2023年5月9日初掲、9月1日竣工画像9点追加
アイウエアブランド・ジンズ(JINS)の新たな店舗〈JINS山形白山店〉が山形市内にオープンしました。
立地は、市街地にあるJR山形駅と、自然豊かな蔵王連峰に向かう道路が交わるところ。県内では4店舗目、山形市内では初となるJINSのロードサイド型店舗となります。
同店舗では、JINSとして初めて産学協働連携にも取り組み、地元の東北芸術工科大学とともに店内の空間演出を行っているのが特徴です。
店舗の設計を、同大学で教授を務める馬場正尊氏(オープン・エー 代表取締役)と、群馬県庁31階東エリアの改修などを手掛けている、オープン・エーの白石洋子氏が担当しました。
店の外からも確認できる、店内の意匠でひときわ目を引くのは、県産木材で柱や梁を組んだダイナミックな架構です。山形県の伝統工芸技術で木を組むことで幾何学模様をつくる「組木(くみき)」がモチーフとなっているとのこと。
山形市は、森林が県土の約7割を占める山形県の中心地。店舗のデザインでは、「Creative Crossing」をコンセプトに掲げ、山形県の自然や伝統、地域の人々とのつながりを活かして、幅広い年代の人々がゆったりと過ごせる空間となることが意識されました。ギャラリースペースも併設されています。
店舗の正面には高窓を設け、全面ガラス張りにすることで、店内に柔らかな光を取り込みました。店内からは蔵王連峰に代表される自然豊かな景観も見ることができます。
ジンズのプレスリリースによれば、今回の新店舗では、地域の人々とのつながりを大切にしたいという思いから、JINSでは初の試みとして、地元の東北芸術工科大学との産学連携で空間演出に取り組みました。
居心地の良い空間づくりを目指した〈JINS山形白山店〉を開店するにあたり、東北芸術工科大学の学生を対象に、デザインコンペティションを実施。そこで選出された作品が、店内のベンチやグラフィックに採用されています。
店内の待合ベンチは、同大学の大学院修士課程 建築・環境デザイン領域2年(応募当時)の清水海斗(しみず かいと)氏の作品〈Rail chair〉です。
「プラレールのように、木と木、人と人、地域をつなぎ合わせる」をコンセプトに、組み替えることで、1人が腰掛けるベンチ、複数人が利用できるベンチとなるようにデザインされています。家具としての機能に加え、棚や机としても利用することができます。
店内で見られるグラフィックも同様に、同大学のグラフィックデザイン学科2年(応募当時)の小松世奈(こまつ せな)氏の作品「はじめまして」が採用されました。
メガネをかけることで今まで見えていなかったものや景色が見えるようになる、メガネをかけた時のワクワク感を、メガネのフレームから乗り出す人々を描くことで表現しています。壁面を彩るとともに、視力測定スペースのパーテーションとしても使われています。
建築家プロフィール
馬場正尊(ばば まさたか)
建築家。オープン・エー 代表取締役
1968年佐賀県生まれ。1994年早稲田大学大学院建築学科修了後、博報堂入社。1998年早稲田大学博士課程、同年に雑誌『A』編集長を務める。2003年にオープン・エー(OpenA)を設立。建築設計、都市計画、執筆などを行う。同時期にウェブサイト「東京R不動産」を開設。2015年に公共空間のマッチング事業『公共R不動産』を立ち上げる。2008年より東北芸術工科大学准教授、2016年に同大教授に就任。白石洋子(しらいし ようこ)
建築家。オープン・エー
1992年愛媛県生まれ。京都工芸繊維大学大学院卒業後、清水建設入社。浦和明の星女子中学・高等学校カフェテリア棟(グッドデザイン賞ほか受賞)、ひらしん平塚文化芸術ホール(PFI: Private Finance Initiativeにて最優秀賞)を担当。2020年にオープン・エー(OpenA)入社。佐賀アリーナVIP、JINS唐津店、西予市役所オフィス改革、熊本の住宅、嬉野温泉大村屋改装、群馬県庁31F東エリア改修などを担当。
所在地:山形県山形市白山2-1-37
営業時間:10:00-20:00
店舗面積:66.7坪
展開本数:約1,000種
オープン日:2023年4月26日
JINSウェブサイト
https://www.jins.com/jp/