COMPETITION & EVENT

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

齋藤精一プロデュース、日没後にフェリーで渡る猿島で自然・時間・感覚に向かい合う芸術祭

横須賀の無人島・猿島にて、日没前後から開場する芸術祭「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021 」が1月22日より開催されています。

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

猿島は一周歩いて40分程度で回れる小さな無人島です。
島の歴史は古く、鎌倉時代に日蓮上人が沖で難破しかけた際に、白猿が島へ導いたという伝説が残り、江戸時代末期のペリー来航時には、ペリー艦隊により「ペリー島」と名付けられたことも。
江戸・東京の海の要衝として、幕末と明治期に防衛設備が整備され、1945年(昭和20)の敗戦までは、一般の立ち入りが禁じられた旧日本軍の「要塞の島」でした。

レンガ積のトンネルや弾薬庫、砲台の跡地は、無人島となった現在では、草木が周りに生長し、東京湾に浮かぶ唯一の自然島となっています。1年を通じては、釣りやバーベキューなどアクテビティを楽しむ人々がこの島を訪れているとのこと[*]。砲台跡は、2015年に国の史跡に指定されています。

そんな時代の変遷を経て今日ある猿島の姿を、アートを通じて新しい視点で捉え、未来へと伝えていくことを目的に開催されるのが、芸術祭「Sense Island」です。

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齋藤精一(Panoramatiks)「JIKU #004_v2022 SARUSHIMA」

同島での開催は、2019年秋の芸術祭「Sense Island – 感覚の島- 暗闇の美術島」以来、二度目。島を訪れた観客は、スマートフォンを封筒の中に入れて「封印」したのちに、島内の各会場へと進むという観賞方式を採りました。暗闇の中で、自分の感覚を研ぎ澄ませ、猿島の自然と作品に対峙するという狙いです。

テクノロジーや時間の概念を取り払い、猿島にある自然の文脈を感じ、自分自身と向き合うような作品や体験を通して、元々私たちが持っていたであろう”感覚”をもう一度取り戻したい。とりわけ、これまでの生活がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)によって大きく変化した今だからこそ、その思いを強く持ち、2022年に再び、この猿島にて開催されます。

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

島内の会場マップ

プロデューサー:齋藤精一(アブストラクトエンジン代表取締役 / パノラマティクス主宰)
参加アーティスト:井村一登、小野澤 峻、Natura Machina(筧 康明 / Mikhail MANSION / WU Kuan-Ju)、忽那光一郎、後藤映則、齋藤精一、中﨑 透、幅 允孝、細井美裕、mamoru、毛利悠子
タイアップアーティスト:HAKUTEN CREATIVE、鮫島弓起雄(ArtSticker / The Chain Museum)

今年のテーマは「音」。国内外で活躍するアーティストや注目の若手アーティストら計13組が参加し、猿島のかつての記憶や音を想起させる作品を発表します。

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

上:齋藤精一(Panoramatiks)「JIKU #004_v2022 SARUSHIMA」
手前:Natura Machina(筧 康明 / Mikhail MANSION/WU Kuan-Ju)「Soundrform no.2 Nature Machina」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

Natura Machina(筧 康明 / Mikhail MANSION / WU Kuan-Ju)「Soundrform no.2 Nature Machina」 2022  Photo: naomi circus

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

中﨑 透「Red bricks in the landscape」 2022  Photo: naomi circus

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

中﨑 透「Red bricks in the landscape」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

毛利悠子「I Can’t Hear You」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

小野澤駿「演ずる造形」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

忽那光一郎「風速0 SR08」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

HAKUTEN CREATIVE(高橋匠 / 中榮康二 / 原慎太郎)「Observation Clock -時の観測台-」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

幅 允孝「孤読と共読の広場」孤読編 2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

幅允孝「孤読と共読の広場」共読編 2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

井村一登「mirror in the rough」2022  Photo: naomi circus

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

井村一登「Spherical Mirage」2022  Photo: naomi circus

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

mamoru「おだやかな孤独」2022

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

mamoru「おだやかな孤独」2022  Photo: naomi circus

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

細井美裕「Theatre me」2022(日中時の撮影)

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

鮫島弓起雄「猿の居ない猿島」2022

齋藤精⼀ / Saito Seiichi

齋藤精一氏

プロデューサーメッセージ

人は昔から自然と共生していました。そこから文明は生まれ、文化となり発展し続けています。しかし、ときに人は人間の進化の速度が遅いがゆえに、自分たちの環境を強制的に変化させ、その行為によって、ときに自然を滅ぼし、 多くの過ちを引き起こしてしまいました。
今の時代は「人間中心」を再定義する時だとも言われています。
「Sense Island – 感覚の島-」では、唯一無二の存在である自然島・猿島だからこそ、知らずのうちに人工的に作ってしまった感覚を取り払い、テクノロジーや時間の概念を取り払い、猿島やそこにある自然の文脈を、そしてその文脈を感じるために自分自身と向き合うような作品や体験を通して、我々が失ってしまった”感覚”をもう一度取り戻す試みを行います。これまでの生活が一変した今、もう一度自分と自分の感覚を、猿島で対峙させてほしいと考えています。(本展プロデューサー 齋藤精一)

会期中は、音楽イベントのほか、プロデューサーやアーティストによる解説つきツアーなども開催される予定です(詳細が決まり次第、公式ウェブサイト・SNSにて発表)。
自然と時間と感覚に向かい合う、唯一無二の芸術祭です。

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

Natura Machina(筧 康明 / Mikhail MANSION / WU Kuan-Ju)「Soundrform no.2 Nature Machina」2022  Photo: naomi circus

「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島2021」開催概要

英語表記:Sense Island Sarushima Dark Museum 2021
会期:2022年1月22日(土)〜3月6日(日)※会期中の金土日曜および祝日と2月10日(木)の計22日間のみ開場
開場時間:16:50-21:00
会場:猿島一帯(神奈川県横須賀市猿島1番)※フェリー運行あり(有料、予約制)
観覧料:一般 大人(高校生以上)3,500円、小・中学生 1,500円、横須賀市民 大人(高校生以上)2,500円、小・中学生 1,000円、小学生未満無料
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と付添人1名までは無料
入場方法:有料無料に関わらず、ウェブサイトからの事前購入が必要

会期中イベント

出演:HAIOKA
開催日時:2022年1月29日(土)、2月11日(金祝) 20:00-20:45(予定)
出演:HAIOKA
協力:竹川潤一(David Watts inc.)
観覧料:一般4,500円ほか(「SenseIsland」観覧+イベントのセットチケットをウェブサイトにて発売)

猿島へのアクセス:フェリー(予約制)
発着時間
往路:三笠桟橋発 16:50 / 17:35 / 18:15 / 19:00
2月以降の往路:16:50 / 17:35 / 18:15
3月4日(金)、5日(土)、6日(日)の往路:16:30 / 17:35 / 18:15
※往路は上記のいずれかのフェリーを予約すること
復路:指定されたフェリーで三笠桟橋に帰着

主催:Sense Island 実行委員会(横須賀集客促進・魅力発信実行委員会、アブストラクトエンジン、トライアングル)
助成:令和3年度文化資源活用推進事業、神奈川県川崎競馬組合が主催する「川崎競馬」の収益配分金を活用した神奈川県市町村自治基盤強化総合補助金対象事業
特別協賛:博展、静科
協力:ArtSticker(The Chain Museum)、ウシオライティング

「SenseIsland -感覚の島- 暗闇の美術島2021」公式ウェブサイト
https://senseisland.com

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2021

*猿島について
参照元:横須賀集客促進・魅力発信実行委員会 ウェブサイトより
https://www.cocoyoko.net/spot/sarushima.html

東京湾要塞跡「猿島砲台跡」詳細(文化庁 文化遺産オンライン)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/267452

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「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」

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「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」

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