建築家・黒川紀章氏によって設計され、1972年に竣工した〈中銀カプセルタワービル〉。「これからは工場生産によるカプセル住宅が主流になっていくであろう」という、黒川紀章の建築思想のもと、建設されました。
黒川氏およびメタボリズム建築の代表作ですが、すでにビルの解体が決まっています。2022年1月に大半の住人が退去し、3月には建物を閉鎖。いよいよ解体工事が始まります。
解体を前に、114あるカプセルの室内を中心に、400枚以上の写真を収録した書籍『中銀カプセルタワービル 最後の記録』が草思社より刊行されました。
過去最大ボリュームにして最後の記録となる書籍の刊行を記念して、3月18日(金)19時より、関係者が登壇するトークイベントが代官山 蔦屋書店開催され、オンラインでも配信されます。
ゲストとして黒川紀章の子息・黒川未来夫氏が招かれるほか、保存再生プロジェクトの代表を務めていた前田達之氏と、カプセルの元住人たちが登壇し、中銀カプセルタワービルでのライフスタイルや、ビルとカプセルの今までとこれから、今後の美術館への寄贈や「泊まれるカプセル」の運営など、解体後に進められる予定の「未来のカプセル」についても言及。また、聴講者からの質問も受け付けるとのこと。
モデレーターは、2021年に7カ月の間、カプセルに入居し、実際に生活したという、代官山 蔦屋書店コンシェルジュの野村千絵氏が務めます。
登壇者プロフィール
黒川未来夫(くろかわ・みきお)
1965年 東京生まれ。株式会社MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO 代表取締役。
東亜大学大学院総合学術研究科客員教授。
1990年に東京藝術大学美術学部卒業。2008年〜2016年に黒川紀章建築都市設計事務所の代表取締役を務める。現在、建築設計およびデザインのかたわら、中銀カプセルタワービルの室内を利用した「CAPSULE+LIBRARY」の開設(2019〜2020)や、長野県御代田町のメタボリズム住宅「CAPSULE HOUSE-K」の動態保存活動(2019〜)などを展開。
手がけた主なプロジェクトに、日本芸術院美術品収蔵庫(2014年 東京)、千壽介護老人保健施設(2013年 東京)、佐渡インフォメーションセンター(2014年 新潟)、ナザルバイエフ大学マスタープラン(2009〜2014年 カザフスタン)、ヴァンゴッホミュージアム エントランスホール増築(2013年 オランダ)などがある。前田達之(まえだ・たつゆき)
1967年東京生まれ。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表。
建物の保存と再生を目的に、2014年にオーナーや住人とプロジェクトを結成。見学会の開催や、1カ月単位で宿泊できるマンスリーカプセルの運営、取材や撮影のサポートを担ってきた。
編・著書に『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(2015年、青月社)『中銀カプセルガール』(2017年、青月社)『中銀カプセルスタイル』(2020年、草思社)などがある。
講演会の試聴は有料・要申し込み。会場(同店3号館2Fシェアラウンジ)での40名限定の聴講受付は締め切られ、現時点でオンラインでの視聴を100名まで受け付けています。
イベント概要
開催日時:2022年3月18日(金)19:00-20:30
会場:代官山 蔦屋書店3号館2Fシェアラウンジ / オンライン(Zoom配信)
定員:会場40名(締切)、オンライン100名
参加方法:有料、チケット設定は下記・Peatixサイトの受付ページを参照
主催:代官山 蔦屋書店
申し込み・詳細
https://peatix.com/event/3178778