開催まであと665日。
2025年4月13日より、大阪市内で開催される日本国際博覧会(2025年大阪・関西万博)に関する続報です。
公式参加国の1つ、チェコ共和国(以下、チェコと略)のパビリオンのデザインとコンセプトが先ごろ発表されました。
4月25日には、東京・広尾の駐日チェコ大使館にて、関係者による記者発表会も開催されています。
チェコ共和国単独での国際博覧会(万博)への出展は今回で6回目。分離・独立前のチェコスロヴァキア社会主義共和国時代にも参加しており、1970年の大阪万博にも出展しています(チェコ館 詳細:万博記念公園」ウェブサイト)。
チェコ政府は今回の大阪・関西万博への出展にあたり、ハノーバー万博(2000年)以来となるデザイン案のコンペティションを開催。38件の応募案の中から、スイス・チューリッヒ、オランダ・ハーグ、チェコ・プラハの3都市に拠点を構える建築設計事務所・Apropos Architects(アプロポス・アーキテクツ)と建築家のTereza Šváchová(テレザ・シュヴァーホヴァー)氏、プラハを拠点とするデジタルメディアスタジオ・Lunchmeat Studio(ランチミート・スタジオ)が共同で提出したプランを最優秀組として選出しています(審査員長はチェコを代表する建築家の1人、エヴァ・イジチュナー[Eva Jiřičná]氏)。
チェコパビリオンが掲げるテーマは「バイタリティを彫刻する(活力を彫み出す)」。このテーマに最もふさわしいデザインとして、チェコの伝統的なガラス産業を背景とした溶融ガラス(高強度ガラス)による螺旋構造のプランを採用したとのこと。
Apropos Architects Website
https://aproposarchitects.com/
Tereza Šváchová Website
http://terezasvachova.cz/
なお、日本側の共同設計者として、建築家の木下昌大氏が率いるキノアーキテクツ(KINO architects)がクレジットされています。
「パビリオンのファサードにガラスを使うことは、最初から明確に構想されていました。チェコ共和国には、高いガラス加工技術を有する職人による豊かな伝統文化が存在し、ガラスは今回の万博のテーマ(いのち輝く未来社会のデザイン)、およびパビリオンのテーマ(バイタリティ)と照らし合わせてみても、納得のいく素材でした。
職人のクラフトマンシップと創造性を背景に、チェコの芸術とクリエイティビティを表現する素材として、ガラスのほか、木材をパビリオンの建材として採用しています。現代社会において、人々の寿命は伸び、よりバイタリティーあふれる暮らしが可能となります。私たちの内面のバイタリティを強めるには、社会や文化の価値観に自分たちの意識を向け、常にそれを自身にも言い聞かせ、強化していく必要があると考えています。
ダイナミックな螺旋構造は、最も理想的なアプローチとして機能します。来訪者が約400m²の展示面積を有するパビリオンの内部を回遊し、館内の文化コンテンツを巡ることで、訪れた人それぞれの内面のバイタリティを刺激する、豊かな”旅”とへとつながるのです。
来館者が歩くスロープの幅は、2mから7mの間で変化を伴います。緩やかなスロープの行き着く先、屋上には、大阪湾を見渡せる大パノラマのルーフトップバーが用意され、ガラス張りの天窓からは館内を見下ろすことができます。ほか、館内にレストランも付帯します。」(駐日チェコ大使館提供資料より)
Architecture: Apropos Architects with Tereza Šváchová
Author: Michal Gabaš, Tomáš Beránek, Nikoleta Slováková, Tereza Šváchová
Cooperation: Kryštof Jireš, Rudolf Nikerle
Visual Identity: lunchmeatstudio
Visualisation: zan_studioApropos Architects インスタグラムより
https://www.instagram.com/apropos.architects/
駐日チェコ共和国「チェコパビリオン」に関するプレスリリース(2023年3月11日)
https://www.mzv.cz/tokyo/ja/economy_and_trade/Competition_Award_Expo2025.html