カルティエ ジャパンは、国際女性デーにあたる3月8日に、都内にて大阪・関⻄万博 カルティエ「ウーマンズ パビリオン」 プレスカンファレンスを開き(2025年日本国際博覧会協会、内閣府、経済産業省との共催)、2025年4月に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、日本国際博覧会協会と連携して出展するパビリオン「女性活躍推進館(仮称)」の正式名称を、「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」に決定したことを発表。あわせて、参画する建築家や、パビリオンの概要およびコンセプトなども発表しました(2023年3月8日プレスリリース)。
カルティエ(Cartier)では、2020年ドバイ国際博覧会(Expo 2020 Dubai、ドバイ万博)に「ウーマンズ パビリオン」を出展しており(下の画)、そこで提示したカルティエとしての強い意志と名称を大阪の地でも引き継いだ、社会における女性の貢献に光をあてるパビリオンとなります。
2020年ドバイ万博での「ウーマンズ パビリオン」
2025年大阪・関西万博にカルティエが出展する〈ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier〉のグローバル アーティスティック リード[*1]は、1851年にロンドン万国博覧会が開催されて以来、英国パビリオンでは初の女性デザイナーの起用となった、2020年ドバイ国際博覧会(Expo 2020 Dubai)の英国パビリオンのデザインを担当した、アーティストのエズ・デヴリン(Es Devlin)氏が就任。リード アーキテクト[*2]を、日本人建築家の永山祐子氏(永山祐子建築設計代表)が務めます。
*1.ウーマンズ パビリオン(Women’s Pavilion)におけるコンテンツ クリエイションならびにキュレーション
*2.建築設計を担当
2020年ドバイ万博での「英国館」と「日本館」
永山氏は前回の「ドバイ万博」において、NTTファシリティーズと共同で日本館を設計(上の画)。外観デザインとしてインパクトを与えるとともに、構造の役割も果たしていた「組子ファサード」が、大阪・夢の島の会場でリユースされるのが、〈ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier〉の大きな特徴です。
3月8日に都内で開催されたプレスカンファレンスに出席した永山氏によれば、ドバイ万博日本館の設計を進めている2019年頃、次の万博開催地が日本に決定したことを聞いてより、「ドバイと大阪・関西をつなげる」ことを意識していたとのこと。
リユースの実現には、ドバイから日本へのリユース資材の輸送、国内到着後の保管などの課題がありましたが、大林組、山九の協力を得て、日本での再利用に耐えうるように細心の注意を払ってドバイでの解体作業が行われています。パーツになった「組子ファサード」の資材はすでに国内に到着、大阪市内の倉庫に保管されており、リユースへ向けた検品や調整が進められているとのこと。
また、リユースに際しては、ドバイ万博と2025年大阪・関西万博では敷地の形状と面積が異なるという課題もありました。ドバイでは台形の敷地に三角形のパビリオン(日本館)を建てましたが、大阪は横に長い敷地にあわせて新たなパビリオンが建設されます。
永山祐子建築設計では、この横長の形状を生かして、日本の伝統的な京町家をイメージした、中庭を有する空間を設計。日本の原風景をイメージした植栽を内部にしつらえ、ここが京町家における中庭の役目を果たし、風が吹き抜け、サラウンドに「組子ファサード」を感じられる、ドバイとは異なる空間体験を提供するパビリオンとなる予定です。
現時点では、新たなファサード面積に対して、リユースする組子ファサードのパーツをパズルをはめ込むようにして配置しつつ、それぞれのパーツの構造解析を行うなど、設計の詳細段階に入っているとのこと。
プレカンでのプレゼンテーションの最後に、永山氏は大阪・関西万博が2025年10月に終了した後の「次なる場所」の可能性についても触れ、ファサードは三たびの利用を、命ある植栽の植物も廃棄せずに別の場所に植え替えることができればと希望しています。
永山祐子氏コメント:
「今回のパビリオンには、ドバイ万博から大阪・関西万博につなげる試みとして2つの要素があります。1つ目は、ドバイ万博から始まった女性の社会貢献に光をあてた館の継承、そして2つ目は、ドバイ万博日本館のファサードのリユースです。〈ウーマンズ パビリオン〉は、過去の万博で使われたパビリオンの外装をリユースするという画期的な試みとなります。
SDGsをテーマとする大阪・関西万博では、SDGsの17のゴールのうち、日本が不得意としている“SDGs5:ジェンダー平等を実現しよう“と、“SDGs12:つくる責任 つかう責任“、この2つの分野にフォーカスしたパビリオンでもあります。ファサードリユースは、ドバイ万博日本館設計当初から思い描いていた構想でした。今回、実現できることを嬉しく思います。
リユースに向けて、解体の瞬間から今まで、多くの方々の多大なる協力を得てきました。そしてこれからも、2025年の開催に向け、関わる全ての方々との対話、協業を大切にしながら実現に向けて邁進していきたいと思います。2025年にパビリオンが完成したら、これからの未来社会に向けた大切なメッセージとして、多くの方に体験いただきたいと思います」
〈ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier〉のコンセプトは、「When women thrive, humanity thrives ~ともに⽣き、ともに輝く未来へ~」。ここでは、すべての人々が真に平等に生き、尊敬し合い、共に歩みながら、それぞれの能力を発揮できる世界をつくるきっかけを生みだすことを目指すとのこと。世界中の女性に寄り添い、女性たちの体験や視点を通して、公平で持続可能な未来を志すことを来場者に呼びかけます。
具体的には、パビリオンの2階フロアにディスカッションスペースを設け、2023年に始動するトークイベント「WA by Cartier」[*4]を開催する予定とのこと。
*4.WAは「和」「輪」「話」を意味する
カルティエ ジャパンからのコメント:
「創立以来、カルティエは自分らしく生きる女性に寄り添って参りました。2020年ドバイ万博における「ウーマンズ パビリオン」から、2025年大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン」へ。今を生きる女性の視点から、世界の課題に向き合い、語り合い、新しい世界を作り出す――ジェンダーに関わらず全ての人々が平等に生き、尊敬し合い、ともに生き、ともに輝く未来を、このパビリオンから生みだしたいと考えます。」エズ・デヴリン氏コメント:
「事実を捉える人と、感情を捉える人の間に、分断があります。しかし事実は、感じることではるかに効果的になります。ストーリーの語り手は、詩的な合唱芸術などを媒介にして、重要な事実を実感へと変換することができます。パビリオンの影響力は計り知れません。心を動かす力が間違いなくあります。大きな効果を生むでしょう。私たちが資源、時間、想像力を投下するならば、このパビリオンが時や場所を超えてメッセージを発信するラジオ局のような存在になることが重要です。〈ウーマンズ パビリオン〉は、すべての人のためのものであり、世界中の女性のレンズを通して、具体的な課題を明らかにし、これまでの功績を称えるものです。」
グローバル アーティスティック リード:エズ・デヴリン(エズ・デブリン・スタジオ / Es Devlin Studio )
リード アーキテクト:永山祐子(永山祐子建築設計代表)
ハッシュタグ:#Cartier #Expo2025 #WomensPavilion
カルティエ ジャパン プレスリリース(2023年3月8日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000016275.html
経済産業省プレスリリース(2023年3月8日)
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230308005/20230308005.html
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(2023年3月8日)
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20230308-01/
協会による出展参加者内定のプレスリリース(2022年9月26日)
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20220926-01/