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中銀カプセルタワービルのカプセルを再活用した新スペース〈SHUTL〉が東銀座に誕生

一般公開を10/7-8実施、10/13よりオープニング展示シリーズ「伝統のメタボリズム」第一期開催

黒川紀章建築〈中銀カプセルタワービル〉の解体工事中に取り外され、”レスキュー”されたカプセルのうち2基が、東京・東銀座で新たなスペース〈SHUTL(シャトル)〉となって活用されます。

〈SHUTL〉は、カプセルを取得した、総合エンタテインメント企業グループ・松竹の本社が入っている東劇ビルの隣接地に鉄骨造で新設されたもので、内部にそれぞれ仕様の異なる2基のカプセルを格納。屋外スペースとあわせ、伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場(ラボ)として機能します。

『TECTURE MAG』では、オープンに先立ち開催されたメディア内覧会を取材しました。

 

中銀カプセルタワービルから”レスキュー”された黒川紀章の”カプセル”2基を松竹が取得、再生。新スペース「SHUTL(シャトル)」を東銀座に今秋オープン!

アートスペース〈SHUTL〉

〈SHUTL〉外観(撮影:archipicture 遠山功太 / 提供:松竹)

施設コンセプトは「未来のオーセンティック」

〈SHUTL〉では、コンセプトとして「未来のオーセンティック」を掲げ、2基のカプセルにて、美術・工芸作品の企画展示・販売、映像上映などのイベントを開催する予定です(スペースコンセプト&メディア設計・運営・自主企画の企画立案:マガザン)。

今年4月の計画概要の発表では、1基からのカプセルの貸し出しも計画されており、歌舞伎や映画などに代表される松竹が有する伝統的な日本文化の継承実績をもとに、日本文化の再定義・再評価と、若手のアーティスト育成を推進。伝統文化と現代のカルチャーの融合、日本文化そのものの新陳代謝を促進し、伝統と現代の新たな接続方法を生み出す場として活用されます。

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

SHUTL 見取図 / 利用イメージ

〈SHUTL〉平面構成
・CAPSULE A -A906(ORIGINAL)
・CAPSULE B – A1006(SKELETON)
・FREEDOM SPACE
・OUTER SPACE

CAPSULE A -A906(ORIGINAL)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

タイプA「オリジナルカプセル」外観(撮影:archipicture 遠山功太 / 提供:松竹)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」内観 ※丸型ブラインドが閉じた状態(撮影:archipicture 遠山功太 / 提供:松竹)

中銀カプセルタワービルからレスキューされた後、1972年の竣工当時の姿に修復された「オリジナル・カプセル」。
面積:全体 約8.5m²(幅約2.3m × 奥行き約3.7m)
天井高:約2.1m

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」内観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」内観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」内観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」内観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」内観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「オリジナルカプセル」外観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

CAPSULE B – A1006(SKELETON)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

タイプB「スケルトンカプセル」外観(撮影:TEAM TECTURE MAG)

「スケルトンカプセル」内観(撮影:archipicture 遠山功太 / 提供:松竹)

レスキューしたカプセルをスケルトンの状態で保存したミニマルな空間。床は土足のまま入れるように金網を張っている。
面積:10.8m²(幅約2.6m × 奥行き約4.15m)
天井高:約2.3m

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「スケルトンカプセル」内部 床面(撮影:TEAM TECTURE MAG)

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「スケルトンカプセル」内観 撮影:TEAM TECTURE MAG

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

「スケルトンカプセル」外観 撮影:TEAM TECTURE MAG

FREEDOM SPACE

2基のカプセルの間に位置する”余白”の空間。作品の展示や、出展作家のグッズ販売のほか、パフォーマンス、ワークショップなども可能。自由な表現と開かれた交流の機会を提供する。

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

フリースペース(撮影:archipicture 遠山功太 / 提供:松竹)

OUTER SPACE

SHUTLの敷地内にある屋外スペース。壁はコンクリートで、さまざまな表現が可能。

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

屋外スペース(撮影:archipicture 遠山功太 / 提供:松竹)

〈SHUTL〉施設概要

所在地:東京都中央区築地4-1-8(Google Map)
棟数:1棟
階数:地上1階建
構造:鉄骨造
面積:約85m²(幅約6.4m × 奥行き約13.3m)
天井高:約4m
壁仕上げ:石膏ボード+塗装
床仕上げ:モルタル仕上+ウレタン(クリア)塗装

SHUTL Website
https://shutl.shochiku.co.jp

SNS
Instagram @shutl_shochiku
https://www.instagram.com/shutl_shochiku/
Facebook @shutl.shochiku
https://www.facebook.com/shutl.shochiku
X(旧Twitter)@shutl_shochiku
https://twitter.com/shutl_shochiku

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

〈SHUTL〉外観(スケルトンカプセル側) 撮影:TEAM TECTURE MAG

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

〈SHUTL〉外観(オリジナルカプセル側) 撮影:TEAM TECTURE MAG

グランドオープンした10月7日(土)と翌日8日(日)は〈SHUTL〉が一般公開され、それぞれ仕様の異なる状態で設置された2基のカプセルの内部を見学できます(今後、SHUTLのスペースに入場できるのはイベント開催時となるため、「オリジナル」「スケルトン」両カプセルとも作品展示などがない状態で見られるのはこの2日間のみ)。

〈SHUTL〉一般公開

実施日:2023年10月7日(土)、8日(日)
開場時間:両日とも13:00-19:00
入場料:無料
定員:30名 ※混雑時は入場制限を実施
※10月9日(月)から展覧会開催準備のため閉場
※写真撮影・SNSなどへの投稿可

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)一般公開

オープニング展示シリーズ「伝統のメタボリズム」

施設コンセプト「未来のオーセンティック」を体現する企画として、伝統という概念そのものを問い直し、新陳代謝を促進するさまざまな表現を、「言葉と文字」「様式の変容」「見立て」の3期にわたって紹介します。

松竹 アートスペース・SHUTL(シャトル)

展覧会スケジュール
第1期「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」
会期:2023年10月13日(金)~11月5日(日)
出展作家:最果タヒ+佐々木 俊、松田将英、三重野 龍
入場料:無料

第2期「伝統のメタボリズム〜様式の変容〜」
会期:2023年12月15日(金)~2024年1月21日(日)予定
※年末年始休業期間:12月26日(火)〜1月4日(木)
出展作家:品川 亮、野田ジャスミン
入場料:無料

第3期「伝統のメタボリズム〜見立て〜」
会期:2024年2月中旬~3月中旬

詳細・SHUTL WEBサイト EXHIBITIONSページ
https://shutl.shochiku.co.jp/exhibition/

協働事業者・株式会社マガザン 会社概要

2017年(平成29年)京都にて創業(現所在地:京都府京都市上京区中書町685番地1 / 代表取締役:岩崎達也)。
ブランディング支援・コンサルティング(企画・マーケティング)・メディア関連事業(企画・制作)・宿泊事業・小売事業を手掛ける。運営する「泊まれる雑誌 マガザンキョウト」などを拠点に、さまざまなカルチャーを編集し伝えるプロジェクトを、地域・コミュニティ、ステークホルダーとともに創出・推進している。

MAGASINN(マガザン)Website
https://magasinn.xyz/

 

 

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