設計デザイン協力:久保都島建築設計事務所)。自然給気と機械排気を組み合わせた24時間換気システムが導入されています。

日本財団×佐藤カズー トイレプロジェクト「Hi Toilet」

撮影:永禮賢、提供:日本財団

日本財団×佐藤カズー トイレプロジェクト「Hi Toilet」

七号通り公園トイレ レイアウト図(現在位置は触知案内板設置場所を占める)
ブース面積:男子トイレ 21.81m²、ユニバーサルトイレ 24.09m²

日本財団×佐藤カズー トイレプロジェクト「Hi Toilet」

撮影:永禮賢、提供:日本財団

佐藤カズー氏プロフィール
1973年生まれ。Sony Music Entertainmentを経て 2010年9月より TBWA 博報堂入社。TBWA HAKUHODO チーフクリエイティブオフィサー。
メディアの枠を超えた作品で国内外の受賞多数。2012 年カンヌフィルム部門審査員、2017年カンヌプロダクトデザイン部門審査員をはじめ、デザイン、デジタル、プロモーションといった多領域に渡る国際賞の審査員を務める。
主な受賞:JAAA クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト(2011年)、Campaign誌 Japan/Korea Creative of the Year(2013年)、PENクリエイターオブイヤー(2019年)

佐藤カズー氏 近影

佐藤カズー氏

佐藤氏コメント
“Hi Toilet – 手をつかわないトイレ”
トイレを利用する人のうち、60%がトイレのレバーを足で踏んで流し、50%がトイレットペーパーでドアを開き、40%がお尻でドアを閉め、30%が可能な限り肘を使い手の接触を避ける。欧米のとあるトイレに関しての調査結果を見て目が点になりました。このインサイトをデザインに生かそう。スタート地点はそこでした。そこから3年がかりでリサーチ&プランニングを行い、最終的に我々がたどり着いたのは、トイレにおける全ての行動を音声で行うボイスコマンド式のトイレ「Hi Toilet」でした。
コロナのずっと前から取り組んでいたアイデアですが、非接触トイレという点で今までにないUX(User eXperience)になると思います。日本の公共トイレの凄みが世界に伝わることでしょう。

タイトル:「Hi Toilet」手をつかわないトイレ
所在地:東京都渋谷区幡ヶ谷2-53-5 七号通り公園(Google Map
ブース面積:男子トイレ 21.81m²、ユニバーサルトイレ 24.09m²
プロジェクトメンバー
佐藤カズー(TBWA HAKUHODO)
伊藤裕平(TBWA HAKUHODO Disruption Lab)
梅田哲矢(TBWA HAKUHODO Disruption Lab)
門田慎太郎(quantum)
設計デザイン協力:久保都島建築設計事務所
ボイスコマンド協力:Birdman

日本財団×佐藤カズー トイレプロジェクト「Hi Toilet」

撮影:永禮賢、提供:日本財団

日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクトには、国内外の16人のクリエイターが参画しています。

渋谷区×日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト 計画予定マップ

「THE TOKYO TOILET」MAP(2021年6月24日版、3・6・15番の各トイレは供用を開始)

日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト参画クリエイター(五十音順、敬称略):
安藤忠雄、伊東豊雄、後 智仁、片山正通、隈 研吾、小林純子、坂倉竹之助、佐藤可士和、佐藤カズー、田村奈穂、NIGO®、マーク・ニューソン、坂 茂、藤本壮介、マイルス・ペニントン、槇 文彦

ピクトサインデザイン:佐藤可士和(SAMURAI)
設計・施工:大和ハウス工業
レイアウト協力:TOTO
事業主:日本財団(完成した公共トイレは渋谷区に譲渡)
供用開始:2021年8月12日(木)午後

詳細
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000034082.html

日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト特設サイト
https://tokyotoilet.jp/

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