■建築模型や照明器具のプロトタイプをディスプレイに!
建築家の妹島和世氏が手掛けたウィンドーディスプレイが、東京・銀座7丁目の〈SHISEIDO THE STORE(シセイドウ ザ ストア)〉で3/18より展示されています。
この展示は、妹島和世建築設計事務所またはSANAAが手掛けた、建築の屋根の部分の模型や照明器具のプロトタイプを用いてディスプレイしたもの。
すでにTECTURE MAGではニュース記事として取り上げていますが、現地でのフォトレポートと解説をお届けします。
Photographs: toha
銀座・中央通り側のファサード。1階ショーウインドーに妹島氏によるディスプレイが並ぶ。足を止めてじっくりと見る人も。
〈SHISEIDO THE STORE〉エントランスに向かって右手に用いられているのは、〈新香川県立体育館〉(2023完成予定)の大屋根スタディ模型。
Roof study model, Scale 1:100
Kagawa Prefectural Gymnasium, Kagawa Japan
SANAA
「瀬戸内海をのぞむ海際に建つ体育館の計画。メインアリーナ・サブアリーナ・武道施設兼多目的ルームの3つの大きさの違う大空間をつなげる大屋根のスタディ模型。全体形状や内部環境、敷地周辺への影響などを、屋根の高さや変曲点を変えた模型を数多く作り比較検討した。」- 作品説明より
エントランスに向かって左手に用いられているのは、中国・濮院で計画中のデザイン&イベントセンターの屋根スタディ模型。
Roof study model, Scale 1:100
Puyuan Design and Event Center Puyuan, China
Kazuyo Sejima & Associates「上海から南西へ列車で1時間ほどの都市Puyuanに計画中のデザイン&イベントセンター。歴史的建築を多く残す旧市街を流れる川の中洲に建つ。細い部材のメッシュ構造で、透明で有機的、自然と親密な空間を目指す。構造のスタディのためにいくつか作成されたもの。」- 作品説明より
花椿通り側に回った面の右手のディスプレイで用いられている屋根の模型は、具体的なプロジェクト名は明かされていないが、鋼材と木集成材のハイブリッド構造を想定した模型とのこと。
2種類の部材による線と所々で抜かれた丸が、布地のパターンのように見えてくる。
Roof study model, Scale 1:50
SANAA屋根構造スタディモデル 縮尺1/50
「屋根構造のスタディのための模型。菱形に組まれたH型鋼の梁に木集成材の桁をかける構造形式。ここでは、屋根の構造をそのまま見せる設計のため、その構造は空間を決める重要な要素となる。梁構造や木製の梁のサイズと見え方などのスタディのために制作したもの。」- 作品説明より
花椿通り側のファサード左手のディスプレイで用いられているのは、透明なアクリル球を重ねたフロアスタンドライトのプロトタイプ。
FORM OF LIGHT
floor stand light, prototype
Kazuyo Sejima
YAMAGIWA / Hommage to Frank Lloyd Wright 2019「透明な明かりを透明なアクリル球を重ねることで作る。昼間は周りを柔らかく反射しながら周りに消えるようにたち、だんだん暗くなってくると、下からの明かりとともに浮かび上がってきて周りに不思議な影を作る。」- 作品説明より
■銀座建築鑑賞の注目スポットに!
建築のスタディ模型やプロダクトのプロトタイプがまったく別のものに見え、銀座の街で違和感なく溶け込んでいます。
そして美しい曲線を描き透明感のあるオブジェのような展示は、街を行き交う人の足を止め、通りに新鮮な風景を生んでいます。
本ディスプレーは、9/14まで。時間を変えて見るのもオススメです。
なお近くには、話題の〈ルイ・ヴィトン 銀座並木通り店〉などの注目作も目白押し。
なかなか出かけにくい時期ではありますが、銀座界隈での建築鑑賞の際には、ぜひご覧ください。
(jk)
展示場所:〈SHISEIDO THE STORE〉1階ウィンドウ
所在地:東京都中央区銀座7-8-10(Google Map)
ウィンドーデザイン:妹島和世