2022年10月3日初掲、10月6日会場写真追加
昨年12月に六本木のAXISギャラリーで開催された「nuno nuno展」が京都にて開催される。テキスタイルデザイナーの須藤玲⼦氏が率いるnunoが、京丹後を含めて全国の染織産地の職人たちと共に取り組んできた布づくりをインスタレーションで紹介。会場デザインをwe+(ウィープラス)が担当。NUNOの作品集の写真撮影も手がけた林 雅之氏の作品もあわせて展示。
テキスタイルデザイナーの須藤玲⼦氏が率いる、テキスタイルデザインスタジオ・NUNOによる展覧会「KYOTO nuno nuno」展が、京都市内で10月5日より開催されます。
昨年12月に東京・六本木のAXISギャラリーで開催された、須藤氏のこれまでの布づくりの全貌を紹介した展覧会「nuno nuno」をベースに、新たに京都エディションとして制作、発表されるもので、表面にNUNOのテキスタイルを張ったキューブ状のオブジェによるインスタレーションが京都に登場します。
NUNOはこれまで、米国、英国、フランス、香港など、世界各地で展覧会を開催していますが、その原点ともいえるのが、2001年に京都芸術センター(旧明倫小学校をコンバージョンして2000年にオープンした複合施設)で開催された、初の単独展「布・技と術(わざとわざ)」とのこと(プレスリリースより)。今回の「KYOTO nuno nuno」展は、京都でのそれ以来、21年ぶりの展示となります。
本展では、NUNOが設立当時より一貫して取り組んでいる、全国の染織産地の職人との協働による布づくりについて、膨大なアーカイブから厳選して紹介します。
京都エディションとなる本展では、NUNOのものづくりを支える重要な産地の1つである、京丹後で制作されたテキスタイルにスポットがあてられます。
会場では、NUNOのテキスタイルが張られた複数キューブが、宙に浮かんでいるかのように配置されます。これらのテキスタイルは、さまざまな素材や表現技法が呼び起こす身体感覚や感情に注目している、NUNOが昨年初めて刊行した作品集『Reiko Sudo|NUNO – Visionary Japanese Textiles』にも、切り口として登場するワード「FUWA FUWA(ふわふわ)」「KIRA KIRA(キラキラ)」「ZAWA ZAWA(ザワザワ)」などのオノマトペを手がかりに、選ばれたものです。
昨年の開催と同様に、会場には、写真家の林 雅之氏が『Reiko Sudo|NUNO – Visionary Japanese Textiles』のために撮りおろしたNUNOの写真作品もあわせて展示されます。林氏が約3年をかけて撮影した426種・約3200カットからの厳選です(書籍は、同ビル1階の大垣書店で購入可能)。
NUNOのテキスタイルはさまざまな素材で制作されていますが、このマテリアルに極限まで迫って撮影され、高解像度で出力された林氏の作品を通してみると、糸を編み、素材が織りなすプロダクトであることが改めてわかり、また、人間の目では捉えきれない新たな世界を垣間見ることができます。
展示空間のデザインを担当するのは、林 登志也氏と安藤北斗氏によるコンテンポラリーデザインスタジオ・we+(ウィープラス)。須藤氏とNUNO、ウィープラス、林氏の3者が再びタッグを組んだコラボーレーションとなる本展は、会場となるギャラリースペース・NEUTRALが入っている、堀川新文化ビルヂングの開館1周年を記念して開催されます。
堀川新文化ビルヂング1Fのカフェ[Slow Page]にも、キューブのオブジェが登場。ギャラリーとカフェは自然光が入る空間で、六本木のAXISギャラリーでの展示とはまた異なる空間が出現します。
須藤玲子(すどう れいこ)氏プロフィール
茨城県⽯岡市⽣まれ。株式会社 布代表。東京造形⼤学名誉教授。2008年より良品計画、⼭形県鶴岡織物⼯業共同組合、株式会社アズほかのテキスタイルデザインアドバイスを⼿がける。2016年より株式会社良品計画アドバイザリーボード。毎⽇デザイン賞、ロスコー賞、JID部⾨賞等受賞。
⽇本の伝統的な染織技術から現代の先端技術までを駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ロサンゼルス州⽴美術館、ビクトリア&アルバート博物館、東京国⽴近代美術館ほかに永久保存されている。
NUNO 公式ウェブサイト:www.nuno.com
we+(ウィープラス)プロフィール
リサーチと実験に立脚した独自の制作・表現手法で、新たな視点と価値をかたちにするコンテンポラリーデザインスタジオ。林 登志也と安藤北斗により2013年に設立。人と、人を取り巻くあらゆる物事・自然環境の間に親密な共存関係を築くオルタナティブな視点や表現を探究しており、近年は、自然現象の移ろいやゆらぎを可視化することで、人工と自然が融合した新たなものづくりのあり方を提案。国内外で自主制作作品を発表する他、日々の研究から得られた知見を生かし、空間デザインやインスタレーション、ブランディング、プロダクト開発、R&Dなど、さまざまな企業や組織のプロジェクトを手がける。
we+ 公式ウェブサイト:www.weplus.jp
林 雅之(はやし まさゆき)氏プロフィール
写真家。東海大学教養学部在学中より写真を始め、フリーランスとして現在に至る。プロダクトや家具などのスチルライフを中心に撮影を行うと同時に作品制作活動を行う。
主な展示に2009年 代官山ヒルサイドテラス 温室の半屋外空間での展示インスタレーション「景花」、2010年南青山スパイラルガーデンでの「Building Building」、2017年IDÉE SHOP 六本木での「Black and White」などがある。作品集の出版は2005年「mannequins」、2010年 「the secret life of mannequins」(2010年 「Building Building」、2012年「Living Flowers」など。NUNO初の作品集『NUNO – Visionary Japanese Textiles』では、約3年間におよぶ制作期間のなかで、未収録を含む426点ものNUNOのテキスタイルを撮り下ろした。
MASAYUKI HAYASHI PHOTOGRAPHIES 公式ウェブサイト:www.mho.jp
なお、本展の記録として、関係者へのインタビューなどをまとめた書籍が大垣書店から発行される予定です。
読み:キョウト ヌノヌノ
会期:2022年10月5日(水)~10月30日(日)※会期中無休
開館時間:10:00-19:00 ※10月28日(金)は17:00閉場
会場:堀川新文化ビルヂング ギャラリースペース・NEUTRAL
所在地:京都府京都市上京区皀莢町(サイカチチョウ)287(Google Map)
問合せ先:075-431-5537(NEUTRAL 10:00-19:00)
入場:無料
関連企画・ギャラリートーク
⽇時:2022年10⽉6⽇(⽊)20:00-21:00
定員:50名 ※予約制、定員に達したため受付締め切り
参加費:無料
主催・企画:NEUTRAL(運営:大垣書店)、株式会社布
共催:京都府
特別協力:THE OFFICE
協力:HAKUTEN
展示・グラフィック デザイン:we+
堀川新文化ビルヂング ウェブサイト
horikawa-shinbunkabldg.jp