9月は、建築を「体験」と「応答」で楽しめる展覧会が各地で開催されます。都市模型を介して市民が未来を語る丹下健三展、設計者の思考の軌跡が広がるSDレビュー、自然やゲストとの対話を重ねる川島範久展、街そのものを展示空間に変える岡山芸術交流、姉妹都市の交流を舞台に広がる大阪フォーリサローネ、議論と実践を往復するDESIGNEAST。空間と社会を結ぶ相互作用を体感しに出かけてみませんか。
丹下健三の建築思想と都市構想を再考する展覧会。今治市を舞台に、市庁舎や公会堂といった実作とともに、大規模な都市模型が披露されます。未来の都市像を市民とともに語り合う場としての役割を持ち、パリ展で高評価を得た「明治神宮内苑・外苑模型」をはじめとしたオリンピック建築の模型展示も見どころ。パリで開催され注目を集めた巡回展を含め、市内3会場で無料公開されます。
丹下健三 -世界のTANGE- 特別展
会期:2025年8月2日(土)~ 2025年9月28日(日)
会場:今治市玉川近代美術館、今治市民会館、今治市河野美術館
建築・環境・インテリアの実作にフォーカスした展覧会「SDレビュー2025(第43回 建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展)」が、東京と京都の2会場で開催されます。建築家・槇文彦氏の提唱により1982年に始まったこのレビューは、現代建築の可能性を伝える場として、今もなお高い注目を集めており、設計者の思考の軌跡を、ドローイングと模型を通じて読み解くことができる貴重な機会となっています。
SDレビュー2025
会期:2025年9月19日(金)〜 2025年9月28日(日)
会場:ヒルサイドテラス F棟 ヒルサイドフォーラム
川島範久建築設計事務所+明治大学川島研究室による展覧会。これまでの実作や進行中プロジェクトを、模型やマテリアル、ドローイングを通して紹介します。サステナブルでありながら「デライトフル=歓びに満ちた」建築と地域デザインの可能性を提示します。会期中はトークイベントも開催予定。魚谷繁礼、畑友洋、塚本由晴、倉方俊輔、家成俊勝、木村吉成らが登壇し、「環境」「学び」「サステナビリティ」など多様なテーマを議論します。
川島範久展 2025 in 大阪
会期:2025年9月5日(金)〜 2025年9月19日(日)
会場:ギャラリー日本橋の家
3年に一度開催される国際展「岡山芸術交流 2025」。世界12ヵ国から31組のアーティストや建築家が集結し、歴史的建物や学校跡地を展示の舞台として作品を展開します。フィリップ・パレーノら国際的に活躍する作家に加え、2025年大阪・関西万博の「大屋根リング」を設計した建築家・藤本壮介氏も参加し、街を読み替えるような空間装置を設計しています。都市そのものを展示空間に変換するこの試みは、美術と建築が交差し、都市そのものを再編集する試みとして注目されます。
岡山芸術交流 2025
会期:2025年9月26日(金)〜 2025年11月24日(月・振替休日)
会場:旧内山下小学校/岡山県天神山文化プラザ /表町商店街 /岡山市内各所
ミラノと大阪の姉妹都市関係を背景に、日本で初開催される都市型デザインフェスティバル。大阪を拠点とする企業やクリエイターの展示に加え、Old Kan(浦田晶平氏)によるトークプログラムもあり、都市を舞台にデザインの新しい交流を創出します。イベントディレクターは建築家・永山祐子氏。光と“間”を編み込みながら空間を構築する独自の感性が会場構成に反映されることが期待されます。
OSAKA FUORI SALONE 2025
会期:2025年9月10日(水)~ 2025年9月16日(火)
会場:メイン会場|高島屋大阪店6F、7F催事スペース、サテライト会場| 関連店舗・ショールーム・ギャラリーなど
9年ぶりの復活となる「DESIGNEAST 2025」は、デザインと建築で「場をデザインする」都市型フェスティバル。“IKIKIIKIIKI”をテーマに、建築家・家成俊勝氏をはじめとするディレクター陣が、トークや展示、ワークショップを通じて「デザインする状況をデザインする」ことを実践します。トークプログラムには、建築家・塚本由晴氏(アトリエ・ワン、東京科学大学教授)をはじめ、多様な視点から建築とデザインの未来を描くゲストが登壇。ワークショップやエキシビション、マルシェなどのプログラムも同時開催。
DESIGNEAST
会期:2025年9月19日(金)~ 2025年9月21日(日)
会場:名村造船所跡地/クリエイティブセンター大阪
このほかにも、『TECTURE MAG』ではさまざまなイベント情報を紹介中です(随時更新)。お見逃しなく!
参照元:今治市役所プレスリリース、OSAKA FUORI SALONE実行委員会プレスリリース、岡山芸術交流実行委員会プレスリリース、Nori Kawashima Lab公式サイト、DESIGNEAST公式サイト
トップ画像:©Mikiya Takimoto