上のモノクロ写真:髙島屋大阪難波新館改増築(1950年)、髙島屋史料館提供
20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエ(Le Corbusier|1887-1965)のパリ事務所に勤務し、帰国後も彼を師と仰いだ、日本近代を代表する建築家のひとり、坂倉準三(1901-1969)。坂倉の戦後の設計活動における、百貨店の髙島屋との数々の仕事にスポットをあてた展覧会『建築家・坂倉準三と髙島屋の戦後復興-「輝く都市」をめざして―』が、東京・日本橋の髙島屋史料館TOKYOにて、2022年2月13日まで開催されています(下の画像:会場風景 / 提供:髙島屋)。
本書『建築家・坂倉準三「輝く都市」をめざして 髙島屋の戦後復興にはじまる都市デザインへの挑戦』は、この展覧会の関連書籍。展覧会の監修者を務める建築史家の松隈 洋氏(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)が、展覧会で紹介しきれなかった内容も含めて、貴重な図面・写真・資料を100点以上収録し、1冊にまとめたもの。
本書では、これまであまり紹介されてこなかった、坂倉の百貨店建築がオールカラーで掲載されています。
髙島屋とのコラボレーションが、その後の都市デザインへの足がかりとなり、東急渋谷ターミナルや新宿西口広場などの代表作へとつながっていく流れや、坂倉のデザインの礎にもなったことなどを、松隈氏が丁寧に紐解いていきます。
また本書では、日本の戦後復興期と重なる建築・都市の歴史を辿るとともに、髙島屋をはじめとする百貨店建築が、都市における人の流れを生み出し、それらが都市のインフラ整備につながり、今に至る都市デザインに与えた影響なども明らかになります。
本書では、コルビュジエの建築作品として名高い〈サヴォア邸〉も紹介。モダニズム建築の巨匠から「輝く都市」の思想を継承した、日本人建築家の軌跡を辿ります。(en)
『建築家・坂倉準三「輝く都市」をめざして
髙島屋の戦後復興にはじまる都市デザインへの挑戦』
著者:松隈 洋
判型:A5判(コデックス装)
総頁(ページ): 152頁
ISBN-10:4861528607
ISBN-13:978-4861528606
定価:2,750円(消費税込)
版元:青幻舎
発行日:2021年12月10日
書籍詳細
https://www.seigensha.com/books/978-4-86152-860-6/
※特記ある画像を除き、書籍の画像は全て提供:青幻舎