広島市の中心部、平和公園からは旧太田川に架かる本川橋を渡って数分の距離にある猫屋町に、広島出身の建築家の谷尻 誠氏と吉田 愛氏が率いる建築設計事務所、SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)が運営する複合施設〈猫屋町ビルヂング〉が9月23日にグランドオープンを迎えます。
建物は、サポーズデザインオフィスが取得した5階建ての既存建物で、同事務所が改修設計を手がけ、さらには今後の施設運営と企画まで行います。
今月23日のグランドオープンに先立ち、今年4月には、工事中の建物内にて、サポーズデザインオフィスが主催するトークプロジェクト「THINK 122」も開催されました(「THINK 122」開催時の概要はこちら)。
市内の舟入本町からサポーズデザインオフィスの広島事務所が移転して4階に入るほか、1階に飲食店、2Fにギャラリーとイベントスペース、そして5階にはサウナ施設が入るのも話題を集めています(サウナは今年10月下旬に運営開始予定)。
グランドオープンする9月23日には、予約制の内覧会(3階〜5階フロア+屋上)のほか、予約不要で参加できるトークイベント「THINK123」&一夜限りの「スナックレインボー」が開催されます(イベントの詳細は後述)。
〈猫屋町ビルヂング〉の1Fは”食”のフロア。サポーズデザインオフィスが東京事務所内に併設していることでも知られる[社食堂]のほか、とんかつとナチュラルワインを提供する[つかんと]や、スパイス料理と炭焼きの店[sibire]、そして、吉田 愛が監修するクラフトアイスクリーム[yacone(ヤコネ)]がオープン。あわせて4つの「おいしい!」が集結します。
2階は「Gallery & Event space」のフロアとうたってはいるものの、行為によって名前が変わる場として運営されます。ギャラリー、イベント、時にはレストランへと移ろう予定です。使い手の思考が介在することで、イベントごとに「名前」が生まれます。サポーズデザインオフィスによって、物(モノ)や事(コト)を伝える文化活動の拠点として運用される計画です。
2階フロアのオープニングは、フランス出身のアーティストで、新潟・佐渡島(さどがしま)に制作拠点を構えるシャルル・ムンカの新作個展「Charles Munka “Tameshigaki (lignes de vies)”」が開催されます(東京・渋谷で今年6〜7月に開催された同タイトルの個展の概要はこちら)。
サポーズデザインオフィスの広島事務所が舟入本町から当ビルに移転。新たにコワーキングスペースも併せて運営される計画とのこと。
複合施設〈猫屋町ビルヂング〉の注目は、サウナ施設[Hiki stargazing sauna]が入居すること(開業は10月下旬予定)。TTNEが監修する本格サウナ施設で、フェイスタオル・ボディソープ・シャンプー・トリートメント・ヘアドライヤーといったアメニティーを洗面エリアに備えているため、利用者は”手ぶら”で訪れることができます(利用料はサウナ料金に含まれる)。
陽の光が差し込み、時には雨粒にもうたれる坪庭をガラス越しに眺めながらサウナに入り、外気浴は吹き抜けのルーフトップを有する半屋外空間へ。その時々にしか楽しめない景色も味わいながら、サウナを楽しみ、ととのいの時間を過ごします。
9月7日より、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて、初代のサウナ会員を募集中です(クラファンの詳細はこちら)。
メッセージ
地元広島で建築設計事務所を始めたのが2000年。当初は仲間内の小さなチームでしかなかったサポーズデザインオフィスも現在は、広島・東京を拠点に国内外で幅広い分野のプロジェクトを手がけるチームとなりました。
近年では「社食堂」「BIRD BATH&KIOSK」「絶景不動産」などの新たな事業を立ち上げ、自社で企画から運営まで手掛けています。依頼を待つだけではなく、自らがつくりたい空間や感動する建築を生み出すために、分野を横断し枠にとどまらない活動をしながら、自分達らしい働き方や新しい設計事務所のかたちを常に模索しています。広島オフィス移転のため、平和公園から程近い猫屋町の古ビルを入手したのが数年前。自分たちが本気でわくわくできる場所、働きたいと思える理想の場所は、仕事場というより「遊び場」と呼ぶに相応しい場所に! 街に開かれた風通しの良いコミュニティー。広島・東京のカルチャーが程よく混ざり「食・職・遊」の交わる交差点のような場所。小さな商業施設「猫屋町ビルヂング」は人と街が共につくる遊び場であり、変化し続ける私たちの空間実験の場でもあります。(谷尻 誠+吉田 愛)
SUPPOSE DESIGN OFFFICE プロフィール
谷尻 誠と吉田 愛が率いる建築設計事務所。創業地である広島のほか東京の計2カ所に拠点を構え、住宅、商業空間、ランドスケープ、プロダクト、インスタレーションなど、幅広い分野のプロジェクトを国内外で手掛けている。
近年の主な作品に、〈NOT A HOTEL NASU〉〈molten[the box]〉〈ONOMICHI U2〉〈松本本箱〉〈虎ノ門横丁〉などがある。
東京事務所に併設した[社食堂]のほか、コーヒースタンド[BIRD BATH & KIOSK]、絶景不動産を開業し、2023年には広島本社の移転を機に商業施設の運営もスタートする。クライアントワークだけではなく、自ら事業をつくり上げ、運営に挑戦するスタイルをとっている。SUPPOSE DESIGN OFFICE Website & SNS
https://suppose.jp/
https://www.facebook.com/SupposeDesignOffice/
主要用途:商業施設
階数:地下1階+地上5階
敷地面積:182.21 ㎡
延床面積:874.031m²
所有者:サポーズデザインオフィス
企画・運営:サポーズデザインオフィス
設計監理:サポーズデザインオフィス
施工:SET UP CO., LTD.+an.FIELD
植栽:SOLSO
FFE(Furniture, Fixture, Equipment):etc inc.
所在地:広島県広島市中区猫屋町8-17(Google Map)
施設定休日:各店舗により異なる
1F 飲食店営業時間:各店舗により異なる ※9月22日(金)は1F飲食店のプレオープン営業あり
サウナ営業時間:10:00-23:30(最終入店 22:00)※10月下旬運営開始予定
サウナ施設定休日:不定休
〈猫屋町ビルヂング〉公式ホームページ
www.nekoya-cho.jp
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/nekoyacho.bld/
開催日:2023年9月23日(土)
時間:第1回 14:00-15:00 / 第2回 15:30-16:30 / 第3回 17:00-18:00
※3・4・5階+屋上(RF)各フロアをサポーズデザインオフィスのスタッフが案内
※1・2階は通常営業(営業時間 11:30-0:00)
参加方法:要予約
予約方法:下記担当者までメールにて申し込み
・件名に「施設内覧会」と明記する
・必要項目:氏名、参加人数、希望時間、代表者の連絡先(携帯電話番号、メールアドレス)を本文に明記
送信先:press[@]suppose.jp ※[@]を@に替えて送信すること
担当:真船
日時:20123年9月23日(土)18:00〜
会場:猫屋町ビルヂング 4階
参加方法:フリー・予約不要
開催概要:昭和に生まれた日本のユニークな文化「スナック」。12年前にサポーズデザインオフィスが広島で開催した「THINK06」において、「何もない部屋をママと客のコミュニケーションによってスナックという場にしてしまおう」という実感的な試みが行われた。その名も「スナック雨忘(レインボー)」。この幻のスナックが、一夜限りで復活。普段は建築家、デザイナー、編集者などそれぞれに活動をしている7名がママとして参加する。
日時:20123年9月23日(土)19:00-21:00(開場18:30)
登壇:谷尻 誠、吉田 愛、TTNE ほか
会場:猫屋町ビルヂング 4F
受付:1階 エントランス
料金:1,000円(社食堂にて1ドリンク付き)
参加方法:フリー・予約不要(席数には限りあり、会場の混雑状況次第で入場制限を行う場合あり)