COMPETITION & EVENT

we+(ウィープラス)の個展

we+ Research Project「Nature Study: MIST」浅草 nomena Galleryにて5/22まで

コンテンポラリーデザインスタジオ、we+(ウィープラス)の個展が、東京・浅草のギャラリー[nomena Gallery Asakusa]にて5月22日(日)まで開催されています。

we+(ウィープラス)プロフィール
リサーチと実験に立脚した手法で、新たな視点と価値をかたちにするコンテンポラ リーデザインスタジオ。林 登志也と安藤北斗により2013年に設立。

we+

we+(ウィープラス)共同創業者の2人(左:林 登志也、右:安藤北斗)

利便性や合理性が追い求められる現代社会において、見落されがちな多様な価値観を大切にしながら、私たちを取り巻く自然や社会現境と親密な共存関係を築くオルタナティブなデザインの可能性を探究している。デザイナー、エンジニア、リサーチャー、ライターといった多彩なバックグラウンドやスキルを持つメンバーが集い、日々の研究から生まれた自主プロジェクトをく内外で発表。そこから得られた知見を生かし、R&Dやインスタレーションなどのコミッションワーク、ブランディング、プロダクト開発、空間デザイン、グラフィックデザインなど、さまざまな企業や組織のプロジェクトを手がける。
近年では、自然とともに暮らしてきた歴史を学び、自然現象の移ろいや”ゆらぎ”を生かすことで、自然と人工が融合した新たなもののあり方を模索する「Nature Study」や、都市が生み出す廃材を土着の素材と見立て、複雑になりすぎたものづくりの原点を考察する「Urban Origin」といったリサーチプロジェクトにも力を入れている。

We+ Webサイト
https://weplus.jp/
Instagram: @weplus.jp
https://www.instagram.com/weplus.jp/
ハッシュタグ:#weplus

上記プロフィールのとおり、ミラノデザインウィーク(Milan Design Week)をはじめ、デザインマイアミ(Design Miami / Basel)など、国際的なデザインイベントにて作品を発表し、国内外から高く評価されている we+。彼らの作品には、自然と共に生きてきた人間の野性的な感覚に訴える美しさや、これから先の人間のあり方など、さまざまな思考や想像を呼び起こさせる力があります。
その根底には、テーマに対する周辺環境を含めた歴史の掘り下げや、フィールドワークを通した徹底的なリサーチと、素材や現象の実験を重ねたアウトプットがあり、その一連の流れを体感させる作品や展示手法は、言葉や文化の国境を超えて見る人を共感させ、デザインの新たな可能性を示すものです。

we+ Research Project「Nature Study: MIST」

撮影:林 雅之

今回の展覧会では、we+が実施しているリサーチプロジェクト「Nature Study」の一環として、2021年に発表した、パナソニックのAugLab[*1]との共同研究「Waft」が起点となっており、テーマである「霧」をさまざまな切り口から考察した膨大なリサーチ結果と、霧のふるまいをより鮮明に感じさせるインスタレーションが展示されています。
*1.「Aug Lab」概要:ロボティクス技術が自動化(Automation)以外にもたらす新しい価値として、自己拡張(Augmentation)をテーマに、研究開発を行うための組織。2019年4月開設。人を全ての中心に置きながら、自己拡張(Augmentation)技術の開発によって、人の感性や心にも働きかけ、何気ない日常が豊かになる「Well-being」な社会に貢献することを目指し、工学以外の視点も加えて研究しながら、デザイナー・クリエーターらとの共創・プロトタイピングを通じて探索している。詳細:https://tech.panasonic.com/jp/auglab/

we+ Research Project「Nature Study: MIST」

撮影:林 雅之

展覧会コンセプト

自然破壊につながるものづくりや、それを加速させる消費スタイルの限界から、さまざまな取り組みが進められる現在、We+では、環境保護という 画一的な視点にとどまらず、自然や社会環境と人間の関係を見つめ直し、親密な共存関係を築くデザインの可能性を探究しています。その1つが、自然とともに暮らしてきた歴史を学び、自然への共感を促す視点や表現を模索するリサーチプロジェクト「Nature Study」です。
水や風の流れ、光のきらめき力や重力といった自然現象の移ろいやゆらぎ、多層的な美しさと人々の関係を、歴史やフィールドワークを通して解くとともに、実験を繰り返すことで、プロダクトの制作手法やインスタレーションの要素として昇華。人工と自然が融合した新たなもののあり方を提案しています。

we+ Research Project「Nature Study: MIST」会場風景

撮影:林 雅之

Nature Study: MIST

人々は古来より自然とともに暮らしを営んできました。とりわけ、ゆたかな自然に恵まれた日本では、家にまつわる言葉だけでも枚挙にいとまがなく、川霧 、靄(もや)、霞(かすみ)と、さまざまな表現が存在します。
自然への細な感覚と共感は、俳句や書 西、季節の行事にも多数垣間見ることができます。しかし、利便性や合理性が求められる現代の暮らしにおいて、霧はただ視界を遮る気象変化と捉えられがちであり、想いをはせ、愛でる感覚は失われつつあるのかもしれません。
本展では、森をさまざまな切り口から考察するリサーチとともに、霧のふるまいをより鮮明に感じるためのインスタレーションを展示、人々が本来持つ自然への細やかな感性を呼び覚まし、自然とのつながりを取り戻すきっかけを提供します。

we+ Research Project「Nature Study: MIST」会場風景

撮影:林 雅之

we+ Research Project「Nature Study: MIST」会場風景

撮影:林 雅之

we+ Research Project「Nature Study: MIST」会場風景

撮影:林 雅之

Message from we+

パナソニックの AugLabとの共同研究である「Waft」のプロトタイプが完成したのは昨年夏のこと、プロトタイプはその後、パナソニックセンターでの展示の機会に恵まれましたが、「Waft」そのものはもちろん、その制作に至る過程や、霧という自然現象と向き合い得た学びも含めたリサーチプロジェクトとして発表する場をつくりたいと考えるようになりました。

we+(ウィープラス)個展プロジェクトメンバー

we+ Research Project「Nature Study: MIST」プロジェクトメンバー
左から:林 登志也(Co-Founder)、安藤北斗(Co-Founder)、関口愛理(Design Lead)

we+におけるリサーチプロジェクトとは、あるテーマに対するリサーチを、周辺現境を含めた歴史の深堀りやフィールドワークを通して行 なう一方、素材や現象の実験を繰り返すことで、プロダクトやインスタレーションなど、新たなアウトプットへと昇華させる一連の流れのこ とです。日々試行錯誤を重ねた実験や研究のプロセスも包括的にアウトプットすることで、私たちの思考と視点を、今まで以上に多角的に社会に発信できるのではないかと考えています。コロナ禍で発表の場が限られる現在ですが、デザインスタジオとして今あるべき方向性を見つめ直し、取り組んできた本プロジェクトが、議論を深めるきっかけとなればと思います。

6月にはミラノデザインウィーク および Design Miami/Basel 2022への出展も予定しています。そちらでは「Urban Origin」という別のリサーチプロジェクトを発表する予定です。

みなさまとお会いできることを楽しみにしています。

会期中は、we+メンバーによるギャラリーツアーを実施するほか、多彩なゲストを招いてのトークイベントも計4回、会期の土・日曜に開催されます。

we+ Research Project「Nature Study: MIST」開催概要

主催:we+ inc.
プロジェクトメインメンバー:林 登志也(Co-Founder)、安藤北斗(Co-Founder)、関口愛理(Design Lead)
協力:パナソニック ホールディングス AugLab、ベルックス、ノムラメディアス、MOLp(三井化学そざいの魅力ラボ)、nomena inc.
ディレクション・プランニング:安藤北斗、林 登志也、関口愛理
リサーチ:関口愛理、レビエ・レベッカ、本多沙映(いずれもwe+)
デザイン:庄司竜郎、青木陽平(共にwe+)
テクニカルサポート:nomena
Waft 撮影:林 雅之
フィールドワーク制作プロセス撮影・編集:村瀬健一
PR:山本真澄

we+ Research Project「Nature Study: MIST」

展覧会会期:2022年5月14日(土)~5月22日(日)
開廊時間:12:00-19:00
会場:nomena Gallery Asakusa
所在地:東京都台東区浅草7-4-21 上菊ビル 2F(Google Map
URLhttps://nomena.co.jp/

nomena gallery Asakusa Map

関連イベント

ギャラリーツアー
開催日:5月14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日)
開始時間:12:30 / 14:30
ツアー所要時間:約30分
各回定員:20名(先着順に受付)
参加費:無料(申込不要)

トークイベント詳細・申込ページ
https://nature-study-mist.peatix.com/

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン

we+(ウィープラス)TOPICS

COMPETITION & EVENT2021.10.13

「Cultural Synthesis in "THE MODULE roppongi”」

TAKT PROJECT、we+ら多数参加のオープニングイベント
COMPETITION & EVENT2021.11.30

須藤玲子、林雅之、we+によるコラボレーション展「nuno nuno」

12/1より六本木のアクシスギャラリーにて開催、NUNO作品集『NUNO – Visionary Japanese Textiles』刊行記念
COMPETITION & EVENT2021.12.20

21_21 DESIGN SIGHT企画展「2121年 Futures In-Sight」展

コロナ禍を経た100年後の未来を we+、永山祐子、深澤直人、山崎 亮ら72人が視覚化する!
FEATURE2022.06.06

ミラノデザインウィーク 2022年の見どころは?

世界最大規模のインテリアとデザインの祭典、ミラノサローネとフオリサローネ
FEATURE2023.04.17

2023年「ミラノデザインウィーク」見どころ

世界最大規模のインテリアとデザインの祭典、ミラノサローネとフオリサローネ 4年ぶりの4月開催
COMPETITION & EVENT2023.06.15

海苔×ARAKAWA GRIP「Less, Light, Local」

素材の可能性を探究するwe+のプロジェクト、ミラノからの凱旋展
COMPETITION & EVENT2022.10.03

須藤玲子、林雅之、we+によるコラボ展、再び!

京都・堀川新文化ビルヂング開館1周年記念展「KYOTO nuno nuno」10/5より開催
COMPETITION & EVENT2023.10.05

「KYOTO ITO ITO Exploring Tango Threads —理想の糸を求めて」

須藤玲子氏率いるNUNOとwe+(ウィープラス)が再びコラボ、堀川新文化ビルヂング開館2周年記念展
COMPETITION & EVENT2023.11.19

we+「表現する素材展 More than Materials」HANEDA INNOVATION CITY ®︎にて11/26まで開催

[Report]大田区内のものづくりの現場・町工場で蒐集した75点を展示
FEATURE2024.04.18

世界最大規模のインテリアとデザインの祭典「Milano Design Week 2024」

「ミラノサローネ」と「フオリサローネ」2024年の見どころ

nomena gallery Asakusa

COMPETITION & EVENT2024.05.08

nomena初の単独展「nomena まだ意味のない機械 ― phenomenal #03」

浅草・nomena gallery Asakusaにて5/26まで、三澤 遥氏、吉泉 聡氏、岡崎智弘氏、荒牧 悠氏、角尾 舞氏、武井祥平氏が登壇するトークイベント 5/10・5/24開催(ライブ配信あり)

RECOMENDED ARTICLE

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ