COMPETITION & EVENT

荒川技研工業50周年記念展「ubique」

"見えないけれど美しい金具" ARAKAWA GRIPにフォーカスしたインスタレーションを空間デザイナーの吉添裕人氏が担当

2023年8月27日初掲、9月2日会場写真追加、9月4日トークショー登壇者発表

東京・表参道にある荒川技研工業のギャラリースペース・TIERS GALLERYにて、同社の精緻な技術にフィーチャーした企画展が9月1日より開催されます。

荒川技研工業は1973年9月5日の設立、本展会期中に50周年を迎えます。
同社の創業者で現在は取締役会長を務める荒川秀夫氏(1936-|工学博士)が「ないものを創る」を理念に会社を立ち上げ、ワイヤー金具の調整機構・ARAKAWAGRIP(アラカワグリップ)を開発したのが1975年のこと。この技術を核とした用途製品を次々と世に送り出し、グッドデザイン賞をはじめとして受賞も多数(受賞歴はこちら)。建築家やデザイナーとの数々のコラボレーションでも彼らのクリエイションを支えてきました。

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」

〈ARAKAWA GRIP〉はこれまでに500種以上を展開。埼玉県の自社工場で設計から生産まで一貫して行うことで、信頼性を担保している。

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」

絵の裏に隠れるフックも美しい〈ARAKAWA GRIP〉は、ステンレスワイヤーに任意の位置で固定・移動でき、ワイヤーに金具を通すだけで固定され、ワンタッチで位置調節が可能。ワイヤークリップやカシメとは違い、誰でも安全に吊ることができる(提供:荒川技研)

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」

荒川技研工業のピクチャーレールシステム

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」採用事例

美術館での〈ARAKAWA GRIP〉採用例
1993年にロシアの国立トレチャコフ美術館で採用されて以降、ナショナルギャラリー、メトロポリタン美術館、大英博物館、故宮博物館(台湾)、エルミタージュ美術館で採用実績あり。スミソニアン財団からはピクチャーレールの新規開発を依頼された。
参考リンク:開発ストーリー「ワイヤーシステム「アラカワグリップ」が世界の美術館やショーウィンドウで使われるまで」(2023年8月22日 PR)

都内にある観葉植物専門店〈REN〉での採用例(店舗概要はこちら)。
店舗では、エンポリオアルマーニのショーウインドウ、米国のスニーカーショップ・フットロッカー、無印良品の各店など採用多数

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」

TIERS GALLERY(ティアーズギャラリー)での展示風景(提供:荒川技研)

本展では、開発から進化を重ね、あらゆる素材との組み合わせを可能にしてきたワイヤーシステム・ARAKAWA GRIPを改めて見つめなおし、その魅力を伝えます。
埼玉県にある同社の所沢事業所で使用されている部材や、金属加工後の切り屑など、製造過程の部材にも着目し、機能美とプロダクトとしての佇まいそのものにもフォーカスしたインスタレーションを、空間デザイナーの吉添裕人氏が担当します。

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」

機械加工前の金属のバー材(提供:荒川技研)

コンセプトは「遍在」

荒川技研工業とのコラボレーションとして、ARAKAWA GRIPの元素と言える金属素材そのものの美しさに着目した吉添氏は、その素材や工場で見た風景をあるがままに空間に構成することを提案します。そこに唯一掛け合わせる要素は、自身の制作活動における精神性として重要視する空気や風、光、陰といった、かたちのない流動的で不完全なエレメントです。

本展では、パーツが放つ魅力がどのようにしてつくり出されるのか、その点景を工場の現場から抽出することからはじまります。
加工前の金属棒、切削加工の過程で出るスクラップ、そしてARAKAWA GRIPの多種多様なパーツ機構、空間を走るワイヤー。それぞれのマテリアルが持つ力強くも繊細な美しさを直接的に引用すると同時に、工場の風景や製造過程にインスピレーションを得て、空間を構築していきます。

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」

吉添裕人氏によるインスタレーション イメージ

荒川技研工業が生み出すワイヤーシステムは主に建築、空間業界において活用され、様々な設計者のイマジネーションをかたちにしてきました。存在を感じさせず、まるで空気のように設計者に寄り添う姿勢は丁寧なものつくりの積み重ねによって実現されています。

展覧会名は「ubique(ウビークエ)」。遍在すること、至る所に存在することをラテン語で意味するこの言葉は、ARAKAWA GRIPのその立ち居振る舞いを体現する言葉であると吉添氏は考えています。
また、作者自身が見つめ続けるかたちのないマテリアル、不均整な存在がもつ可能性の追求に通ずる言葉でもあり、この二者の共通項が自然と空間の中で重なっていきます。

荒川技研工業の半世紀のものつくりが引き継いできたもの、そして、これからの半世紀に引き継いでいくもの。過去から未来にわたって脈々と繋がれていくその潮流の場景を、インスタレーションとして表現します。


クリエイター プロフィール

吉添裕人(よしぞえ ひろと)
武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。独立後、都市開発や商業施設開発、ホテル開発などの空間デザインを主軸としたクライアントワークに従事する。その経験は2017年より開始した個人的な制作活動に影響を与え、人間の感覚器官と環境のインタラクティブな関係性の構築や空間的拡張性表現の追求といった、身体と空間の呼応を重視した独自の制作プロセスを形成している。
自然風景や現象、素材などプリミティブな要素からインスピレーションを受けると同時に、自身のアイデンティティと密接につながりを持つ日本の文化背景や宗教観と通ずる「変化」「動き」「時間」といった不完全で流動性のあるテーマを探求している。
京都芸術大学非常勤講師。

吉添裕人(よしぞえ ひろと)近影

吉添裕人(よしぞえ ひろと)近影

2017年「PIXEL」、2021年「hymn」をはじめとする発表作品で多くの受賞歴があり、日本、イギリス、イタリア、アメリカ、ブラジル、中国など各国で作品を発表。空間領域から拡がる幅広い分野での活動を続けている。
HUBLOT DESIGN PRIZE 2022 Finalist (UK)、ELLE DECO International Design Awards-EDIDA 2022 Best in Lighting Nominated by Japan Edition (JP)、dezeen Milan Design Week 2018 Lighting Design TOP10 (UK)、dwell 24 selection (US)、LEXUS DESIGN AWARD 2017 Grand Prix (IT)、LEXUS DESIGN AWARD 2016 Finalist(IT) など受賞多数

Hiroto Yoshizoe Website
https://www.hirotoyoshizoe.com/

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業所沢事業所で使用あるいはかつて使われていた道具などのモノを含め、本展のために金(ゴールド)メッキされたARAKAWA GRIPのプロダクトや照明を内部に仕込んだ特注品を、ワイヤーシステムで配置したインスタレーションが展開されている

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

金属加工後の切り屑とかき棒(画面左上)

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

2F受付横・階段ステップでの展示(削り出しの途中の金属棒ほか)

荒川技研工業ワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP(アラカワグリップ)」

2Fで再現されている、ミラノデザインウィークでの荒川技研工業 / ARAKAWA GRIPの展示(撮影:太田拓実)

ショールームでもSTUDIO BYCOLORによる関連展示を併催

インスタレーションに加えて、同館1階にある荒川技研工業のショールームでも関連展示もあわせて行われます。
50周年プロジェクト「50 GRIPS」のトータルディレクションを⼿掛ける STUDIO BYCOLOR(スタジオ バイカラー、代表:秋山かおり)が担当し、ARAKAWA GRIP の原点であるプロダクト「ハンドプラー(HP-1)」や、これまでに同社が交流してきた建築家やデザイナーの作品などが展示されます。

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

クリエイターらとの数々のコラボレーションを紹介した展示(会場2F) 出力紙のパンチ孔にアラカワグリップのパーツを通して吊るしている

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」会場風景

荒川技研工業50周年記念展「ubique」
The invisible and visible beauty of ARAKAWA GRIP

会期:2023年9⽉1⽇(金)〜12⽇(火)
会場:TIERS GALLERY by arakawagrip
所在地:東京都渋谷区神宮前5-7-12(Google Map
営業時間:13:00-20:00
入場料:無料
※初日9月1日(金)18時よりレセプションあり

荒川技研工業50周年記念展 「ubique」

グラフィック:前島淳也

トークショー

テーマ:「遍在を見つめる」
日時:2023年9月8日(金)18:00-19:00
登壇者(敬称略):吉添裕人、前島淳也、秋山かおり荒川 創(荒川技研工業代表取締役)
会場定員:あり(要申し込み)
https://a14.hm-f.jp/cc.php?t=M494309&c=2196&d=3095

荒川技研工業50周年記念展トークイベント

主催:荒川技研工業
ディレクター:STUDIO BYCOLOR
クリエイター:吉添裕人
グラフィック:前島淳也
協賛:ワイ・エス・エム、落合製作所、NBCメッシュテック、フェイステック、アイティーエル、藤岡工芸社

本展&イベント詳細
https://www.arakawagrip.co.jp/50grips/ubique/

TIERS GALLERY(ティアーズギャラリー)

〈TIERS(ティアーズ)〉外観(撮影:平賀 哲)

荒川技研工業の本社・表参道ショールーム。建築家の田邊曜が設計した〈TIERS〉は段状、層を意味する名称のとおり、外部から内部へつながる大階段、途中階のテラス、野老朝雄デザインによるパターンを用いたワイヤーのファサードにより、緩やかに街と連続する空間をつくりだし、3Fにあるクリエイターのためのギャラリースペース「TIERS GALLERY」へと訪問者を導く。
「iF DESIGN AWARD 2019」ほか受賞多数。

TIERS GALLERY by arakawagrip Website
https://www.arakawagrip.co.jp/tiersgallery/

荒川技研工業

荒川技研工業 所沢事業所で働く人々

 

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