東京、パリ、ニューヨークをに拠点を構え、国際的に活躍する日本人建築家の一人、坂 茂(ばん しげる|1957〜)。1985年に坂茂建築設計を設立して以降、手がけてきた木造プロジェクトは、プレハブ式の合板住宅からコンピュータ制御で造形された集成材のグリッドシェルなど、65以上におよびます。これら中から45の木造プロジェクトを選んで収録した書籍が、グラフィック社から9月に刊行されます。
巻頭には、坂 茂のほか、環境活動家のポール・ホーケン(Paul Gerard Hawken|1946〜)、スイスの木造エンジニアで、坂とともに建設に携わるヘルマン・ブルーマー(Hermann Blumer|1943〜)によるエッセイも収録。設計図、写真、解説文をもとに、コンセプトから施工までのプロセスをたどり、坂 茂による木の建築の真髄とその魅力に迫ります。
目次
序文|ポール・ホーケン
なぜ私は木でつくる建築が好きなのか|坂茂
木造技術者になるということ|ヘルマン・ブルーマー
イントロダクション なぜ木造なのか?
タイムライン 紙から木へ
プロジェクト紹介
・家具の家 No.1
・竹の家具の家
・サガポナック・ハウス
・無垢杉の家
・仙石原の住宅
・光と翳の家
・本棚の家
・スコルコボ・ゴルフクラブハウス
・富士山静岡空港
・アートビオトープスイートヴィラ
・ししいわハウス No.2
・今井病院付属託児所
・今井篤記念体育館
・女川駅+ゆぽっぽ
・ポンピドゥ・センター・メス
・ジーシー大阪営業所ビル
・TAMADIC 名古屋
・大分県立美術館 (OPAM)
・静岡県富士山世界遺産センター
・ラ・セーヌ・ミュジカル
・HOUSE VISION 2016 凝縮と開放の家
・ししいわハウス
・キッズドームソライ
・熊本地震 木造仮設住宅
・タメディア新本社
・ヴァンサンテ+N邸
・禅坊 靖寧
・農家レストラン 陽燦燦
・アスペン美術館
・三角の家
・クアパーク長湯
・ショウナイホテル スイデンテラス
・由布市ツーリストインフォメーションセンター
・ナインブリッジズ・ゴルフクラブハウス
・ヘスリー ハムレット
・スウォッチ/オメガ キャンパス
プロジェクト一覧
・計画案
・竣工プロジェクト
・進行中プロジェクト
付録
東京生まれ。1985年坂茂建築設計を設立。1995年災害支援活動団体 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)設立。紙管を使った災害時の復興住宅などで知られる。
主な作品に〈大分県立美術館〉〈静岡県富士山世界遺産センター〉〈ラ・セーヌ・ミュージカル〉などがある。
主な受賞に、プリツカー建築賞(2014年)、フランス芸術文化勲章コマンドゥール(2014年)、マザー・テレサ社会正義賞(2017年)、紫綬褒章(2017年)など多数。慶應義塾大学環境情報学部教授(2001-2008年)、京都芸術大学大学院教授(芸術研究科)、2023年4月より芝浦工業大学特別招聘教授。
書籍の編集は、坂茂建築設計ニューヨーク(Shigeru Ban Architects America)アソシエイトのローラ・ブリトン氏と、同事務所建築デザイナーのヴィットリオ ロヴァートが担当しています。
編集:ローラ ブリトン、ヴィットリオ ロヴァート
寄稿:坂 茂
判型:A4(上製)
総頁数:272ページ
ISBN:978-4-7661-3751-4
定価:7,920円(10%税込)
発売日:2023年9月
※本稿1枚目の画像(左):本書表紙のドローイング:〈ナインブリッジズ ゴルフクラブハウス〉(韓国・驪州、2010年)
書籍詳細 / グラフィック社 ウェブサイト
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?cat=9&p=51727