神奈川県・箱根町の高級名旅館として名高い強羅花壇が、京都に進出することが明らかになりました。
京都市内で進めている旧九条山浄水場跡地活用プロジェクトのため、同社が新たに設立した特定目的会社と、土地を管理していた京都市が、2022年2月22日付で土地売買契約を締結したことが発表されたものです。
サイトは、京都盆地の東側を南北に連なる東山三十六峰の中間にあたる大日山の山頂部に位置しており、同敷地からは、美しい京都の街並みを一望できます。
最寄駅は市営地下鉄「蹴上」。北西には美術館などがある文教地区の岡崎、北東側には南禅寺がある、歴史情緒溢れるエリアです。
旧九条山浄水場の歴史は、明治45年に宮内省(当時)が整備した御所水道を起源とし、昭和24年に、京都市が運営を開始しました。
旧九条山浄水場跡地の活用については、2021年夏に事業者を公募で選定するプロポーザルが実施され、強羅花壇を優先交渉権者に選出しています。
開発側では、公募対象地に隣接地を加えた土地を総額19億円強で取得。強羅花壇が開発から経営までを行う、直営の宿泊施設が新たに建設される予定です。
公募型プロポーザルにおける主な提案内容(2021年8月19日発表時点)
洗練された運営に基づく豊かな「空間」を創出する宿泊施設
・客室構成:約1万1千平米の広大な敷地に32室のみの客室構成
・室内設備:全客室に京都市街を一望できる屋外展望テラス、展望露天風呂など
・館内施設:プール、フィットネスジム、エステサロン、温泉大浴場など日本の伝統文化「和」を伝承
建物共用部の内装及びインテリアには京指物、京表具、西陣織をはじめとする京の染色を用いた壁紙、京都の伝統産業品である京銘竹や和紙を採用予定。歴史と文化の体現
旧御所水道関連施設である「沈でん池」2基をそれぞれレセプションロビーおよびプールとして、「着水井」はアクセス階段および眺望テラスとして保存活用する予定。周辺の自然景観との調和
建物外観は、緩やかな勾配をもつ寄棟屋根の連続を東山の景観になじむように、また、施設の顔となるエントランスゲートには切妻屋根と面格子をもつ「門」をランドマークになるように配し、シルエットが岡崎地区の文化的景観と一体となる構成。
建物は斜面地になじませた配置とし、全ての客室から京都盆地の眺望を確保しながらも、建物の高さを低く抑え、周辺の建物の眺望を妨げないように配慮する。※本稿1枚目の鳥瞰ビジュアルは、2022年3月3日発表時点のイメージ(今後、変更される可能性あり)
所在地・地番:京都市山科区日ノ岡夷谷町17番66 他
契約面積:14,215.27m²
・公募対象地:山科区日ノ岡夷谷町17番66 ほか(11,139.46m²)
・隣接地:山科区日ノ岡夷谷町17番221 ほか(3,075.81m²)
売主:京都市
買主:旧九条山浄水場跡地活用特定目的会社 (※強羅花壇が本事業のために新たに設立した特定目的会社 / 公営企業管理者上下水道局長 吉川雅則)
契約金額:約1,914百万円(上記内訳:1,500,000,000円+414,176,271円)
契約締結日:2022年2月22日
開業(予定):2026年春
旧九条山浄水場跡地の活用に係る売買契約の締結について(京都市発表)
https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000293584.html
強羅花壇公式ウエブサイト
https://www.gorakadan.com