2020年12月11日初掲
2021年1月13日関連動画追記
2019年に東京・乃木坂のTOTOギャラリー・間(通称:ギャラ間)で開催された、建築家の中山英之氏の企画展が、北九州市のTOTOミュージアムに巡回します。
中山氏以外の6人の監督が、展覧会のために撮りおろした映像(短編映画)を上映するもので、そのうちの5本は、中山氏がこれまでに設計した個人邸などの建築を撮影、あるいはアニメーションなどで表現したもの(媒体未掲載作品を含む)。中山氏は映像の制作にはノータッチで、6人がそれぞれ独自に撮影・編集を行っているのが大きな特徴です。住まい手の暮らしぶりなどをとらえた映像を通して、空間の質や建築の魅力を伝えるだけでなく、中山氏が建築にとって重要と考える、設計者の意図が及ばない「建築のそれから/, and then」を客観的に浮かび上がらせます。
乃木坂および北九州の会場どちらとも、二十歳前後の頃は毎日のように映画館に通っていたという、中山氏の趣向が色濃く反映されています。本展では、会場をシネコン(シネマコンプレックス)に見立て、ロビーに見立てたそれぞれの「島」には、実際の映画館で劇中衣装などが展示されるように、各短編映画のメイキングや、撮影された建築作品を紹介するドローイング、模型などが展示されます。映画の”パンフレット”として、書籍『建築のそれからにまつわる5本の映画, and then: 5 films of 5 architectures』(TOTO出版、2019)も会場にて販売されます。
film 1.「弦と弧」(8分34秒)
監督:八方椎太、音楽:門田和峻
2017年竣工《弦と弧》
2階建ての大きさに、かたちのばらばらな10層の平面が重なった住居兼仕事場。上下するカメラが、その場所での朝から晩までを記録した映像。
film 2.「mitosaya 薬草園蒸留所」(6分2秒)
カメラ:江口宏志、企画:川村真司
2018年竣工《mitosaya 薬草園蒸留所》
人の来なくなってしまった薬草園を、果物と薬草を使った蒸留所に生まれ変わらせる計画。動き始めたばかりの酒造りを1人称カメラが見つめる。
film 3.「岡田邸」(8分49秒)
監督:岡田栄造 空間現代、音楽:空間現代
2009年竣工《O邸》
街かどに吊るされた高さ7.5メートルのカーテン。その奥に続く、どこかで見たホテルの廊下のような空間。そこにある生活の断片が、静止画のように切り取られる。
film 4.「家と道」(17分45秒)
監督:坂口セイン、音楽:坂口セイン、中山順子
2013年竣工《家と道》
道を挟んで並んだ、素材は違うけれどまったく同じかたちをした2軒の家。実はそれらは道の下で繋がっていて・・・・・・。家と道のあいだで撮られた、ほんの短いある日の出来事。
film 5.「2004」(6分38秒)
監督:YU SORA、アニメーション:YU SORA、写真:岡本充男、音楽:庄子 渉
2006年竣工《2004》2006年竣工
住宅街に取り残されたクローバーの生えた地面と、その上に50センチだけ持ち上げられた白い木箱のような家。アニメーションとスライドショーによる短編。
film 6.「かみのいし」(1分42秒)
監督:梅原 徹/砂山太一、音楽:梅原 徹
2019年
「部屋に置くための石」のできるまで。
#TOTObunka YouTubeチャンネル 展覧会ガイド「北九州巡回展 中山英之展 , and then」(2020/12/17)限定公開
会期:2020年12月1日(火)~2021年3月7日(日)
会場:TOTOミュージアム(福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1)
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜、年末年始
入場料:無料
※会場が混雑した場合には、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策のため、入場を制限する場合あり(同対策について)
注.COVID-19拡大防止の観点からスケジュールが変更される場合あり。最新の情報は会場の公式ウェブサイト・SNSを参照してください。
主催:TOTOギャラリー・間 / TOTOミュージアム
会場ホームページ:https://jp.toto.com/museum/